幻想少女四選―Quartett—

作者 伊集院アケミ

これは作家にとって猛毒である

  • ★★★ Excellent!!!

知人から三章を読めと薦められて読みました。正直に言うと三章の中頃まで一気に読んで、そこで強制的に読むのを止めました。

この文章は恐ろしい毒に違いないのです。このまま読み進めば間違いなく私は影響を受けてしまう。彼の類いまれな筆力と語り口が、自身を最底辺の生き物だと醜悪さを開陳しながら、その実それを見て嘲る私たちの闇をも浮き彫りにしていくのです。

これはweb作家に対する思想書のようでもありました。太宰に取り込まれた人達のように、影響を受けやすい人なら首根っこをひっ掴まれて簡単に虜にされてしまうような、魔力に満ちて、自分の価値観を根底から覆しかねない甘美な猛毒。
恐らく私はまたこれを開いて読んでしまうのでしょう。何故だか、そうせざるを得ない気持ちにさせられるのです。

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