第42話 ラックの素質

「葵巫女様!

もうこれ以上 

巫女様である事を 

隠し続ける事が困難です


それに、これからリムラ村の人々を救う為に

神具「琴笛」を用いる必要がありますが

この伝説の神具は 巫女様と 

一部の妖精族の最高位の者達しか

扱えないと 聞きます・・


当然、下級守護者である私と

中級守護者であるルスタ学園長では

到底、扱える訳もなく・・


村人達が 『琴笛』を用いる

葵巫女様の姿を見れば

当然 村人達は 巫女様である事は

分かってしまうでしょう・・

まぁ・・それはいずれ分かる事であり 

良いとしても


私が危惧するところは

リムラ村を襲い 廃村化に仕向けた

悪の呪術者達が もしかしたら

巫女様の存在を察知し

命を狙いにくるかもしれません・・


王都の軍隊の護衛がない今

我々だけで 葵巫女さまを 

お守りする事は困難と言えるでしょう・・


リムラ村救済計画は

私達と村の有志100名に任して頂き

葵巫女様は 村に残られた方が 

良いのではないでしょうか?


「サラさん!

それは いけません

先程の話と 矛盾しているではありませんか?


彼らの悪根の術を 破る為に

神具『琴笛』が必要であるならば

それを扱えるのが 私だけであるなら

私が出向かなくて 誰が? 

悪根の術から解放する事ができるのでしょうか?

根本的な解決には 至らないと思います!」


その話を聞いていた ラックが

堪らず 葵に声をかけたきた!


「葵ちゃん!

いや・・・ごめんなさい・・・

巫女様でしたね・・

すいません・・・まだ慣れないもので・・

僕から 意見を言わせてもらってもいいですか?」


「勿論よ!ラック

あなたの意見を聞かせて欲しいわ!

それと 私達は 親友でしょう?

これまで通り 私を葵と呼んで欲しい!」


「いいのですか?

分かりました・・・葵ちゃん


思い出して欲しいのだけど・・・

僕達が 2回目に合った

リムラ村の 古代の遺跡の前で

初代巫女様が 残された石柱を前にした時

天より聞こえた 起源の存在;神の言葉を

覚えていますか?」


「勿論よ!」


□◆□◇◆


『汝・・選ばれし 存在・・世界を・・救う者なり・・・

世界に眠りし 聖典と神具 揃いし時

悪の根源 封じ 人類を ワールドの世界へと 導く!』


□◆□◇◆


「あの天からの声・・

本当なら 巫女である葵ちゃんしか 

聞こえない筈が

何故か 僕も理解する事ができた事を・・・


僕はあの天の声を聞き 魂が揺さぶられ

神の招聘は 僕も含まれているように思えた

胸が熱く 燃え上がり 勇気が湧いてきた事を

今でも 忘れる事はできない!


あの日から 僕の人生は180度変わりました!

これからは人の為に生きたい!

この世界をもっとよ良くしたい!

リムラ村のように 廃村化され

迫害の中 苦しむ人達を 救い出したい!!と

強い使命感が 湧いてきたのだよ!


僕は 普通の少年に過ぎないかもしれないけど

きっと葵ちゃんが これから巫女として

世界を救う為に活躍する時 

僕は葵ちゃんの手助けができるように

どんな苦しい事にも 恐れず 

立ち向かっていきたい!と思っている!


それと・・・

これまで黙っていた事なのだけど

僕の家にあった あの神具『琴笛』だけど

葵ちゃんが 僕の家に来て

『琴笛』に触れ 覚醒する前に


実は・・前の日に晩に

たまたま 僕が『琴笛』に触れたのだ

すると『琴笛』が震え 一瞬光を放ったのだよ!

これは・・もしかしたら僕にも 

扱える代物ではないか?と

ずっと 思ってきたのだ!


だから 葵ちゃんの代わりに

僕が『琴笛』を扱えたら 

巫女である 葵ちゃんに危険な目に合わせず

僕が リムラ村の人達を

救う事ができるかもしれない!


だから 僕に『琴笛』が扱えるか?

試させてもらえないだろうか?」


ラックは まるで勇者のように

熱く 大声で 語りだした!


ラックの話を聞いていた 周りの人も

ラックの熱意に引き込まれ 皆の心の芯が

神の霊で 満たされていくのを 感じられたのだ!


(もう間違いない!彼が勇者である事は!)


「ラック!

あなたと 起源の存在:神の声を

聞いた日のことは

私も覚えているわ! 

とても不思議な出来事だったわね!

..................

あなたの言う通り 

もしかしたらあなたにも!!


ラック!

神具『琴笛』を手にとってみて!!」


葵は『琴笛』を手にとった

すると 眩いばかりに輝き出し

人々を 驚かせ 皆が葵達に注目が集まると


ラックは 葵から『琴笛』を受け取った!

すると その輝きは消える事なかった!


「おおおお!凄いぞ!

琴笛がラックを認めたぞ!!!!

どうなっているのだ!?」

100人の有志達が 驚愕した!



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