十大ニュース

吉川 「いやぁ、年末だね」


藤村 「今年もわずかだね」


吉川 「今年も色々あったねぇ」


藤村 「それでは恒例のあれにいきますか」


吉川 「なんだ。恒例って」


藤村 「十大ニュースですよ」


吉川 「そんなものを恒例にしていたなんて知らなかった」


藤村 「今から恒例になった」


吉川 「それは恒例とは言わない」


藤村 「さて、注目の第十位ですが!」


吉川 「すごいノリノリで進行してるなぁ。そんなにやりたかったんだ? 十位ですが?」


藤村 「口内炎ができた」


吉川 「なんだ。突然」


藤村 「痛い」


吉川 「それはお気の毒に」


藤村 「それでは、九位です!」


吉川 「いや、待て待て。なに? 十位はなんだったの?」


藤村 「だから、口内炎ができた」


吉川 「それって今でしょ?」


藤村 「うん。いま。バリ痛い」


吉川 「いや、十大ニュースってさ、今年一年の総括じゃないの?」


藤村 「そんなこと言っても、痛いんだもん」


吉川 「今年の10番に入るくらい痛いのか」


藤村 「今年は比較的、痛みのない年だった」


吉川 「そうか……。なんか納得いかないけど、それならば仕方がない」


藤村 「じゃ、9位ね」


吉川 「はい。9位は?」


藤村 「お腹が痛い」


吉川 「またかよ!」


藤村 「今、急にきた。赤丸急上昇」


吉川 「もういいよ。お前の個人的な痛いとか痛くないとか」


藤村 「これはただの腹痛じゃない。なんかお腹ガンとかそういう感じの痛み」


吉川 「そんな曖昧なガンはない」


藤村 「とりあえず死なないうちに8位にいこう」


吉川 「年の瀬に死なれても困る」


藤村 「8位は……スマトラ沖地震」


吉川 「おー。やっと、それっぽいのがきたね。……でも、それって今年だっけ?」


藤村 「……の思い出」


吉川 「思い出かよ! それならなんでもいいじゃん。去年のでもいいじゃん」


藤村 「特に思い出深かった」


吉川 「まぁ、そういうんなら仕方がない」


藤村 「そして一気にいきます。7位から4位まで」


吉川 「本当に一気にいくな」


藤村 「該当作品なし」


吉川 「なしかよ! あれよ! なんかあるだろ!」


藤村 「特にニュースになるようなことはなかった」


吉川 「あったよ! なんか政治経済国内海外、色々あるだろ」


藤村 「今年は見合わせることになりました」


吉川 「見合わせちゃうのか。十大ニュースなのに」


藤村 「続いて三位です」


吉川 「もう、なんでもいいや」


藤村 「衝撃! お腹が痛いのが治る」


吉川 「全然衝撃じゃないよ。個人的すぎるよ」


藤村 「さっきまでの痛みが嘘のように」


吉川 「嘘だろ。どうせ嘘だったんだろ」


藤村 「失敬な! バリ痛かったよ」


吉川 「わかったよ。で、二位は何? 口内炎治った?」


藤村 「口内炎は今だ大活躍。来年は一位を狙えるほどの勢い」


吉川 「狙わなくていいよ」


藤村 「二位は……ランク外からのまさかの急上昇」


吉川 「普通、十大ニュースはランク外からくるよ。2年連続とかないもん」


藤村 「二位は……なんと今年がもう終わる!」


吉川 「そうだよ! それは毎年年末の十大ニュースだよ! それを言うならもう全部それでいい。やる価値がない。なんでそのニュースが例年はランク外だったんだ」


藤村 「そして、栄光の一位の発表です」


吉川 「別に十大ニュースは栄光じゃないと思うけど」


藤村 「一位は、ダカダカダカダカダカ……」


吉川 「ドラムロールか」


藤村 「ジャン! ジャジャーン! ジャカジャンジャーン! ドコドコドデツクデン!」


吉川 「いいから早くいけよ。ドラムソロにはいってるじゃんか」


藤村 「一位は……お前のツッコミ、やっぱ最高!」


吉川 「あ、うん。なんだよ……。みかん食う?」


藤村 「食う!」



暗転

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