花粉

藤村 「ハックション!」


吉川 「花粉症?」


藤村 「うん。そうみたい」


吉川 「大変だなぁ」


藤村 「なんか急になっちゃってね」


吉川 「ゴメン。そうと知ってたらふくらはぎに花粉めいっぱいつけてこなかったのに」


藤村 「なんでそんなところに花粉つけてんだよ!」


吉川 「花の蜜吸ってたら、なぜかついてた」


藤村 「ミツバチか。なんで花の蜜なんて吸ってんだ」


吉川 「まぁ、会社人間のサガって言うかさ」


藤村 「働きバチとかけてるつもりか」


吉川 「でも俺のおかげでおしべとめしべが受粉できるんだぜ」


藤村 「そんな役割ひきうけなくても大丈夫だよ」


吉川 「あ! さては今、エロティックな想像したな!」


藤村 「してないよ。微塵もしてない」


吉川 「まぁエロ話は置いといて」


藤村 「エロ話した覚えはないんだけど」


吉川 「ちょうど良かった。俺さ、花粉症に関するさまざまな民間療法を知ってるんだよ」


藤村 「えー。ちょっとうさんくさい」


吉川 「失敬な。これでも詳細なデータに基いたデタラメな豆知識満載だぞ」


藤村 「デタラメじゃん。やだよそんなの」


吉川 「まぁ、騙されたと思って騙されてくれ」


藤村 「騙されっぱなしじゃないか」


吉川 「安心しろ。もしもの時のためにアリバイも用意してある」


藤村 「殺す気か! なんで自分の身ばっかり可愛がってるの!?」


吉川 「花粉症を治したくないのか?」


藤村 「治したいけど命をかけてまでは嫌だ」


吉川 「そんな弱気でどうする!」


藤村 「いやいや、そこはハッパかけるところじゃないよ。誰だって弱気になるよ」


吉川 「せっかくの面白人体実験が」


藤村 「なんか企画の名前も知らない間に変わってるし」


吉川 「花粉症ってそんなに辛いの?」


藤村 「なんか鼻水がずっと出つづける」


吉川 「だったらこれだ」


藤村 「なんだ。この怪しげなボックスは」


吉川 「つまらないものですが」


藤村 「いらないよ! どうせまたよからぬことを企んでる」


吉川 「いいから開けて見てよ! ビックリするよ」


藤村 「なんだろう……ックション! なんだこれ?」


吉川 「花粉の詰め合わせ」


藤村 「ふざけんなよ! 鼻水とまらなくなったじゃないか!」


吉川 「つまらないものだよ」



暗転

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