第26話 夏祭り!
そして時は流れ、祭り当日になった。
「じゃあ私は浴衣取りに行ってくるね!」
「うん、気を付けて」
「うん!いってきます!」
僕はそういって彼女を送り出した。
浴衣か。
お祭りとか小さいときに親と一緒に行ったくらいでほとんど行ったことないから浴衣とか見る機会がなかったな。
朝宮さんの浴衣...
ちょっと気にはなるな......
絶対に可愛いのは間違いないとは思うが......
っといかんいかん!何を考えているんだ僕は...
けど気にならないほうがおかしいよな...?
だって学園の美少女だぞ???
そんな人の浴衣を見れるんだぞ???
気にならないやつがいるわけないだろ!!
これはいたって純粋な心だ!!
別にやましいことなんか考えてもないぞ!!
「はぁ...何をしているんだ...僕も準備するか」
そう思って準備をしようとした矢先に玄関ドアの開く音がした。
あれ?もう朝宮さん帰ってきたのか?
浴衣浴衣着るの速すぎない!?!?!?
「雷斗~~浴衣持ってきたわよ~~!」
「母さん!?ってか何で知ってんの!?」
「咲奈ちゃんのお母さんが言ってたから~~~、雷斗も着るかな~って思って持ってきたの!」
「そんな...余計なことしなくてもいいのに...」
「余計ではないでしょ~せっかくのお祭りなのに着ないのはもったいないわよ~」
「もったいないって......使い捨てなわけじゃないからいいでしょ..」
「というか何で浴衣持ってんの??小さいとき以降祭り行ってないよね!?」
「こういったときのために買っておいたのよ、いつか雷斗にも友達出来るかな~って」
「そうなんだ......」
「それより咲奈ちゃんは?」
「朝宮さんなら浴衣取りに家に帰ったよ」
「え?なにまだ名前で呼んでないの?初々しいね~」
「初々しいの使い方間違ってるような気がするんだけど......」
「一応一緒に暮らしてるんだから名前で呼びなよ~~家まで名字ってなんか変な感じでしょ?」
「そんな無理言わないでよ!それは段階を踏んでからだっ!!」
「同居してる時点で段階越えてるわよ」
まあ確かにそうだけど......
しかしまだ時ではないような気が
そんな気がするんだよっ!!
「まぁいいわ、じゃあ楽しんできてね、バイバイ~」
「あ、あぁ......」
「これどうやって着るんだよ......」
「これ一人じゃできんな...朝宮さんいないし...ていうか現地集合になってるしどうしようもないな...久遠呼ぶか...」
こうして僕は浴衣と死闘を繰り広げたのであった。
時刻は5時を回ったところだった。
この時間帯が一番いいのか沢山の人が来ていた。
「あっ!雷斗くん、颯こっちこっち!!」
そう言って振り向くとそこには浴衣姿の朝宮さんと雪野さんが立っていた。
「お~いたいた!二人とも似合ってるじゃん!」
「たまには気が利くこというじゃない」
「褒めるのは得意なもんでね!」
「.........」
そしてこちらを3人が覗いてくる
「...な......なに...?」
「いや何じゃないでしょ!!」
「お前なぁ......」
「そこは何は褒めないとっ!!そんなんじゃ一生彼女できないよっ!!」
「そんなこと言われても......ま、まぁいいと思うよ..」
「はぁ......雷斗くんって感じだね...」
「ありがとう?」
「褒めてないっっ!!!」
「あはは......」
それに朝宮さんが苦笑いした。
ふつうに考えろ!!!
そんな!!直視出来るわけないだろっっ!!
ダダでさえまともに目を合わせて話すのなんて緊張するのに浴衣だぞ!?!?
耐性ついてるのなんて陽キャだけだっての!!!
それに褒めるのとかなんか恥ずかしくて言いずらいし......
そもそも褒め方が分からん。
「ホントに陰キャって感じだなお前は!!」
いやそうだが???
そんな!いまさら言われてもね~~~~!!
分かってることだが??
なぁ......??
「うるさい」
「さぁ!お祭りに参戦しますか!!それに花火みんなでみよう!」
「花火みたいね!」
「花火みんなで見るのは悪くないかもな!青春って感じだし!」
「......」
「ひとが来ないいいスポットあるから!4人だけでみようよ!」
「なんかいいね!そういうの!私静かな場所すきだし!」
「だから咲奈はいつも静かなんだ?」
「それは特に意識したことないけどね...(笑)」
「けど静かな場所は心が落ち着くから好きだな!花火楽しみにしてるよ!!」
「朝宮さんが言ってたら俺もワクワクしてきたわ!な?雷斗!」
「そうだな」
「じゃあ!お祭りへGO!!」
雪野さんの掛け声とともに僕たちは歩き始めた。
「私!焼きそば食べたい!颯買ってきて!!」
「自分で並べよ!!めんどくさいことを押し付けるな!!」
「いいじゃ~ん、お金は払うからさ~~」
「はぁ...はいはい」
見事にパシられている久遠をみて少し気分がよくなった。
たまにはこういうこともあっていいだろうとおもうよ。うん
陰キャの辛さを知ってもらいたいものだ。
「雷斗君と咲奈も何か買ってきなよ!私たちここら辺にいるからさ!」
「そうだね!じゃあ雷斗くん行こう!」
「あ!ああ!」
そういって追いかけるように朝宮さんについて行った。
「あ!たこ焼きあるよ!おいしそうだね~~!!あっちには唐揚げもある!!」
子供のように無邪気に言っている朝宮さんをつい見てしまう。
「わ、私なにかついてるかな...?」
「い、いや!!別に何も!!た、たこ焼き買おっか!!」
だぁぁぁ!!!!つい視線が朝宮さんのほうにいってしまった...
あんな楽しそうに言ってきたらそりゃ見るだろ...!
僕はそんなことを思いながら慌てて並びに行った。
「朝宮さんもたこ焼き食べる?」
「うん...」
「じゃあ!たこ焼き二つください!」
「あっ!......」
「あ、ごめん!いらなかった?」
「う、ううん...!何でもない...!」
ん?さっきから様子がおかしいような...
体調でも悪いのかな?
「具合悪い?」
「いや...!!全然そんなのじゃないから!!」
「そ、そう..ならいいんだけど。もし悪くなったらいってね」
「あ、ありがとう」
すると
「へい!たこ焼き一つ!」
そういって元気よく言ってきた屋台のおっちゃん
「2個頼んだんですが....」
「そうだったっけか?けど彼女さんは一つでいいらしいぞ」
「え?そうなの?」
「う、うん...!」
「つまようじもう一本つけとくから二人で仲良く食べや~~」
そう言って僕たちを見送った。
「じゃあ半分づつで食べよっか」
「うん!」
何これ超恥ずかしいんですけど!!!!
やってること恋人なんだよな......
まぁ朝宮さんの調子が戻って良かったけどさ...
ということは朝宮さんはこれがやりたかったと???
いやまさかな......
「おいしいね!」
「うん」
彼女は笑顔でそう言ってきた。
それを見て僕はデートしたときの笑顔を思い出していた。
そしてまだまだ終わらないお祭り
僕はこの空間を心のどこかで喜んでいた。
つづく
あとがき
最後まで読んでくださった読者の皆様ありがとうございます!!!
大変お待たせしてしまってごめんなさい!!
今週の木曜日からまた毎日投稿再開していこうと思うのでよろしくお願いします!!!
投稿ができないときにTwitterで報告しているので情報見たい方はTwitter見てみてください!! @tatibanarei77
では!また近々!! 立花レイ
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