530話 ニムとの初××

 俺が一人で寂しく就寝しようとしているとき、誰かがトビラをノックする音が聞こえた。


「おう。今開ける」


 俺は誰だろうと首を傾げながら、ドアを開ける。

 するとそこには……。


「タ、タカシさん! このような時間に失礼しますね!」


 顔を真っ赤にしてモジモジしながら立っている、ニムの姿があった。

 そして隣には……。


「マリアもいっしょだよっ!」


「おお。ニムとマリアか。どうした? こんな夜遅くに。子どもは寝る時間だぞ」


 俺は冗談めかして言ってみた。

 だが、この言葉は少しマズかったようだ。


「むっ! 昼間も言ったじゃないですか! わたしたちはもう子どもじゃないと!」


「そうだよ! マリアはもう大人だよっ!」


 そう主張するニムとマリア。

 しまった。

 言葉選びが迂闊だったな。


「す、すまない。ニムもマリアも、もう大人だったな」


 俺は素直にそう謝罪する。

 ミリオンズの一員として日々活躍を見せてくれている彼女たちを侮辱し蔑ろにするわけにはいかない。

 彼女たちが大人扱いを望んでいるのであれば、俺はそれに応えるだけだ。

 今までのように表面上の言葉だけの対応をして取り繕うなんてことはしない。

 彼女たちと真剣に向き合うと覚悟を決める必要がある。


「それで、二人は何か用があってきたのか?」


 俺がそう尋ねると、ニムは少し躊躇してから口を開く。


「あ、あのですね。今夜は久しぶりに一緒に眠りたいと思いまして……」


 恥ずかしそうな表情で、頬を染めて俯きがちに言うニム。

 可愛い。

 思わず抱きしめてしまいそうになる。


 こんなに可愛かっただろうか?

 いや、以前から愛らしい子どもとしての魅力は感じていた。

 しかし、今は異性としての可愛らしさも強く感じる。

 俺と彼女が出会ってから、もうすぐ2年が経過する。

 その間に、彼女も徐々に大人になっているのだ。


「えへへ~。マリアもニムお姉ちゃんと同じ気持ちだよっ!」


 ニムの隣に立っていたマリアが満面の笑みを浮かべている。

 マリアとも、時おり隣で昼寝をすることがあった。

 しかし、夜に二人きりで寝たことはない。

 一国の姫と迂闊にそのようなことをするわけにはいかないからな。

 いくらロリコンで女好きな俺でも、それぐらいの分別はある。


「うむ……。わかった。いっしょに寝ようか」


 俺はそう返答する。

 俺とニムがいっしょに寝ることは問題ない。

 既に婚約済みの仲だからな。

 彼女の両親や領民にも、婚約の件は広く認知されている。


 一方のマリアはどうか?

 まだ婚約していないし、一国の姫と迂闊に夜を共にするのは少しマズい。

 とはいえ、ニムもいっしょだし、ただ添い寝をするぐらいなら大丈夫だろう。

 そもそも、いっしょに寝たこと自体が他の者に漏れなければいいだけの話でもあるし。


「ほ、本当ですか!? ありがとうございます!」


 ニムはとても嬉しそうだ。

 彼女は俺の手を取り、ずいずいと部屋の中に入っていく。

 マリアももちろん付いてくる。

 部屋の中に入った俺たちは、スーパーキングサイズのベッドの上に腰かける。


「さあ。どういう並びで寝ようか?」


 俺の寝室のベッドはとても大きい。

 特注サイズだ。

 ミティやアイリスたちと楽しむ際にも、まったく窮屈な思いをすることがないサイズ感である。

 いずれは複数プレイもあるかと思い、大きめのサイズを頼んでおいたのだ。


 まあ、残念ながらこのベッドでの複数プレイは未だ経験していないけどな。

 一度に複数の女性を相手にするのは、相手を少し蔑ろにしているような気がして抵抗がある。

 ハーレムメンバーとは平等に愛してやりたいと思っているのだ。

 まあ、俺の考えすぎかもしれないが。

 リーゼロッテとの初夜は半ば複数プレイみたいなものだったし。

 俺がそんなことを考えていたら……。


「よいしょ。よいしょ」


「……んん!? ニム、なぜ服を脱いでいるんだ?」


 彼女のやや幼いながらも女性らしさを感じる体があらわになる。


「わ、わたしもついにタカシさんの奥さんとなるのです。奥さんとして、当然の務めです!」


 ニムが力強くそう言う。

 なんだか、以前にもこんなやり取りがあったような……。

 前回と異なるのは、彼女が徐々に女性らしい体つきに成長している点と、彼女と俺の結婚が秒読み段階に入っていることだろうか。


「そ、そうか。しかし、まだ早いのではないか?」


「いえ! いつもそう誤魔化されるじゃないですか! 今夜こそは! わ、わたしをタカシさんの本当の妻にしてください!」


 顔を真っ赤にしながら、そう宣言するニム。


「マリアも勉強させてもらうねっ! ニムお姉ちゃんとタカシお兄ちゃんのお手本を見せてほしいなっ!」


 マリアが無邪気にそう言う。

 さすがに彼女は、ただの見学か。

 ニムより1~2歳ほど下だもんな。


「わかった。……本当にいいんだな? 俺はしばらく致していないから、相当に欲求がたまっている。一度始めたら、もう止まらないぞ」


 俺はそう言って、ニムを見つめる。


「はい! 望むところです!」


「わあい! 楽しみだなっ!」


 二人ともやる気十分のようだ。

 俺はニムをベッドに仰向けに寝かせる。

 そして、彼女に覆いかぶさった。


「タ、タカシさん……」


 俺に組み敷かれたニムが、恥ずかしそうに目を瞑り、俺の名前を呼ぶ。

 その姿は、とても可愛らしく、愛おしくて、胸がいっぱいになりそうだ。


「ニム……」


「あ……」


 彼女の唇に自分のそれを重ねる。

 そのまま舌を差し入れて、彼女の小さな口の中を自由に蹂躙する。


「はぁ…… はぁ……」


 やがて、口を離すと、ニムが名残惜しそうな表情をしている。

 もっとキスしていたかったが、仕方がない。

 本番はこれからだ。


「わわっ! す、すごおい……」


 マリアも興味津々の様子だ。


「ふぇ~。これが大人のキスなんだあ……。なんかエッチだなあ」


「マ、マリアちゃん……。恥ずかしいから、あんまり口には出さないで……」


「えへへ。わかった。でも、ちゃんと見て勉強するね!」


 マリアがそう返答する。


「よし……。次に進むぞ……」


「ひゃうんっ!?」


「わあ……! あそこがああなるんだ……」


 俺の攻めを受けて、ニムが可愛らしい声を上げ、マリアが興味深そうな声を出す。

 そんな感じで、夜は更けていった。

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