第84話 後−11 やっと進みます。国境の街に到着


「そろそろ進まないと冬、来ちゃいますよ?」俺

「そーだなー、、そろそろ行くかー」泉


と言って早数日。


ゴルダの街を隅々までまわって、街の喫茶店はすべて入った。で、どこが何を得意としているか喫茶店ガイドが作れるほどになっている。


「各町の喫茶店ガイドを出せるくらいにまでなってきてますよ?」俺

「うむ、、だがまだ全メニューには程遠い」泉

ぷちっ


「決定。明日朝の馬車に乗ります。」

・・・・・・・・

まぁ、泉さんも、このままだらだらはまずいなぁ、とわかっているから反論ないんだろう。


毎日喫茶店めぐりとか、オツムと時間的にはかなり余裕あるんで、次の街のことを聞いていた。

ダリー。  いや、町の名前だから。次の街の。

ゴルダ程度の大きさだが、ちょっとした盆地にあり、果物生産が多い街だという。

んじゃケーキ期待できるじゃん?と思ったが、

「うんにゃ、あそこは乾燥果物とかそのまま食べるのが好きなんだよな、生産者ってそうなんかどうかしらんが、あそこはそうだ。せいぜいきんつばの中に干し柿や干しぶどうをいれるくらいかな?結構旨いけどな。」

という証言が最も有力なものだった。


なので、泉さんはあまり動きたくなかった。


だが、ダリーの次の国境の町、近隣通称「国境の街」本名北の国西部との国境の町。ここは、北の国の文化も入ってきているので、期待しても良いんじゃないか?とか言う者も少なくなかった。

なんか農国では北の国はそれなりによいイメージがあるとのこと。

攻国と農国の間で、対攻国防波堤をしていてくれたから、というのもあるらしい。

強い人狼が多い、というのも高い評価に繋がっていると、農国人達との話でうかがえた。




翌夕方遅く。

ダリーに到着。

御者は「極ふつーの宿しか紹介できんでわるいな、、」と。

もう御者達の情報網で、俺と泉さんは知られているようだ。皆親切にしてくれる。

兄妹の旅みたいに見えるからだろうか?



「ふむ、、、ふつーだな」

晩飯である。

まずくはない。ちゃんと残さず食えてしまえる程度。

「あれじゃないすか?舌が肥え過ぎた。この程度、多分、東武領都や小館での食事くらいですよ?」

・・・・まずいな、、(泉)

うん、旨い不味いのまずいじゃないね、困ったね、のまずいな、だね、この場合。


「まぁ、帰ったら、あっちの食事の作り方を強化しますよ。素材の使い方自体が漠然としかやっていなかったみたいなんで。ジジさんからかなり教わりましたから。


あと、商会からカレーの材料やレシピの帳面がもう小館に着いているはずなので、村長宅女性陣が頑張っていることでしょう。


領都でカレー屋とケーキ屋(喫茶店)の話も進んでるんじゃないですか?特にこっちの喫茶店がむこうに出たら、旨いのばかりなので周囲はかなり影響受けるでしょう。


俺らが帰った頃には、結構変わってるんじゃないですかね?」

とかテキトーにぶっこいといた。


そうなってりゃー、嬉しいんだけどねぇ?



翌日の馬車でダリーを発つ。

今日で北の国国境に着く。明日は北の国入国だ。


翌日馬車の中で

「ソー言えば、ゲルセイ部隊はどこになったんでしょうかね?」

配属先のことだ。

元いた攻国国境付近に人狼配置の必要性は皆無になった。

なので、ふと疑問になった。


「さーなー、でも俺らの武国との国境か、北の国との国境か、日のいずる国との国境か、、じゃないの?もしくは氷の海に面する部分の警戒とか?」

うっわー、ざいごのは流刑じゃん、、狼ってもかわいそーすぎるんじゃないかな?


「最後のは、流石に、、、」俺

「あー、無いと思うけどな、必要性があれば別だけど。・・・もしくはあのまま新兵訓練教官として朽ち果てる?」

「・・・・・・・」

最初に一緒に居た他の隊員も教官やってるんかな?

と一瞬思ったが、教官には経験不足気味に見えたんで、平和にどっかに配属されたんだろうな。



盆地のダリーからなんで、少しずつ標高があがってきている。


夕方になるころには、もう近隣の山々の中腹あたりには結構紅葉も見える。

きのこだな、、ぽつりと泉さん

「ですねぇ、、」


「ああ、うまいぞ、国境の街は。あと温泉な。臭いの強いやつで、これがきもちいーんだ」

と、同乗の商人らしき男が教えてくれた。


街の全体に温泉がでるんで、宿すべてに風呂が在り温泉だという。すげーゴーカな街だ。

で、山の幸に恵まれている。勿論農国人なのでそれを活かす料理の仕方。


あ、武国でも農国国境近くになったら宿の飯うまかったのは、これかー、、農国の影響かぁ、、、

なるほどねぇ、、、とても納得だ。そういえば納豆って見たこと無いな?


おすすめの宿は「まぁ、どこでもあたりだ。より北側のほうが敷地が広めなので、風呂も大きめだ」とのこと。


北の国の話は、「ここでするほど少なくないんだよ、宿についやらいやというほど聞けるだろ。」とその商人。



国境の街

・・・・・・・いやいや、、、(学)

・・・・・・・ほう、、北の国って、人気あるんだな?(泉)


街が大きかった。

農国と武国の国境の街は小さかった。村に毛が生えた程度だった。いやでもそういう先入観が出来上がっているので、ダリー程度の街があるとは思わない。


学は戦慄した。

飯が旨い、特にきのこ、イノシシや鹿などのうまくなる季節。寒くなってきてるんで鍋など暖かい料理も旨い。硫黄泉の風呂が全宿にあるほど。酒がうまいだろーよ、、、。で、農国の街、村ではない街。

なので、喫茶店も絶対多い!!そーすっとケーキも多い!!


北の国に入国できるのはいつに成ることやら、、、

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