サンタクロース

吉川  「あ、サンタさんだ!」


サンタ 「ホーホーホー、サンタクロースだよ」


吉川  「わぁ。サンタさん、プレゼントください」


サンタ 「よしよし、いい子にしていた吉川くんには、とっておきのプレゼントをあげよう」


吉川  「わーい!」


サンタ 「なにがでるかな、なにがでるかな、ちゃらららんらんらららららん♪」


吉川  「わくわく」


サンタ 「肉!」


吉川  「生肉かよ! 何原人だ。何カントロプスエレクトスだ!」


サンタ 「おや、肉は気に入らないかい?」


吉川  「気に入る気に入らない以前にお歳暮じゃないんだから」


サンタ 「最近の子供は難しいのぉ」


吉川  「もっとさ、子供のニーズにあったものをくれよ。おもちゃ関係の」


サンタ 「それならあるぞ。ほれムシキング」


吉川  「ムシキング、古い!」


サンタ 「なめくじのカードじゃ」


吉川  「なんだよ! なめくじって、虫じゃないじゃないか。どんなカードだよ」


サンタ 「塩に弱い」


吉川  「子供なめんなよ」


サンタ 「サンタに向かって、その暴言はいささかひどいのぉ」


吉川  「もっと、ちゃんとしたプレゼントくれよ」


サンタ 「よぉし。じゃ、子供の大好きな、甘~い、甘い……」


吉川  「わぁ」


サンタ 「角砂糖」


吉川  「喜ぶかっ! 江戸時代か! 南蛮渡来か! 令和だぞ。糖質はよくないとまで言われてるのに」


サンタ 「二つあげるぞ」


吉川  「数の問題じゃない。いくつもらっても角砂糖なんて嬉しくない」


サンタ 「むぅ。難しい子じゃ」


吉川  「そうじゃなくてさ、もっとあるじゃない?」


サンタ 「あいにく、もうこれしか手持ちのプレゼントが……」


吉川  「なんでだよ! 肉とか角砂糖しか用意してないサンタなんているか」


サンタ 「肉といっても、ただの肉じゃないぞ」


吉川  「すごい肉でも欲しくないよ」


サンタ 「イベリコ豚の肩ロース」


吉川  「いや、すごいのはわかるけど、肉じゃん。肉はいらない。こっちは子供なんだよ」


サンタ 「他にも、牛ロースと羊ロースがある。どれでも好きなロースを選ぶがよい」


吉川  「三択!?」



暗転

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