イエロー
実況 「あっと、ここでホイッスル。どうやら吉川選手のファールのようです」
吉川 「今の取るのはちょっと厳しすぎません?」
審判 「イエロー・ベース。秋!」
実況 「おっと、吉川選手。ここでイエベ秋だと診断されました。実は審判はパーソナルカラー診断の資格を最近取ったらしいです」
吉川 「どういうこと? それはなんのファウル?」
実況 「どうも吉川選手納得がいってない様子。パーソナルカラーによっては今までの服が全部着れなくなる可能性もありますからね」
審判 「ピーッ! レッド……」
実況 「ここでさらに笛!」
審判 「レッド・ジャケット!」
吉川 「え? なにこれ? これを着ろってこと?」
実況 「ここでレッド・ジャケットです。まるでオリンピックか東京フレンドパークかという鮮やかな赤。非常に着回しが難しいのを出されてしまいました」
審判 「ピーッ! イエロー・パンツ!」
実況 「そしてさらに鮮やかな黄色いズボンです。しかもハイウエストでベルボトムのクラシカルなシルエット。これは彩り豊かです」
吉川 「これ、着てやるんですか? なんか恥ずかしいんですけど、ピエロじゃないんだから」
審判 「ピーッ! ブルー・な気分」
実況 「吉川選手の言葉に審判やや落ち込んでしまったか。気分がブルーになりました。これは可哀想だ」
吉川 「あ、いいです。着ます。着ますから!」
審判 「ピーッ! イエロー・イエロー・ハッピー!」
実況 「吉川選手の素直さに審判も嬉しそう。これは確かポケットビスケッツの曲ですね」
吉川 「知らないよ。いちいち笛吹くのやめてくれます? 全然ファウルとかでもないのに」
審判 「ポ~!」
吉川 「オカリナ? どこから出したのオカリナ? そんなもの持って審判しないでよ」
審判 「ピーッ! ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン」
実況 「ここでカードが出てしまいました。遊戯王です。自慢気に高々と掲げる。まるで海馬社長のようだ!」
吉川 「なにそれ! どう受け止めたらいいの? 試合中にデュエルしないでよ」
審判 「ピーッ!」
実況 「吉川選手が食い下がったところで、さらに笛。これは痛い。二枚目のカードだ」
審判 「ブラック・マジシャン・ガール!」
吉川 「だからなんなの! 召喚もなしにそんなカードを出して!」
審判 「ピーッ! ピンク・要素!」
実況 「どうやらブラック・マジシャン・ガールはちょっとエッチなサービスだったようです。助かりました」
審判 「ピーッ! レッド・ホット!」
実況 「赤裸々な告白に思わず審判も頬を赤く染めている!」
吉川 「なにがしたいの。試合は? 進行を止めてまでやること?」
審判 「プ~ッ! レッド・シェイム」
実況 「我に返った審判、どうやら吉川選手のド派手な格好を見て赤っ恥だと噴き出してます」
吉川 「お前が着せたんだろ! なんだよこのジャケット。妙に縫製がちゃんとしててパーティーグッズっぽくないのが余計に恥ずかしいよ」
審判 「ピーッ! ステイ・ゴールド!」
実況 「いつまでも輝いているあなたでいて欲しい。そんな気持ちを込めて審判は笛を鳴らします」
吉川 「やかましいよ! 知ったこっちゃないよ。なんなんだ。もう試合は終わり? どう収集つける気なの? これ」
審判 「ピーッ!」
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