忍び足
吉川 「抜き足差し足忍び足ってあるじゃないですか?」
忍者 「ありますね」
吉川 「あれは具体的にはどういうものなんですか?」
忍者 「まさに忍者クエスチョンですね。この言葉は忍者にとってものすごく大事なのです」
吉川 「やっぱり!」
忍者 「まず抜き足。これはくるぶしまでの短い靴下ありますよね。あれを履きすぎてユルユルになると靴の中でずれてきて、なんか気持ち悪い感じになる。それが抜き足です」
吉川 「思ってたのと全然違った」
忍者 「そうでしょう。ほとんどの人は足を使った風俗のサービスだと思いますよね」
吉川 「別にそうは思いませんでしたけど」
忍者 「そして差し足。これは重要ですよ。冬場に暖かくして寝ようと布団をいっぱいかけたら、なんか暑くなってきちゃったなぁ。そう思ってちょっと布団から足の先を出すとこれが涼しい! これが差し足です」
吉川 「あれ差し足だったんだ。無意識でやってた」
忍者 「そして忍び足はモンスターと出会いにくくなるやつです」
吉川 「モンスター。突然世界観が物騒になってません?」
忍者 「世の中にはモンスターがいっぱいいますからね。モンスターペアレンツとか。モンスタークレーマーとか」
吉川 「あー。出会いにくくなるんだ」
忍者 「コレは全部中忍で習います」
吉川 「やっぱり中忍はすごいな」
忍者 「そしてもっと大事なのが、抜き足差し足忍び足のリズム」
吉川 「リズム」
忍者 「四・四・五のリズムからなるこれが大事。これは忍者リズムと1000年前から呼ばれてます」
吉川 「知らなかった!」
忍者 「例えば、中忍・上忍・苦労人!」
吉川 「忍者リズムだ。ちょっとラーメン・つけ麺・僕イケメンに似てるけど」
忍者 「全然違います。僕イケメンは6文字ですから。全然! 全く違います!」
吉川 「あ、はい」
忍者 「日本に古くからある情報伝達手段に俳句というものがあります。これは五・七・五の17文字からなりますが、忍者はスピードが命なのでそれよりもさらに早い13文字で勝負してます。俳句を3首読むうちに、忍者リズムは4回いける。この差が決め手になります!」
吉川 「やっぱり忍者はすごいな」
忍者 「はい、吉川さん。今の気持ちを忍者リズムで!」
吉川 「そんな急に大喜利みたいな。えっと。にんにく・にんじん・ニルヴァーナ」
忍者 「バッチグーです! 特にニルヴァーナがよかった。落ちとして強めなので今度私もパクらせてもらいます」
吉川 「さすが忍者。結構軽率にパクるんですね」
忍者 「ついに手品~にゃを超えるのが現れたか」
吉川 「今まで手品~にゃが最強だったんだ」
忍者 「それでは最終試験で山からとってきた食材で作った鍋を食べますか」
吉川 「いただきまーす。あ、美味しい」
忍者 「その美味しさを忍者リズムで!」
吉川 「肉味・出汁味・キノコ味!」
忍者 「シメには・うどんも・煮るヴァーナ」
吉川 「パクった上にひねりを入れてきた! さすが忍者」
暗転
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