第300話 後後175 港なんで当然食べ歩き


翌日

領主様は二日酔いなので宿で寝ています。

「わしは一人でよい、寝ていれば大丈夫だ。おまえ達、外で遊んできなさい」

と、子供に言うように言われ、、


まぁ、特に、ないんだが、、

シューレもいることだし市場に行ってみるか、、となった。



当然魚市場。


「ほう、見たことない魚も結構あるな」シューレ

「あまり海の側に住んだことないのか?」泉

「ああ、ミルクとバターが手に入りやすい所を選ぶからなぁ、、」

う、、、小館、、領都から取り寄せだったなあ、、、

小館に牛はいるけど農作業用。

少ない数のヤギから、乳幼児用に使ったりしているくらいしか、ミルクはない。


「んじゃあ、魚料理はあまり得意じゃないの?」ガク

「そうだなぁ、、鍋くらいなら」

そりゃ、まぁ、、


「鍋と言うか、スープものが多いんじゃなかったっけ?」ガク

「まぁそうだな、、少し濃い目の味付けて魚にしみるように。他には揚げたか焼いたかであんかけもいいかもな」

「フツーに焼き魚が美味い思うけどな」泉

「そうなんだよなぁ、、手を掛けないほうがうまいのが多いんだよな、、魚の種類は」シュ

「んじゃ、あまり作ってて面白くない?」

「だなぁ、、肉とか野菜のほうが手のかけがいがある、かな?」


「んじゃ、そこの食堂で焼き魚定食くおうぜ!」

もうハラ減ったのか泉さん。で、どこが”んじゃ”になるのか聞きたいが!。

まだ昼には早いが、魚を焼くいい匂いがしていたのにはガクもそそっていた。


食堂はそこそこ客が居た。

市場だからな、手が空いたときがメシの時間、なんだろう。


「今、何が美味いの?」ガクが注文取りに来たおばはんに訊く

「ばたばた、まんさ、じゃげー、が脂乗ってるねぇ、、」

2人をみると、いいぞ、ああ、と。

「やっぱ3つとも焼くのが美味い?」

「そうだね、焼くのが香りが最も良くなるからねぇ、」


その3種類の焼き魚定食を頼んだ。

すぐきた。でも焼き立てだ。丁度焼いていたやつな様子。

皆でつつきあって食べ比べ。

「どれもうまいな、、酒頼めばよかったかな」泉

「ああ、かもなぁ、、」シューレ

「まぁ、今日は食べ歩きになりそうだし、あとでも、、」

反対意見なし。


食堂を出て、また少し市場内を見てから市場を出る。

市場の前の通りを歩いていると、

タムソム、と、南部諸国文字で書いてある店があった。

泉さんを見るともう気づいている。

「入るぞ」泉

スタスタと先に行ってしまう。


で、タムソム、らーぷー、ナムトック、トムヤムタレー(海産スープ)、焼えび、イカとにんにく炒め。ヤムタコ。

と、

南部の酒。匂いが少し変わってて、食事に合う感じ。


食事が来たら、皆しばらくは無言でがっついた。さっき食事したばかりなのに。

南部料理は別腹なのか?!


「あれだ、、使われている唐辛子がうまいから、辛くてもいけるな、、、しかも食事が進む、、、」シューレ

「ああ、どうしても他の土地の唐辛子は美味くなく思えてしまう、、こっちのを食べ慣れるとな」泉

「まぁ、生でかじって食うくらいにならんとわかりませんけどね、、」

「生唐辛子だけだったら、うまかないぞ?つまみにもならん」

「あ、す揚げで、塩まぶしたのがありましたよ、向こうで。あっちの人、菓子みたいに食ってたけど、エールとかに合いそうっすね」


2人は想像して、とても美味そうに思ったのか、、、給仕を呼んであるかどうか訊いていた。

で、注文してた。


ほどなく来て、つまむ2人。

うん、と頷きあって、エールを注文した、3杯。


エールが来ると、シューレはジョッキを掲げ、

「うまい飯に!」

「「うまいメシに!」」続く2人。


またガツガツ食い始める。

その後、追加注文したりして、なんだかんだ3時間くらいだらだら居た。

南部メシ屋で酒飲むと、だいたいそんな感じだった。居心地は悪くない。


あ、

「ヒモノとか買ってかないでいいのかな?」ガク

「明日、買う時間くらいあるんじゃないかな?」泉

「場所だけ訊いておこう、、」

と、シューレが給仕に良いヒモノを売っている店を訊いて、覚えた。


やっぱ海の魚のヒモノのほうが美味いと思う。


(あれだなー、シューレ食堂のメニューに好きな料理を入れて貰いたい時は、こーゆーふーに食べさせると、いいかもな)

「ああ、当たりだ」

「おう、俺もそう思ってた」

泉さんもシューレもあたりまえのように勝手にひとのこころを読んで、返事をする。

ガクも、もう全く気にしていない。


剣豪と大妖精って、似たようなもんなのだろうか、、


夕食は宿に帰って刺身と焼き魚と、おまかせ数皿たのんで、酒の肴に。

その頃には領主様も降りてきて、一緒に飲んだ。

「むかい酒ってあるが、、よくわからんが、、、二日酔い直後でも飲めるのが不思議だ」R

「よくあるこってす」泉

「ひと、も、結構強いんだな」

俺はこれらとは違うんで、一緒にしないでほしい(ガク)


明日、ヒモノ買いたいっすけど、時間ありますか?とガクが領主様に訊くと、

「んじゃ、もう一泊していくか?」R

「賛成!!」全員


いいのかな?と、内心でも領主様を心配するのは、ガクだけだった。

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