第169話 後後44 東武領領都のカレー屋、ケーキ屋
食通さんと別れを惜しみ、俺達は東武領領都で馬車を降りた。
馬車は次のデカめの街で宿に泊まり、その翌日の夜迄には王都に着くという。以前の倍近くの速さだ。
「やっと帰ってきたなー」俺
「ああ、帰ってきちゃったなぁ、、、」泉さん。まだまだ名残惜しそうだ。
「ほう!かなり栄えているな。しかも、結構ケーキなどの菓子の匂いもするではないか」シューレ
「わかるの?そんなのまで?」
「ああ、職人だからな!!」
そっちっすか、、?
まぁ、シューレが普通の武国飯くえると旅の途中見てたらわかったんで大丈夫だろうけど、できたら農国などの飯食わせてあげたいよな。ケーキ好きならそっちだろう。
見た目からして、おっさんぽい和食よりは洋食のほうが似合う。
今更だが、農国人と同じ風貌のシェーレ。背が高く、スタイル良く、薄い金髪で肌色だが白が強い肌色。瞳は深い海の青。鼻筋は通っていて高め。口は閉じていと小さめに見える。唇は薄め。だが、モノ食うときはデカイ口開けて食うのが少し、、、。黙って澄ましてりゃかっこいい美人っぽいんだが、、
確かにシェーレの言うとおり、領都は以前俺が来た時よりも栄えている?
「泉さん、、、」
「おう、、なんか、、栄えちゃってんなぁ?」
辻馬車なんかも見える。前はいなかった。
人も馬車通りも格段に多くなっている。
「あれじゃないすか?遠征に行く領だから?」
「ああ戦の景気か、、」
「あんじゃ?おまえら行くのか?」
「いきたくないっすけどね」俺
「腕が成るな!!」泉さん
「西の国が禄でもなくって、仕方無しにですよ」俺
「めんどくさいなひとの社会は」
「妖精はそういうのないんすか?」
「聞いたことななぁ、、少なくとも個人間では無いな、、、醜い妖精って見たこと無いだろ?」
「いや妖精自体が少ないし、、見つからないし、、妖精自身が自分が妖精だって忘れてるし、、」
「まぁ、そうか、、。心が醜い個体がいれば争いが引き起こされる。そんな個体は即座に排除すればいい。つまらんことを優先し排除できないからそれがどんどん他を汚染して増えていく。ひとは、バカだからな。バカってのは何が重要かが全くわからんのだよなぁ、、いつまで経っても。」
「そなんだ、、」
「ああ、魔獣のがよくわかっているぞ?」
魔獣以下ですが、、でもそれがわからんでもない、、
「妖精が、なぜひとに紛れて暮らしているとおもってる?」
「へ?気にしたこと無いな」
「心の醜さを少しでも浄化するためだ。どんな腐った魂の者でさえ、美味しいもの食べているときは素直だろ?」
「まぁ、、だいたい、、」
「あ、カレー屋、、入るぞ!」泉さんがさっさと入る。俺らも。
「あ!」
「「あ!」」
オーウトの宿、らくだ亭の店主だ。
「あの、らくだ亭は?」
「ああ、弟にまかせてきた。またこの機会に外に出たくなってな!はっはっは!!」
そうだ、この人は旅先の砂漠の国で嫁さんをみつけ、連れ帰ってきたほどだった。ムーサリム料理は上手い。アチャーも旨いのを淹れる。
「最高の人が来てくれましたね!!」
「お!嬉しいねぇ!!まぁ座って!食いに来たんだろ?」
「「当然!!」」俺、泉さん
「私はわからんので、選んでくれ」とシューレが俺に言う。
「辛いの大丈夫だったよね?、、おやじさん、ヤギ肉あるの?」
「あー、ここはないんだよ、、鳥、山鳥うまいぞ」
「シューレ、山鳥は?」
「ああ大丈夫だ」
「泉さんもそれでいい?」
「おう!」
「んじゃ3つ!大盛りで!あとアチャーも大盛りで3つ」
「よしきた!!」
チャパティでの食べ方をシューレに教えたら、すぐに器用に食べ始めた。
泉さんは、すげー剣士なのに、器用なのか不器用なのかわからんほどに、顔と手をべとべとにしながら食べている。
物足りなさそうだったので、ダルとチャパティを追加。
アチャーもお代わり。
「いやー!安心しました!!」
「おう、、なんか、武国風とかになってたらどうしよう?とかびくびくだったからな!!」泉さん
「あー、、あるよ?武国向けカレー。食う?」
「「あー、今度で」」
あっはっは!まぁそうだよな!向こうのを知っちまったらなあ!、とおやじさん。
カレー屋を出て領主邸に向かいながら、ケーキ屋が無いかなー?と。
「うむ、、こっちだ」
シューレの導きで無事ケーキ屋に。
勿論本物の。
「というか、、このメニュー、、ゴルダにあった店といっしょ」俺
「え?そうか?」泉さん
「武国のケーキ魔娘さん!お久しぶり!いらっしゃいませ!またきのことベーコン?チーズとソーセージとほうれん草?」
「ああ!あれうまかったな!!それいこう!」
「泉さんは味で店を覚えてるんすね」俺
なんか、どうせ行くのであれば、ケーキ好きな者がいる土地がいいと、泉さんと俺が居るここを選んだそうな。
らくだ亭のおやじさんもそうだったとのこと。
「うれしいもんだな!」
「ええ、ホントに!」
「うむ、、いいな、うまいくいものだからこそ、だったんだな」シューレ
まずけりゃ終わってるし、、、
折角昼頃に着いたのに、領主様のところに顔を出せたのは夕方も遅くだった。
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