第45話 悪夢が現実に

ラック達救済チームが

リムラ村で救済活動をしている頃


葵はひとりガデム村に残り

サラの店2階の住居で

仮眠をとっていた


巫女に覚醒してから

葵は まだ自身に宿る新しい力に

順応できておらず 

僅かな疲労を覚えており

睡眠を必要としていた・・


(葵は夢を見た・・)


□◆□◇◆


父さん!!

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

父さん!!!!!!!!


葵は魂底から突き刺すような

張裂けそうな声で叫んだ!!


ダンは遠く離れた丘の上の薄靄の中で

ただ葵をじっと見つめていた!


葵に対する優しい眼差し。。


葵は 父ダンに会いたい衝動を抑えきれず

ダンに駆け寄ろうと

力の限り 駆けて行った!

しかしどんなに近づこうとしても・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ダンとの距離は縮まらない・・・


葵は息を切らし

両膝を地面につけ 顔を見上げると


そこには暗黒の闇光が

葵とダンとの空間を阻み 澱んだ空間が

辺りを覆いつくしていた!!

そこには何者を通れない

深い暗溝が存在していた!


『生と死ほどの距離である!!』


暗黒の存在に葵は圧倒されたが・・・


葵は決して恐れなかった!

そして力強く言葉を発した!


『光よ!

光よあれ!!!!』


すると茫漠と覆った暗溝の空間が

一瞬のうちに掻き消された!!

『生と死が繋がったのだ!!』


そしてダンの身体から光が発せられ

これまでダンを支配してきた悪根が完全に消滅し

繋がれていた苦鎖から

完全に解き放たれた!!


するとダンから失われていた

魂から聖なる息吹が放たれ

ダンの額から 光が放たれていった!


■□■◆◇


「これ・・は・・夢?」

葵は目を覚ますと

枕を涙で濡らし


まるで現実の世界で

起きていたかのように

胸が締め付けられる動悸を感じていた!!


「父さんは間違いなく!

悪根の術から解放されている筈だ!!

しかし 何?

この不安は・・・・

・・・・・・・・・・

どこから・・来るの?

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・


父さんに ・・・・

危険が及んでいる!?

・・・・・・・・・

まさか!!!!!!」


葵は父ダンが

敵である「赤い星」組織に

連れ去られた事を瞬間的に 察すると・・


サラの店を飛び出した!!


「父さん!!!!!!」


葵を護衛する為に

店の前にいた保安官が

葵に声をかけたが


静止の声を振り切り 

ガデム村に向かって 走り出した!!


「父さん!!

どこへ行ったの!?


父さん!!!!!!!」



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る