092 待ち伏せ

「おっ」思わず声が漏れる。


 フリマサイトに元カノへプレゼントしたバッグが出品されていたからだ。今の住所や電話番号は分からないので直接確認することは出来ない。ただ、傷やショルダー部分のヨレ具合から察するに俺がプレゼントしたものでほぼ間違いなかった。


 俺は早速商品を購入した。匿名配送なので向こうが俺に気付く事もないはずだ。しかし、まさかプレゼントしたものを出品するとは――俺がDVしたとかって無理やり別れさせられたが、プレゼントしたものは今も大事に使ってるもんだと思っていた。


 二日後、商品の発送連絡が入った。直ぐさま送り状番号を確認し、ネットで出荷状況を検索した。バッグは明日にでも届くらしい。それよりも……俺は元カノから違う商品を購入し、出荷元の営業所へと車を走らせた。

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