第321話 後後196 外敵(お后さま)に備える


王都から村に帰ったガクとアニャータ。馬車でのんびりかえりたいなら送らせるぞ?と言ってくれた将軍様に礼をいいつつも、「トリミングの客がたくさん待っているので転移門を使わせてください」と転移門で領主さまの屋敷に戻り、そこから領主さまの馬車で小館村に送ってもらった。

もしかしたら、アニャータが領都から小館に行く正規ルートを通るのは初めてかも知れない、とか思ったんで馬車でのんびりと。



ガクはトリミングをしながら、オツムの半分を使って自分会議を招集した。

将軍さまの心の避暑地を外敵(お后さま)から守るため会議を行う。


「他の場所になんか作るとかは論外だな」

「ああ、大して意味ない。外敵が将軍さまを追っかけて来たら終いだ」

「なので、沖崎様に集中爆撃だな」

「誰?」

「おきさきさまですが?」

・・・・

「どういった爆撃?」

「そりゃおきさきさんがそそるやつだろ?」

「博子みたいんじゃそそらないしな、、躾ルームにぶち込んでおわりにしてるし、」

「もちっと知的なのがいんじゃね?」

「ああ、、芝居とかそれなりにそそられてるよな?」

「あ!!楽団!つーか、音楽院!!つか、それのいんちょうせんせー!!」

「「「「それだっつ!!!」」」」


一応会議の結果が出たので会議を終了したガク。

翌朝、その結果を持って一路領主さまのお屋敷に向かう。馬に乗るのめんどくさいんで駅馬車で。今は本数多いからね!


モフ小屋はアニャータに任せ、アニャータは泉さんに任せた!護衛は万全だっつ!!


ーー


「・・というわけです」ガク

「ほう、、、何が、というわけなのかな?」領主さま

ふむ、、、乗ってくれないの?一から説明しろと?しかたないなぁ、、


これこれこういうわけで将軍さまの小館離宮が危機状態に陥るので、お后さまに小館入り浸らない程度にしたい。そのためにはお后さまが王都でひましない=なんかお后さまがそそるようなお仕事、を与えてしまいたい。

で、お后様は知的な方面が好きみたいっぽいんで、、中身将軍様に似ているのに、、、まぁそれはいいとして、そっち方面がそそるようなので、領主さまの始めようとしている”音楽院”のいんちょに成ってもらって、全て丸投げしちゃえば各方面丸く収まるんじゃないかな?と思った次第です。


と、説明した。


「ふむ、、なかなか鋭いな?あの人は吉宗と同じで闘い好きでなー、、、でもお前の言うとおりに知的好奇心を持つことに好奇心を持っている。もろおまえの指摘通りだ。よくわかったな?

で、わしも音楽院についてはどーしたもんだろか?とは思っていた。全く方角すらわからんのでな、、だからお后様が丸っと受けてくれたらこれ幸い、ってなもんよ。

できるか?彼女がそそって自ら渦中に火中栗を求めるように?」


自分の音楽院を火中の栗ときたもんだ、、まぁ、わかりますけども!!生徒がどーなるかだからwどーせろくな、、、あ、、、ウチの娘達、、、特にカタリーナなんか、、、いんじゃね?


「そう言えば、学院できたらカタリーナとかも入りたがるかも、、」

「お、それはいいな。うん、誘ってみなさい。ついでに小館の者達皆に声かけてみなさい」

「承知しました。(いずみ村にも声掛けよう!)」


「あ、グレさん、どーしてます?」

「そういや、、忘れているんだろうなぁ、、。よし、アニャータの件もあるし、将軍様と少し農国に行ってくるかな・・・・・・・・、おまえらも行く?ご挨拶したいだろ?どーせモフ一家だろうし、、」

くっ、、、流石親がわりだ、、俺のウイークポイントぐっさり突いてくる、、、


「、、くっ、、、致し方ありませぬ、、同行させてくださいませ、、、」

笑いを抑えきれない領主さま、ぷぷ言いながら、日程決まったら知らせるから、と。



帰路、駅馬車の中。

自分のウイークポイントが明らか過ぎる件に付いて検討した。

結果、「今更どーしょーもない」という結論。

で、

そういう場合は逆にとってそれを活用スべきだろ?となった。

其の方法はまだ見いだせないが、意識していればそのうちどーにかなるべさ、ということで落ち着いた。


しっかしすごいものだ、、こちらに来た当初、馬で突っ走って半日。馬車だと早朝に村を出て夕方に着く、午後出なら野宿一泊とか必要だった村と領都間。今では大体2−3時間って感じかな?体感で。時計無いからわからんけど。道が良くなって馬車も非常に良くなって乗り心地も良くなったし快適である!!暑い季節はこのスピードで入ってくる風が気持ちいいし!!


翌日の午後には領主さまからの伝言が小屋に届いた。

「明後日の昼前に向かいますので朝のうちにうちに来てください。お昼ご飯は農国王宮です。それなりに用意しといてください。おやつは向こうででるが、できればシューレになんか作って貰えると有り難い。よろしく!」

と、馬鹿にでもわかるように書いてあった。・・・・・・


アニャータの着るものは、よかったーー、、先日お后さまと華子に選んで買ってもらっていたのが大量にある。大量すぎでそんちょ宅に置き場無いので、一時的に迎賓館に置いてもらっている。

その時領主様が

「おまえら結婚したら、ハネムーンで各国を回っている間に良さげな屋敷つくっとくから、衣装部屋も作るから心配するな」

と。


なんかこれ以上村っぽくない建物を村にほしくないんだけどなぁ、、、


領主さまの別荘、

将軍さまの離宮

日のいずる国王の離宮、

迎賓館


が、今ある村に似つかわしくない建物達

でも迎賓館と日のいずる国王の離宮は川向うなので控え目だ。


「村が村らしく見えるような、質素な作りでお願いします、、トリミングあるので皆がきやすい場所で、、」

と領主さまにお願いしておいた。



連絡の来たその時にすぐにシューレのところに行った。

なんか丁度外に出ようとしていたみたいで、

「よかったな、あと数秒遅かったらいなかったぞ?」

外出も村以外だと転移だからなシューレは。


ケーキなど、「農国王宮が喜びそうなものいっぱい!」ってお願いしておいた。

丁度領都のケーキ店にいくとのことだったので、作らせる、と。

農国王宮に持ってくものでさえ、弟子たちの練習用っすか、、、

ま、そこまで弟子たちが上手くなっているってことでしょう、、、多分、、

でも、ふざけたものではなくって美味しいものね!!って言っといた。

チッ、と舌打ちが聞こえた気がしたが、気のせいだろうと思うことにした。


シューレ、、なんかに染まり始めた?

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