太
吉川 「うわっ!? お前どうしたのそれ?」
藤村 「お、さすが令和のファッションリーダー。この冬の最新モードに気がついたか」
吉川 「いや、おしゃれとかじゃなくて……その体型」
藤村 「あぁ、ちょびっと太っちゃった」
吉川 「いやいや、ちょびっとじゃないでしょ。なんというか、アメリカ人じゃん」
藤村 「お前、それはいくらなんでもアメリカ人に失礼だぞ」
吉川 「そうだけどさ、日本人的な太り方じゃないよ」
藤村 「まぁ、ウエスト2mだしな」
吉川 「なんだそれ。どうしちゃったの?」
藤村 「うーん、ストレスによる肥満かなぁ」
吉川 「お前にストレスなんてあったんだ」
藤村 「何を言う。ミスター・ストレッチとは、俺のことだぞ」
吉川 「それはストレッチが得意な人じゃ……」
藤村 「ストレスと俺とは、切っても切れない関係。ストレスが魚だとしたら、俺は海だ」
吉川 「淡水魚は?」
藤村 「そんなストレスはない!」
吉川 「うわぁ、自分の都合だけで強引に言い切った」
藤村 「つまり繊細な俺はストレスにより、極度の過食に走ってしまい、一週間で200kgも太ってしまった」
吉川 「それはストレスとかじゃなくて何かの病気じゃないか?」
藤村 「それも考えたんだけど、いたって健康なんだよね。心身ともにやる気十分。いまならカメハメ波もちっちゃいのくらいなら出せそうだよ」
吉川 「そんなもの出されても困るけど」
藤村 「ただ、困ったことに着るものがない」
吉川 「だから浴衣なのか」
藤村 「色々な店をまわったんだけどさぁ、手も足も出ない」
吉川 「高くて?」
藤村 「いや、太くて」
吉川 「物理的にか」
藤村 「でも浴衣ってすごいぜ、サイズフリーだからね」
吉川 「そんな丸っこい身体でもフィットしてるんだからなぁ」
藤村 「しかも、冬用に裏地にファーを贅沢に使用している」
吉川 「うわぁ……、もっと他に贅沢な方法がありそうなのに」
藤村 「さらに、この専用アタッチメントをつけると、あっという間に力士に大変身」
吉川 「大銀杏のヅラじゃん」
藤村 「だって、デブなんだもん。しょうがないじゃん」
吉川 「そんなことしてると本物の力士に怒られるぞ」
藤村 「しかたないじゃん。お肉の策だよ」
吉川 「苦肉だよ。太るわけだわ」
暗転
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