第85話 後−12 正式名称 北の国西部との国境の町


宿はあったかだ。農国らしい厚めの壁や厚い板の扉、窓は内外2つの窓で、それらは皆一枚板で作られている。劣化したときに隙間風が入るようになるのを防ぐためだろう。

高床の下には煙を回すパイプが這い、暖炉の効率を上げている。床が温まってりゃかなり違うのだ。

二階の床も厚くなっており、間にパイプが配置されて暖かくなっている。


「これは凄いな、」

泉さんもこの暖房のちからの入れように驚いていた。


「これでも真冬だと、がんがん薪をくべていないと寒さにやられるんですよ?」

と宿の女将。と言っても洋装で欧州人系。泉さん系だ。


女性が女将なので、食事に期待できるかな?と思っていたらおおあたり♪

泉さん、ひとっ言も無くガツガツガツガツ食っている。

俺もだけど。


がっつりカツレツ特大、きのみと乾燥果物と野菜がうまくまじって薄いドレッシングをなじませたサラダ。

野菜と肉の入ったスープ。


普通だとこれのカツレツナシでもかなり良い方なのだが、、。

これが晩飯のA定食。定食つーことは一般的なんだな、これが。普通の農国人の倍くうのか?ここいらは。

とガツガツ食いながら思っていたら、


「北の国の人なみに健啖ですねー」と驚く女将

ははぁ北の国から農国に入ってきた人たち向けの定食なんだなぁ、、

確かにB定食は量が少なかった。安いけど。


「うまいんで、どんどん入っていってしまいます」俺

「農国人は美味しいものを作るのが好きだから」女将


「うむ、この国は幸せだな!!」ガツガツガツガツ 泉さん


かなり腹が減ってたんで食事を先にしてしまったが、これでは風呂に入れない。

なので部屋で一休み。お昼寝みたいなものだ。まぁ朝まで寝てしまうこともあるが。


温泉なんで風呂は24時間、掃除の時を除いて入れる。


夜中に目が覚めると、泉さんを起こそうとしたがどーにも起きない。ママーケーキもっとー、、、ええーケーキは食事だよー、、とか言っている。本体と混じっているのか?


仕方がないので俺だけ温泉に。

外は寒そうだが、風呂場は天国だなー、、

作りは普通の風呂。サウナもある。

こっちの人、サウナ好きだよねー。


夜遅いので誰も入っていなかったのだろう、水で薄めていない温泉の風呂は熱く、日本人しかも熱い湯好きな学にはちょうどよかった。

ただ、硫黄泉なので、普通の風呂とおもって浸かっていると危険。早めに出たと思っても、かなり温まっているものだ。


学、鉱泉+湯の花の疑似硫黄泉しかしらない。

あ、他の宿で一度入ったことあったかな?でもその知識は得ていなかった。


やっべー、と思ったときはもうフラフラ。水をがんがん浴びてやっと復帰。

でも体力がかなり食われている。部屋に戻って水をがばがば飲んでバタンキューである。


そーいえばー、向こうに居る時、じーさんばーさんに温泉につれてってもらったことあったなー、、なんかそんなこと言われてたなーー、温泉はあまり長く浸かるもんじゃないって。



翌朝。

起きたら泉さんはいなかった。下かな?

食堂に降りてもいなかった。まだ食事に来ては居ないという。

風呂場は、女湯は流石に探せないんで、そのまま朝食をもらう。


何このうでたまごうめー!何の卵よ?とか食ってたら泉さんがほこほこ湯気出しながらやってた。

「おう学、すげーな温泉!あったまるわー、こりゃいいとこだ!メシウマだしなー!!」

やっぱ嵌ったか、、


朝食もガツガツ食っていた。

食後にデザートも付いてくる?え?朝食は宿代に含まれるおまけなので、いくら農国でもそれほどのは今までなかった。


「いいんですか?」と俺が驚いていると、

「ここじゃこのくらいが一般的ですよ」女将

つーか、サーブに女将がまわっているってのがすげーよな。ここの女は強いってーのがよくわかる。

働き者でこまめで気付きがとても良いんだよなぁ、、


外国の男どもが出会って一発できにいり求婚して結婚後尻に敷かれて喜んで一生を終える、ってのがわかる気がするw

ちなみに女将の旦那は厨房から一歩も出てこないw

まー、料理は上手い!!


で、

デザートのケーキ。

「?????」泉さん

え?

俺も食ってみる、、、、、


なんだろ?もう一口、、更になんだろう感が強くなる。

決してまずくはないし、もう一口食おうという気になるんだが、、んだが、、、”なんだろう?”

・・

「なんっすかね?」

「・・・うん、、なんだろう?」

と思っていたら食い終わっていた。

なんか狐につままれたような?(狐に闇夜で鼻をつままれたダブルステージであるw)


「よし、外の店でも調査だ!!!」

泉さん、、、、、


飯を終わった頃には泉さんの髪の毛も乾いていたので、そのまま外出。




お???

宿の前の通りは、馬車こそあまり通らないが、人通りは多い。

つーか、

「獣人多いっすね?」

「ああ、、ここは、、あれか、、北の国ってもしかしたら獣人の国なのか?」


「あ、そーだよ?知らなかったの?」

と目の前を通り過ぎようとした者が立ち止まって教えてくれる。

「でも、あんたら、よくわかったな?俺らが人型になってるとわかる者は珍しいぜ?」

ネコ獣人らしく、ぴょうんと耳と尻尾を出して見せてくれた。


「ああ、うちには人狼が多いんでな、、つーか、ほぼ一緒に生活してるんでなー」泉さん

「なるほどなー、んじゃすぐわかるよな。猫もいるのかい?」

「ああ(いずみ村には)多くはないがな。熊も、爬虫類や鳥も、な」

「豪華版だな、喧嘩しないのか?」

「ああ、うちの村はそーゆーの全く聴かないなぁ、、」

「へぇ、、良い村なんだな」

「ああ!自慢の村だ!」

・・・・・


「よかったらドコの村か教えてくれないか?興味を持ったわ」

「おう!武国東武領、いずみ村だ!」

「ぶこく、とうぶりょう、いずみむら、だな、よし覚えた。いつか行くかもな。俺はミャウルス、北の国の王都に住んでいる。」


「あ、北の国の人狼の部隊っているだろ?なんか偉いの2人が率いている、、」泉

「ああ、有名な人狼部隊だ」

「俺はも一つの村にも属してるんだが、そこに来たことあるぞ?1−2ヶ月滞在してったかな?」

「へぇ?あの部隊が?あんで?」

「なんか、うちの子たちの秘密を探り出す!!って意気込んで居たなぁ、、」

「?????よくわからん????」

「ああ、俺もよくわからんかった。」

・・・


「そこ、何ていう村に滞在したんだ?」

「小館村だ」

・・・・・・・・・・・・・・・・


「え?なんか?あるのか?」泉

「・・・いや、風のうわさを聞いただけだから、、」

「まじなんなの?なんかでっかいでたらめな噂が広まっているって聞いたことあるんだがな?」


「・・・やっぱ噂か、、だよなぁ?、、。いや、実はな、悪魔の子供

((それかー、、噂じゃねーよ、、でも噂ってことにしとかんと、いろいろまずいよな?))泉&学

「・・・なんで、そんなわけなかろう?と。でも軍に関わる者に聴くとまじだっていうし、、」


「大丈夫、根もはもない噂だ。確かにうちの村に子供部隊はいるが、村の食料調達のために訓練しているだけだ。

軍に関しては大人の部隊があるから」泉さん

「だよなぁ、、ああ、やっと納得できたわーー」ミャウルス

いや、こっちがウソだけどなー


俺(学)は、なんかかかわったらボロだしそうなんで傍観を決めていた。寒いし、、、防寒、、、ぷw  あ、寒くなってきた、、、



ミャウルスおすすめの喫茶店に行く。



ネコ、おすすめの店だけはあった・・・。

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