第310話 後後185 モグラの大根のヒ
シューレが泉さんと俺に気をつけろと注意してから半月ほど過ぎた。問題は何も起きなかった。
問題と呼ばなければ問題ではない事を除いて。
ごむたい君が久々に村に来た。お土産を持ってきた。大根。みごとな、大根。
食堂でシューレに大量の大根を渡しながら、「これは僕が育てました!」と胸を張るごむたい。
「へ?もぐらが?大根を?食うんじゃなくって?育てたの?」泉さん
当然俺だけでは無く、皆「同じく!」って思った。
「はい!食べるのも育てるのも得なボクです!」もぐら
「すげーなー、、よくここまで育ててくれたもんだあの村の者たち」泉さん
そっちかよ!そっちだよっつ!よくできたよ!!
「相性いい良いみたいっすね、あの人達と。モギー、おまえ、あの村に住む?」と聞いてみる。
トレンチコート無いっすけどいいんですか?シガリロも無いですね、、ともぐら。なぜボギーを知っているのか?
モグラにもあっちの世界の人間が転生するのかな?
「ボク今でも住んでますよ?」もぐら
「まぁ、本人がもう住人だと言うんだ、いんじゃないか?ここの村長に言っておく」泉さん
めでたいごむたい、めでたく名実ともに新村の一員になった。これは第一次大根の誓い、と呼ばれる。うそです。
「モグラの村、、とてもシュールなのでしょうね!ミミズがのたくり、、ゲンゴロウが飛び回り(いねーよbyガク)、バッタが米突く桃源郷のような土地なのでしょう!」
いやな桃源郷だな!
と、ヒ王の嫁さん。
ヒ王、突っ込まない?
ぷwとか言ってるし。
「モグラが村民だということ自体すごいです。表に出てくるモグラを始めてみました」
と、まともなアニャータ。安心だよ俺は。
「でも、他の村民は人間で、しかもまともだからな?」泉さん
がっかりする姫(ヒ王の嫁さん)。
少しほっとしたように見えるアニャータ。
よかったよまともで。
泉さんがモグラを送るついでに米と酒を持っていくというので、その馬車に乗せてもらって村をアニャータに見せようかな?と思ったら
「我らも行きまする!」姫
どこの人?ドラゴニア方言じゃないよね?
なので、ヒ王の馬車を出してもらい、ヒ王夫妻に俺とアニャータが便乗させてもらうことになった。
街道から枝道に入る時
「ちょっとまったぁああ!!」ヒ王
「これは、姫が酔ってしまうくらい道が荒れてるので、少々待たれよ!」
王様、奥さんの先程の言い回しに合わせている様子?
ドラゴンに変態し、でっかい足で道を踏み均すドラゴン。地団駄踏んでるように見えるドラゴン!
「まぁ美しい、ドラゴンの地団駄ダンス!!」姫
そうなの?ダンスなの?へぇ?
「ねーよ、信じるなよ」泉さん
むかっつ!!一瞬信じたよ!!
でも
「ほう、、これはきれいに固めたな、、、雨降っても、よほどじゃなきゃぬかるみならないんじゃないか?」泉さん
「うむ、いずれブレスで溶かして固めよう」
「いや、周囲の畑まで燃えるからそれは農閑期にしてくれ」
「あいわかった。」
いつまで続くんだろそのごっこ。この夫婦、どんどんわからなくなっていく?
村の村長の家に物資を運び込む。
運び終えてから馬から馬車をはなし、馬に水と飼葉をやって、泉達は畑に向かう。
丁度向こうからも誰かやって来た。
「よう!」
「やはり泉様でしたか。いやでかいドラゴンが急に現れて、道の向こうから踏み均しこっちに来てまた向こうに戻って急に消えたんで、こりゃ泉様かな?と思って、、」
「こちらが先程のドラゴン、日のいずる国国王様だ。で、お隣の女性がお后様」
へ?と一瞬凝固している村長
がばつ!!
「へへー」
「いやよい、立つが良い、」ヒ王
「竜だけに龍(たつ)か・・」俺
・・・・
皆凝固
「悪かったよ、、」俺
ほっとした空気
「俺がこの程度ん事言うと、そこまで不味いんすかね?」
「いや、、なんか、病気かな?とか思ってな」泉さん
ひでぇよね?
「まじ心配したぞ?」ヒ王
ひでぇよね?
「やさぐれたのかと思いますた」姫
まだ語尾の使い方慣れてませんね?
もぐとアニャータはぼそぼそなんか言っていた。理解出来なかったようである。よかった♪
「酒が来たぞー!!」村長がでかい声で畑の奥に向かって叫ぶ。
ところどころから「おー!」という返事。
まぁ、、ダイレクトですな!!
村長の家に戻り、王様夫婦とアニャータには茶を飲んでてもらい、他の皆で宴会の用意。
王様夫妻歓迎とかいう理由をくっつけて。
要は酒ががんがん飲めればいいよ、と。
質素倹約の村だからね、まだまだ。
モグは「なんかとってきます!」と潜っていった。
「リーダー(村長)、もぐ、何とってくるんスかね?土中から」俺
「ミミズ、、すかね?」
「・・・・・・」
「冗談です。変わった根菜とかとってきますよ?この間はニャンドラゴラとかいうのとってきましたね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「いやいや、滋養強壮にいいんですよ?病気くらいならすぐ治っちゃうし、、」
「へぇ?」
「病気や怪我ならすぐ連絡しろよ?シューレなら速攻で治してくれるからな!」泉さん
「ありがとうございます。幸い、まだ誰も。丈夫なのですかね?」
「百姓の基盤だからな、健康な体は」泉さん
ですねぇ、、とリーダーと俺。
でも飲む時はべろべろまで飲む奴等w。少人数の宴会もまた楽し!
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