第51話 ドルモンド候の提案

ラックは葵がドルモンド候の横の

主賓席に座っている様子を

遠目で眺めていた・・


「葵ちゃん 大丈夫かな?

さっきから何も食べていないし・・・

少し疲れているように見えるけれど・・」

ラックはとても心配そうに葵を見つめていた


そんなラックの視線に気付いた

父ヨーデルは 息子であるラックを

ドルモンド候に紹介する為に 

声をかけ 呼び寄せた!


「ドルモンド候!

この子が私の息子ラックです!

ラック! 侯爵に挨拶をしなさい!」

ラックはドルモンド候に近づき

片膝をつき 丁寧に挨拶をした


「ドルモンド侯爵様!

お初にお目にかかります!

私はヨーデルの息子ラックと申します!」


「ラック!?

この者がヨーデルの息子ラックか? 

会えて嬉しいぞ!近くに来て

よく顔を見せてくれ!!」

ドルモンド侯が満面の笑みで 

ラックの両肩に手を置き 力強くハグをした!


「ラック!

今回のリムラ村復興において

君は一番の功労者であるそうだな!

よくやった!


君の功績はアダム皇帝に報告している!

きっと褒美が送られるから

楽しみにしておくがよい!!」


「褒美ですか?

私は復興チームの一員に過ぎません

私だけ褒美を頂く訳には参りません・・」


「何を謙遜を申しておる!

ハハハハハ!!

ヨーデルよ!お前の息子は

なかなか見所があるな!

是非、葵巫女様と共に 

スンツヴァル王都に

招聘したいのだが どうだろうか?

勿論ヨーデルお前もだ!!」


「えっ!?

葵巫女様と王都へ行けるのですか?」


「そうだ!

葵巫女様はこれから

スンツヴァル王都でアダム皇帝を超える

最高位に即位されるのだから!

友人である君が共に王都へ来てくれた方が

葵巫女様の心の支えになれるかもしれない!

どうだろうか?」


「僕は・・・是非

お供させてください!

こちらからお願いしたいと思っていました!」


「そうか!

葵巫女様も喜ばれる事だろう!」


「あの・・・

ドルモンド侯爵様

実は・・お願いしたい事があるのですが・・


今回リムラ村復興に尽力した

4人の友人の同行も認めて頂けないでしょうか?」


「4人もおるのか?」


「そうです!

私と友人のアニーとデル兄弟

そして葵巫女様のリムラ村の幼馴染シズとヘルドです!

私達5人が チーム葵として

これから葵巫女様のお側で

お仕えさせてください!!」


「そうだな・・・・」

ドルモンド侯は少し考え込むと・・


「では 葵巫女様に決めて頂こう!

葵巫女様の決断が 

何よりも優先されるからだ!」


□◆□◇◆


葵は ラックとドルモンド候の話を聞き 

ふたりの元に近づいてくると・・


「ラック!

あなたは 私が巫女として目覚める為に

夢の中で 私の魂の叫びを受け止め

私を探し当て 助けてくれた

命の恩人です!


そして妖精族の守護者である

サラさんやルスタ学園長の能力に近い素質があり

彼女達に扱えなかった 

神具「琴笛」が唯一認めた存在


つまり起源の存在:神の加護がある!という事です!

あなたは「未来の勇者」となるべき

選ばれた存在です!!


これから私と共に

スンツヴァル王都が抱える

多くの問題を解決し 

「赤い星」組織の陰謀から

王都を守ってくれると 私は信じています!


ドルモンド候!

巫女としての最初のお願いです!

ラックとアニー、デル

シズ、ヘルドの同行をお願いします!


勿論彼らの意志を尊重したいので

彼らが望めばだけれど・・

ラック!

アニー達をここに連れてきてくれるかしら?」


アニー達3人が呼ばれ

葵の提案を聞くと 

目を輝かせて叫んだ!


「葵巫女様!

私達を是非!

同行させてください!!!」


こうして葵巫女と5人の友人達は

スンツヴァル王都に

出向く事になったのである!!

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