第21話 アデルス学園

ガデム村には 100年前に設立された

アデルス学園という学校があり


村に住む6歳から15歳までの子供達

総勢80名が地域の村々から通っていた


学園長はガデム村の村長の妻ルスタであり

巫女様が神より授かったとされる「聖典」の言葉が

リムラ村に多く遺跡として 

残されているので


人間教育を中心に 

農林業の担い手となれるよう

技術的な教育がなされていた


ラックには幼馴染の兄弟がおり

ルレオ商店の双子の兄弟がいた

兄がアニーで妹がデルと言い

とても仲が良い親友であった


「ラック!

放課後一緒に遊ぼうぜ!」

ルレオ商店の双子の兄弟

アニーとデルが誘いにきた!


「ダメ ダメ!

オレは忙しいだ!!」

ラックはふたりの誘いをあっさり断った


「何でだよ!ラック

昨日も 断ったじゃないか?

何か大事な 用事でもあるのか?」


「それは・・・」

ラックは葵ちゃんの事を

知られたくなく 黙っていた


「父さんに頼まれている

大事な用事があるから 遊べないんだ!

悪いな!また今度な!」


そう言うとラックは

急いで駆けて行った


「ラック~!!!

何で最近遊んでくれないの?」

(妹のデルはふて腐れている)


「ラックに好きな子が

できたみたいだぜ!」


「誰よ!?」


「オレもよくは知らないけど

リムラ村の子でどうも訳ありみたいだぜ!」


「リムラ村?

どうしてあんな田舎の村の子を

好きになるのよ!?

信じられないわ!」


「本当だって!

サラさんのお店で住みこみで働いているらしい

父さんと母さんが話しているのを聞いたんだよ!」

もしかしたらそこにラックがいるかもしれないぜ!」


「それが本当なら 確かめに行きましょう!

私は着替えてから行くから!!

先に行っていて!」

デルはまだ会っていない葵に対して

強い嫉妬心を抱いていた


「リムラの田舎娘?

わたしとの格の違いを見せてあげるわ!」

デルは家に戻り母から 

誕生日にプレゼントされた

スンツヴァル王都街で購入した特別な服に

(絶対負けないんだから!!)


■□■◆◇


デルは ラックと親しくしている

葵という少女がリムラ村の子だと聞き・・

以前聞いた噂を 思い出していた・・


「リムラ村って確か 廃村になった村よね・・

ほとんど人が住んでいないと 聞いていたけど

リムラ村の少女?

どんな子かしら・・・」

(デルは少し心配であった)


「あの二人に 詮索されると

葵ちゃんを紹介しないと いけなくなるからな!

葵ちゃんは 昨日来たばかりだし

友達は・・・多い方が良いとは思うけど・・

(まだ 僕だけの友達であって欲しい!)


少し心配だな・・

あの二人は 少し疑り深いところがあるから?

跡をつけられいないかな?」


ラックは後ろを振り向くが

誰も いなかった


「気のせいかな?

とにかく サラさんの店に急ごう!

お店は毎日繁盛しているし

葵ちゃん 初日から大変だったと思うから

僕が手伝ってあげないと!」


□◆□◇◆


その頃アニーはサラの店に向かい 

ルレオ橋に差しかかっていた


そこで急いで橋を渡る

少女の姿が目に入った


「誰だろう?

見かけない子だな・・・」

(しかしすごく可愛い子だったな!)


「あれ?

あの怪しい男は誰だろ?

今の子の後をつけているような・・・」

(気のせいかな?)


「こんにちは!」

アニーはサラの店に入り店内を見渡した

するとラックの姿を見つけた!


「おい!

ラックここにいたのか?」


「アニー!!

お前何しに来たんだ!」


「なんだよお前!その言い方は!」

(さてはお前本当に(笑)


「喉が渇いたからな!

ジュースでも飲もうと思ってよ!」


「そうなんだ・・・」

(何だか怪しいなぁ)


「それよりラック!

お前どういうつもりだ!」


「どういうつもりって何がだよ!」

(アニーは不審な顔をしている)


「デルの気持ちだ!」


「デルの気持ち?

デルがどうしたって言うんだ!」


(昔からアニーはお前の事 好きだったろ?

まさか 知らなかったのか?)

そう言いかけた時デルが入ってきた


「えっ!?ええっ!?」

(ラック アニー)


「お前・・・その格好は?」


「ラック見て?

可愛いでしょう!?」

(デルはかなり自信気に着てきた服を見せてくる)


「あっあぁ・・・・・・・」

(ラックはデルの奇抜な服装にかなり驚いていた・・・

これは下手なことは言えないなぁ~)


「この席空いてるわよね!

すいません!注文お願いします!」


「はい!

いらっしゃいませ!」

(奥からサラさんが)


「サラさん!

昨日からこの店で働くことになった

女の子がいるって本当ですか?」


「ええ 本当よ!」


「今どこにいるんですか?」


「葵ちゃん?

おつかいに行ってもらっているけど 

どうして?」


「えっ?

いえ気になったもので・・・」


「そろそろ帰ってくると思うけど 

ラックは葵ちゃんが心配で 

様子を見に来たのよね?


「えっ!?

いや~そんなことは・・・」


(何ですって・・・(怒)


「ただいま戻りました」


おつかいに行っていた葵が帰ってきたが・・・

どこか様子がおかしかった

(表情が暗い)


「サラさん

これ頼まれていた商品です」


葵はサイラ菜と

ラキュールの香料をサラに手渡した

しかし挙動が少しおかしい・・・

左上腕部をかばっているような仕草だ


「葵ちゃんこっちへ来て!」


サラさんは葵の袖を捲り首元から

上腕、肩、肘、胸から臍のあたりまで丁寧に観察していく


「痛い!!」


「葵ちゃん!!!!!大丈夫!?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る