第23話 父さんと暮らしたい

葵は昼間の父ダンとの接触を

思いかえしていた


今晩みんなが私の為に

集まろうとしてくれている・・・

昼間に怪我をした事は確かだけど

皆に誤解を与えたくない・・


これまで父が私に対してしてきた事は

決して 許される事ではない・・

でも・・犯してきた過ちは

赦される道があっても良いのではないか・・・


みんなで父さんを責め立て

2度と一緒に暮らせなくなるような

展開にはなって欲しくない。。


今は一時的に お互いに距離を置く事は

大事な事だと思うけれど

『私は父さんと一緒に暮らしたい!』

この気持ちは決して 

変わる事はないのだから・・


そう思えるようになったのは

起源の存在:神の存在が大きい!!


私自身 これまで独りぼっちで

ひどく孤独であったけれど・・

本当は ひとりではなかった!

私の傍で 私を励まし 

助けてくださる存在がいた事!

『神という希望の存在』が!


□◆□◇◆


「葵ちゃん

気分はどう?」


「サラさん!

私は大丈夫です!」


「今から葵ちゃんの事を心配し 

駆けつけてくれた友人達を呼ぶけれど

いいかしら?」


「はい!私も皆さんに

話したい事があります!」


そして葵を囲むように

まわりにラック アニー デル

サラ ヨーデル エリーおばさん

そしてサラさんのご主人のカムイが加わり席についた


「今日はみなさん!

集まっていただき本当にありがとう!」


「当然だよ!

みんな葵ちゃんのこと

心配してるんだからさ!」


「えっ?アニー

お前今日が初対面だろうが!」

(ラック)


「オレが

心配しては悪いのかよ!」

(葵ちゃんに出会ってから

この子の事が頭から離れないんだ・・・)


「葵ちゃんは今日から

私の親友になったの!

わたしが葵ちゃんを守る!

葵ちゃんの為だったら

何だってする覚悟よ!!」

(デル)


「ありがとう!

デルちゃん!」


(デルお前・・・昼頃までは

ラックの恋敵と挑戦的だったのに

どうしてそんなに好意的に

めちゃくちゃ親友ズラしてるじゃないか?

それにまだ一度も話してないのでは?

まぁオレもだけど・・・)

(アニー)


■□■◆◇


「本当は子供たちが話し合いに入ることは

反対だったんだけど

ヨーデルさんが葵ちゃんを

心配している友達の存在が大事だから

参加してもらった方が良いと意見があったので

あなた達も参加してもらったのよ!」(サラ)


「はい!分かってます!」

3人は声を合わせて返事した


サラは飲み物をみんなに出し

葵の前には作り立てのサンドイッチを置いた


「葵ちゃん!

あなたお昼から何も食べてないでしょ!

食べて元気をだして!」


「ありがとうございます!」

(葵は怪我が痛み

食欲がないのかサンドイッチを

2口3口食べるが残りを皿に戻してしまった)


「葵ちゃん!

もっとしっかり食べてよ!」

(ラックは元気のない葵に声をかけた)


「ありがとう!ラック

もう少し食べるようにするね!」


(そして話し合いの前に葵が

食べ終わるのを静かに見守ることにした)


□■◇◆


「しかし大変なことになっちまったなぁ~

あいつ村長の好意を無視し

なんで葵に会いにきたんだ!」

(サラの夫カムイは大柄な男で

大きな声で話しだした)


「わたしはね!

この間葵ちゃんが熱中症で倒れて

以降ずっと心配していたのよ!

そして何かあったら必ず連絡してね!って

ヨーデルさんにお願いして今日来た訳だけど・・・

あの男はどうしようもない奴だね!!」

(怒り心頭のエリーおばさん)


「あの時 葵ちゃんが

どうしてもお父さんと

一緒に暮らしたいって言ったから

あなたの思いを尊重し

しばらく見守る事にしたけれど・・・

今回の暴力事件がありもうほっとけないわ!

私が葵ちゃんと暮らすわ!それでいいわね!」


「待って!待って!

みなさん少し落ち着いてください!

みなさんが葵ちゃんの事を思い

心配している気持ちよく分かります!

そしてこれからダン親子がどうしていくべきか?

私たちにできる事は何か?

ゆっくり相談していこうではありませんか?」

(ヨーデル)


「そしてこの際

葵ちゃんの思いを

しっかり聞きたいと思います」


「これまでお父さんの暴力を

たくさん受けてきたのに

どうして一緒に暮らすことにこだわるのか?」


「葵はお父さんのことどう思ってるの?」


一同葵に視線を向けた

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