第318話 後後193 ドラぢる使い始め
ガクがごむたい君に使うための道具などを作り始めていたが、それも集まり始めている。
いずみ村のクマオから貰った熊毛を使い、小館の工房でトリミングブラシを作ってもらった。
シューレに言って、ドラゴンぢるを小瓶に分けて貰った。毛に染み込ませる油のつもりで使う。肌つやつやよ!とかいう証言があるそうなので毛にもいんじゃない?と。
竹を細くした毛を使ったブラシも工房で作ってもらった。これをドラぢると一緒につかうといんじゃなかろうか?とか思うガク。理由はない。
あとはいつもの大ざっぱな目と中くらいの目のブラシ、あと豚毛のブラシ(硬めにしたもの)、といういつもの。いつもの植物性のオイルと動物性のオイルは使わないほうがよいだろう。なにせ土中のやつだからな!
荒櫛は樫、細かいのは琵琶。こっちに琵琶が在ったのは驚きだけど、実は見たこと無い。
あと、泉さんがなんか魔獣を狩って来てくれた。毛がこわい(かたい)やつ。とりあえずその毛の良さそうなとこ2種類でもブラシを作ってもらった。
これは全く不明。人狼や人猫に使っても効果あるんだか無いんだか、、少しよくなってるかな?程度だけだ。今のところ。
毛並みにあうあわないがあるからなー。
トリミングっても、毛の手入れと皮膚のマッサージみたいなもんだけだからな。丁寧にやるし、全身だから時間がかかるだけで。まぁ、鼻先とか鼻梁とか喉元や頬をすりすりすると喜ぶんで、そこにも時間掛けるけどw
人間のハンドクリームとかもそうだけど、塗った食っただけでは意味半減で、塗った後塗り込んでベタベタがなくなるまで続ける、ってのが重要。なくなって初めて終了していいよ、ってことだ。
そこから、仕上げのブラシを入れる。皮膚にも適度に当てて。何度も何度も。ここがマッサージじみているかも。
とりあえずこれでやってみるか、と、ガクは新開拓地に行ってみる。あそこに行くときはなんかおみやげ持ってってあげたくなる。なのでやっぱ馬車で行く。シューレにカレー作ってもらって小さい方の樽に入れて持っていく。勿論酒と米と味噌醤油胡椒塩小麦粉植物油も。釘が足りないとか言ってたかなと思い出して工房で釘を大きい袋で貰い。
泉さんに声掛けようと探すが、なぜこういうときって見つからないだろうね?
一人でぽっこぽっこ馬車で行く。アニャータは勿論大盛況トリミング中なので行かない。
ーー
「では犠牲者一号、こちらに」ガク
「??なんですかそれ?」もぐら
「冗談だ。」
「ですよねー」
犠牲者は生板に横になった、いや、作業台上に横になった。
正確には村長の家の板の間なだけ。
それから小一時間、もぐらの大げさなはううううううう!とかほおおおおおおおおおっつ!!とかいうもぐら音がそこらに響き渡った。
農作業中の畑にも届いたらしく、夕方には皆「ないやってt・・・・・・なるほど、、」とモグラのピカピカもふもふを見て納得していた。
「んじゃ、潜ってこい」ガク
「え?いんですか?きれいにしたばっかなのに?」も
「うん、耐土性を見てみたい」
たいどせい?わからんけど、もぐればいいのかな?
モグモグモグモグ潜モグモグモグモグ潜モグモグ
ぼこ!
「ただいまです!」
穴からでたモグラの土を箒ではたき落とし、粗いブラシを入れてみる。細かいほこりが落ちてくる。
その後、以前モグラにやったブラシをかける。
ざっしゅざっしゅざしゅざっしゅ!
「ボクは雑種なんですか?」
「しらんがな、、そもそもモグラってっそこんとこどなんよ?」
「え?どーなんでしょーね?しりません」
・・・・・
ブラシを掛けた後に手でもふってみた。
「ふむ、、、」
匂いをかぐ
「くすぐったいです」
「ふむ、、まーいーかな?、、どうよ?自分で見て」
・・・・・
「よくわかりません」
だろーな、、
粗いブラシも渡し、
「仕事が終わって風呂に入る前に、箒ではたき、粗いブラシをかけ、このふつーのブラシをかけてから風呂に入れ。Ok?」
「らじゃー!」
半月後あたりに様子を見に来よう。特にドラぢるの効果がみたい。と思うガクであった。
ーー
アニャータもドラぢるを試している。ガクに半分貰った。
毛皮にもよく塗り込んだほうがいいかもしれん、とガクが言うので、よーーーくマッサージして塗り込んだ。
「先生、いつもより入念ですねぇ」
「ええ、新たしい油を使ってみてます」
「へぇ、、いいんですか?」
「人間のおばさんたちはすっごく良いと言っているようです」
・・・・
モルであるおっさんの人狼には少し複雑。良いんだろうけど、おばさん用だろ?って。ここ数年、もう常識外のことがあっても驚かなくなっているので、逆に「何があるのかわからない現実」を理解している。なので、怖いことはこわいのだ。おっさんってのは結構びびりんぼうである。
子供にやると、幾分違いがでているのがわかるような、、、使い続ければ判るほどになるかも、、と期待を持ったアニャータ。
まぁ、、餌もとい、食堂の食事にも混入もとい調味料で使われているのだ、内外からダブル効果で良いのかも?
「俺、おばはんっぽくなっちゃわないか?」人狼
・・・・・・・・この人狼は農国の人狼部隊の兵である。その全員がおばはんぽくなってたら、、と想像したら、、
ぶっつ!
ぶっつぶっつぶぶぶっつ、、
タタタタタタタ・・
奥に消えるアニャータ
奥から聞こえる、ぷーっぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷっつ!ぷーっぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷっつ!ぷーっぷぷぷぷぷぷぷぷぷぷっつ!
ほどなく、
はぁー、、とため息を付きながら戻ってくるアニャータ。
「せんせ、どーしたんですか?」
「いえ、、へんなこと言わないでくださいね?農国人狼部隊が全員おばさんみたいになっちゃったとこを想像してしまいました。もう我慢できなくって」
・・・・・・・・・・・・・・・・・こえぇな?その、その恐れあり、っていう、ことなのか?
「ダイジョぬですよー、これはドラコンのぢるなんでおばさん化なんかしませんから。なったとしてもドラ化?いえ、しませんけどね?」
よくわからんアニャータである。
でも、ドラ化はしてぇ、と思った人狼。
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