第3話 探偵マンガ
「…コンさん、これは…」
孝文警部が金庫室内の張り紙に気づく
「覚醒剤の使用法…大江戸さん、これは?」
コンは呆れた用な目で大江戸を見る。
「…嘘だ!これは怪盗団が残した偽りの情報だ!」
大江戸は必死に否定する。
「金庫が空いてます!…中には葉が…」
孝文警部が金庫を開けながら言う。
コンはそれをひとつまみして臭いを嗅ぐ。
「…これは覚醒剤の葉だな。…大江戸さん」
「…違う!」
コンは手錠を取り出す
「大江戸 正義さん。あなたを、逮捕します」
「そんな…怪盗団に捕まるなんて…!」
「…怪盗団…」
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コンは騒ぐ大江戸をパトカーの後部座席に乗せ、車を出させる。
「やれやれ、結局怪盗団は何がしたかったんだ?」
「正義の味方気取り?」
コヨーテ巡査部長が被害確認から帰還する
「コヨーテか、被害状況は?」
コヨーテはペラペラとメモをめくり上から順に言う。
「監視カメラ数機、数百万円相当の現金が入った金庫ごと1つ、高純度の宝石各種、そして……真紅の瞳」
「なっ!真紅の瞳は守ったはず…」
「ニセモノだったよ、触ったら破裂して、ご苦労さんって出て来た」
「……また1杯食わされたか」
コンはポケットから手帳を取り出し、
「目的の品は無事」の所に横線を引いた。
「そろそろ、警察上層部が本気になってくれると良いんだが、」
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警察署内 取調室
取調室前の廊下は怒号や大声が響き渡る
そんな廊下をコンとコヨーテは歩いていた
「24箇所の刺し傷だぞ!!確実に殺したかったんだろ!?」
「あっちは殺人事件か、忙しそうだな」
コンは通り過ぎた扉の中で繰り広げられる取り調べを想像した。
「…殺人事件はゴメンだな」
「そんなことよりも、コン、真紅の瞳盗まれてないってニュースになってる」
「は?それって……まさか、警察上層部が」
「うん、情報操作した」
「別の意味で本気出したな、」
コンとコヨーテは扉の前で止まるとカードをスキャンして扉を開いた。
扉の先は取り調べ室を見ることが出来るマジックミラーの部屋だった。
「犯人は何か吐いたか?」
コンが録音をしている警察官に話し掛ける
「いえ、これといった情報は特に…」
「うーん、怪盗団とかの情報は?」
コヨーテも警察官に聞く
「予告状のこと以外は特に……」
「成る程…ふーむ」
コンは座って考え込んでしまった。
怪盗団の足取りはなし、せめて協力者の尻尾でも掴めれば、と思ったが……
コンはマジックミラー越しの大江戸を見る
コイツは何も知らなそうだな
そう思い立つとコンは立ち上がる。
「コヨーテ、大江戸の一件は任せて良いか?」
「勿論!コンは怪盗団で忙しいからな」
コヨーテのクールな所が出ている。
ま、そのクールな所とのギャップが良いんだけどな。
コンはそう考えつつ取り調べ室を後にして、情報センターへ向かった。
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~情報センター~
コンは街中の監視カメラを調べていた。
しかし、どの監視カメラも怪盗団の乗った車や怪盗団が通るとその部分だけ怪盗団のシンボルが掛かるのだった。
「クソッ…あの、天才ハッカーか」
コンは頭を抱える。
そこで1つのことを思い出す。
大江戸の家にあった監視カメラ数台はオフラインだったはず……その情報は?
キーボードを叩いて調べる。
すると、カメラの映像は止められているが音声が入っているファイルを見つけることに成功した。
「よしっ!」
動画を再生するとあることに気づく。
「女…?」
動画に収録されていた声質の一部が完全に女の声だったのだ。
「男の声も若いな…大学生か高校生位か?」
コンはその動画ファイルを記憶媒体に入れ、情報センターを出る。
外に出ると前からスーツを着た男が歩いてきた。
(アイツは確か、国家公安委員会の…)
名前が出て来ないが一応敬礼。
(アイツ黒い噂が絶えないと言うが、国家公安委員会だし立ち入り調査も出来ない、面倒な奴だったな…)
コンは1つ閃く
(まさか今回の情報操作も公安委員会の奴にやる物か?うーん)
コンは考えながら歩いていると一本の電話が彼を思考の渦から引きずり出した。
「コン、ちょっと思い付いた事があって」
「何だ?又下らない事か?」
「いや、今度はちゃんと怪盗団に繋がること」
「成る程、で、それは…」
「この電話はマズいよ傍受されるかも知れないからね、第3会議室で待ってるよ」
「ちょっ!……切れたか」
コンは取り敢えず第3会議室へ向かった
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~第3会議室~
「コン、来たね」
会議室に入るとメガネが座っていた。
「で、話は?」
コンは取り敢えずメガネと反対側の席に座る
「ホラー探偵ギロギロって知ってる?」
「いや?なんだそれ」
メガネはタブレットでSNSの画面を見せる
「ホラー探偵ギロギロ、大学生が書いていて最近勢いが出て来た個人執筆マンガだね、因みに作者はオオカミのフレンズだよ」
「…成る程、百日後に○ぬ○○みたいなもんか」
「それは色々と危ないから止めとこう」
「んで、そのホラー探偵ギロギロとやらと怪盗団何の関係が?」
メガネはふっふっふっとニヤけながら高らかに宣言する
「探偵小説書いてるならー怪盗団が何考えてるのか判る説ー!!!…イタッ!」
コンが捜査ファイルでメガネの頭を叩く。
「少し頭冷やせ、ったく…」
「うぅ…でもコンーもうこれ以上に情報ある?」
コンは少し黙る、しばらくすると口を開く
「……はぁ…仕方ない」
「コン!?」
「ああ、一応尋ねてみるか」
コンとメガネはパトカーに乗ってホラー探偵ギロギロの作者、タイリクオオカミ先生の自宅へ向かった。
けもの怪盗団調査本部(休載中) 帽子の男 @BIIGBOUSHI
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