468話 ユナとの初××

 深夜にユナから呼び出された。

 彼女とともに、ラスターレイン伯爵邸の離れにある塔の頂上に上ってきた。

 そして、彼女が服を脱ぎ薄着になったところだ。


「ふう。まだ暑いわね……」


「獣化の影響だな。もう上り終えたし、一度解除すればどうだ?」


 ユナは赤狼族だ。

 獣化という特殊技能を持つ。

 彼女の種族が獣化した場合、いくつかの変化が起きる。

 体温が高くなる、身体能力が向上する、狼の耳と牙が生える、などである。


 塔を上り終えた今、獣化状態を維持する必要はない。

 解除すれば、彼女が感じている暑さも収まるだろう。


 俺は、むしろ肌寒いとすら感じている。

 この国は温暖な気候だが、深夜に高い塔の上にいると風で体温を奪われるからな。


「いえ、今はいいわ。……それよりも、私の体温を感じてみない?」


「ん? お、おおっ!?」


 ユナが俺に抱きついてきた。

 あったけえ。

 夜風で若干冷えた体が、ポカポカと温まる。


「どうかしら?」


「うん。温かくて心地いいぞ」


 彼女の今の体温は……。

 40度以上あるのではなかろうか。

 地球においては、体温が40度を超えると生死に関わる。

 確か、42度を超えるとタンパク質が凝固して確実に死ぬのではなかったか。

 しかし、今の彼女の体温はそれを超えているようにも思える。

 地球とは異なった物理法則が働いているのかもしれない。


「ねえ……。あの日、リーゼと深い仲になったのよね? 聞いたわよ」


「あ、ああ。そうだな」


 ミリオンズ内で、俺との情事の情報はある程度共有されているようだ。

 以前からそのような傾向は感じていた。


「パーティに入ったのは私のほうが先だったのに……。少しうかうかし過ぎていたかしら。私に魅力はない?」


「いや、魅力は十分過ぎるくらいあるぞ! スレンダーで可愛いし、赤い髪が美しい!」


 俺は力強くそう言う。

 ユナは細身の可愛い少女だ。

 勝ち気そうな雰囲気と赤い髪がよく合っている。


 ロリ体型のミティ、ボーイッシュなアイリス、モデル体型のモニカ、巨乳のリーゼロッテ。

 みんな魅力的だが、ユナにはまた違った魅力がある。

 もちろん外見だけではなくて、内面も素晴らしい。


「ふふん。ありがとう。でも、その割にはあまり興奮していないみたいだけど……」


 ユナが俺の下半身に視線を落とす。


「いや、ズボンの影にうまく隠れているだけさ。あまり露骨にバレるのもマズいかと思って、いろいろ工夫しているのだ」


「そうなの? なら、隠す必要はないわ。私も……」


 ふぁさっ。

 ユナが服と下着を脱ぐ。

 全裸になった。

 塔の屋上で全裸か。

 なかなか背徳的な光景だ。


「ユナの服はまた預かっておこう。……そして、俺も……」


 俺は服とパンツを脱ぐ。

 全裸になった。

 脱いだものはアイテムボックスに収納しておく。


「どうだ? 俺のモノは?」


「ふふん。確かに、大きくなっているわね。私で興奮してくれているのね」


「もちろんだ。ユナの裸を見て、興奮しないやつがいるだろうか。いや、いない」


 俺は反語を用いてそう強調する。


「よかったわ。いつもアピールしているのに、手を出してくれないから焦っていたのよ」


「そうだったのか? すまんな。こっちはこっちで、自制していたんだ」


 ユナの薄着には、普段からドキッとさせられることもあった。

 しかし、既に3人の妻と1人の婚約者がいる身で好き勝手に手を出すのも不義理かと思い、ガマンしていたのだ。


 加護の条件を満たしている者に対して自制し過ぎるのも、それはそれで不義理になるかもしれない。

 今後はどんどん手を出すべきか。

 いや、それはそれでどうだろう。


「じゃあ、さっそく……。こっちの準備はできているわ」


 ユナがそう言って、お尻をこちらに向ける。

 確かに、彼女の股からは愛液が滴り落ちている。

 準備は万全だ。


「ここでやるのでいいのか? 確かに、部屋にはみんながいるし気後れするか。2人だけでラーグの街に戻ってもいいが……」


「ここで問題ないわ。むしろ、赤狼族にとっては憧れのシチュエーションよ。高い場所で全てを開放してまぐわうのはね」


「なるほど……。では、遠慮なくいくぞ!」


 俺とユナ。

 月明かりに照らされた2人の影が、1つに重なった。


 俺たちの影が激しく交差する。

 お互いに汗だくになっている。


「あ、ああっ! タカシ、私すっごく幸せよ!」


「俺もだ! それに、ユナの中……あったかいぞ!」


 月並みな表現だが、実際のところマジで温かい。

 40度は超えているだろう。

 火魔法を極めて火耐性を獲得している俺でなければ、あそこを火傷していてもおかしくないぐらいの温度だ。


 そんな感じでしばらく愛し合う。

 そして、俺が彼女の中に出して終了となった。


「ああ……。タカシの熱いものが出ているわ……」


 ユナが満足げに微笑む。

 初体験が野外プレイ。

 なかなかハイレベルなプレイをしてしまった。

 しかも、ただの野外ではなく、伯爵家の敷地内にある塔の頂上だ。

 今さらだが、リールバッハにバレたら大事になるかもしれない。


「ふう。満足してもらえたか?」


「ふふん、もちろんよ! 昔から憧れていたシチュエーションでできて、幸せだわ。シトニやクトナにも自慢できるわね!」


 ユナが満足げにそう言う。

 また俺との情事が拡散されてしまうのか……。

 この世界の女性は、なかなか口が軽い。

 そして、たくましい。


「ああ。そういえば、ウォルフ村にも高い木があったな。そこでも今度やってみようか」


「悪くないわね! 知り合いに見られたら気まずいから、慎重にしないといけないけど……」


 俺は転移魔法陣を使用できる。

 拠点であるラーグの街にいる間は、他の街とも気軽に行き来できる。

 ミティやユナは、普段からそれぞれの故郷に帰省することもあった。

 次にウォルフ村に帰省したときには、俺とユナで泊まって、熱い一夜を過ごすことも検討しよう。


 何にせよ、今日でいよいよユナとも深い仲になったことになる。

 彼女がミリオンズに加入し、加護を付与したときから仲間として強く意識していた。

 しかし、これでとうとう彼女も俺のハーレム入りが確定したと言っていいだろう。

 彼女の親御さん、それに兄であるドレッドやジークにもあいさつしておかないとな。

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