第21話 開幕!体育祭!!!
開幕のアナウンスとともに始まった体育祭。
生徒たちは大盛り上がりだった。A組からF組の対抗戦で行われる体育祭
みんな優勝するために、この日のために頑張ってきたのだろう。
気合いの入り度が違った。
「さぁ!いよいよ始まった体育祭!!!どのクラスが優勝を手にするのか!!!期待が高まってきます!!!最初の競技は綱引きだ!!!」
テンションアゲアゲのMCとともに開始された競技
僕はその声を聞きながら後輩の静さんと二人、係の仕事をしていた。
というよりひと段落してただ椅子に座って盛り上がりを横目に眺めていた。
「こんなに盛り上がるんですね~~、中学の倍くらい盛り上がっていますよ」
「まぁそれがいろいろ縛られていない高校生の特権なんだよ、何も考えずやりたいようにやれるからな、全部自分たちで決めれるしそれがいいんだろう、」
「自由だとこんなに盛り上がれるんですね~、先輩みたいな陰キャラも盛り上がってますねこれは!!」
「そうみたいだな、僕みたいな陰...っておい!!ってそんなツッコミ入れてる体力はないんだよ...暑い...これ倒れる人出て来るんじゃないか...?」
ツッコミを入れつつ正論をつぶやいた。
「確かに暑いですね、いくらテントの上で少しはいいにしても暑いのは変わりありませんからね......先輩の出番は次でしたっけ?」
「うん、いきなり空けてしまうのは悪いな、よろしく頼む」
「二人三脚なんかすぐ終わりそうですし構いませんよ!まぁ一応頑張ってください!!」
「”一応”受け取っておくよ、じゃあ行ってくる」
「いってらっしゃーい!!すぐ戻ってきてくださいね~~仕事やるのめんどくさいので~~~!!」
「いやしろよ!!!まあけどできるだけ早く帰ってくるから、普通に心配だし...じゃあ!」
そう言ってグラウンドにむかった。
僕がグラウンドに着いた頃に綱引きは終わっていた。どうやら僕らD組は2位だったらしい。初めから良い駆け出しでみんな盛り上がっていた。
「雷斗くん~~!七瀬ちゃん~~!頑張ってね!!」
そういって朝宮さんが競技が終わった直後に駆け寄ってきた。
「一位ほしかったね、僕たちも恥をかかない程度に頑張るよ」
「雷斗くん1位狙いましょ!!咲奈さん!!一位は任せてください!!」
「応援してるよ!!頑張ってね!!」
こうして僕たちの出番がやってきた。
「さぁ!!続いての種目は二人三脚だ~~~~!!!!一番意気ぴったりなクラスはどこなのか~~??それではスタート!!!!」
パンっ!という音と共に僕の競技が始まった。
「雷斗くん頑張りましょうね!!右が最初にしましょう!!」
「了解」
そうして足に紐を結んだ。
三月さんの足と僕の足がくっつく
なんか恥ずかしいな.....!!!
二人三脚なんかほとんどやってこなかったし、それを女子とやるなんてもってのほかだ!!良いよといっといてなんだが気まずすぎるな...!!
ってそんなことを考えている場合じゃない!!今は集中!!!
「さぁ!!続いては2年生です!!うまくアンカーに渡したいところ!!頑張ってください!!」
「行きますよ!!雷斗くん!!」
一年生にバトンを渡され、僕たちが駆け出した
「いっち!にっ!いっち!にっ!」
そんな掛け声とともに進んでいく。その成果か順調にいって2位にまで躍り出た。
「お~~と!!D組が上がってきて2位にまで昇り詰めてきた!!!さぁ!!どうなる!?」
MC上手いなおい!!
「雷斗くん集中してください!!よそなんか向いてないで!!」
「悪い!!ついMCの人にツッコミを入れたくなってしまった!!」
「順調に進んでいます!!このまま3年生に渡しましょう!!」
「おう!」
「D組はやいです!!今回の二人三脚ではD組2年生だけが男女で出ている!!珍しい組み合わせだ!!そしてカップルのように息がぴったりだ!!」
「へ?」
MCの人が行ってはいけないことをいいだした
「ちょっ!!三月さん!?!?動揺したら!?!?って倒れる~~~!!!」
あのMC許さ~~~~~~~~~~~~~~~~ん!!!!!!!!
心の中で勢いよく叫んだとともに現実では勢いよく倒れた。
こうして僕たちD組は最下位でゴールインしたのだった。
「ホントにすみませんでした......」
先輩たちと後輩にしっかりと謝罪をした。
しかし”いいよいいよ!!”といってくれて僕たちを責めることはなかった。
本当に優しくて助かった。
先輩たちは最後の体育祭だ。優勝したいに決まっているから何か言われてもおかしくはなかったから安心した。
「雷斗くんすみませんでした!!!私が動揺してしまったばかりに...!!!」
「いや僕も動揺してしまったから三月さんの責任なんかじゃないよ!!大体あのMCが悪い!!!なんなんだあいつ!!ちょっとMCうまいからって調子乗ってただろ!」
ホントに恥かかせやがって!!!!
どんだけ恥ずかしかったか分かってんのかあの野郎!!!!!
クラスの奴どころか全校が笑ってたぞ!!
僕だけだったらまだいいにしろ、三月さんにもこの状況を感じさせてしまった。
ホントに申し訳ない
あのMCを一発殴りたい気分だ。
「二人とも大丈夫だった!?」
「あのMCやりやがる奴だな!!(笑)」
僕たちのもとに心配して来てくれた朝宮さんと雪野さん
そして馬鹿にしに来た久遠
こいつはMCの奴と一緒に一発殴ろう
「大丈夫だよ、ちょっと擦りむいただけだから」
奇跡的に軽傷で済んだ。
あれくらい大きな倒れ方したら大けがしてもおかしくはなかったから軽傷で済んだのはホントに運がよかった。
「大胆に倒れたから心配したよ!!!まぁ大きな怪我じゃないなら良かった!」
「ご心配かけてすみません!!」
三月さんが謝っているのを朝宮さんたちは励ましていた。
「じゃあ僕は係あるからもう行くよ」
「もう行くのか?大変だな体育委員ってのは」
「大変すぎるくらいだ。それに遅いと後輩に文句言われそうだからな、もう行くよ」
「後輩にもうそんなこと言われる立場になってるお前はすげーな(笑)、じゃあ頑張れよ」
そう言って僕は係の仕事に戻ったのだった。
「ごめん待たせたな、自分の出番まで休んでていいぞ」
「先輩...遅いで...すよ..私つかれま...し......た..」
つづく
あとがき
最後まで読んでくださった読者の皆様ありがとうございます!!
MCの人すっごい面白い(笑)
雷斗のツッコミもキレッキレでした!!(笑)
そして後輩の凪沙の危機!!
次話をお楽しみに!!!!
立花レイ
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