第0-15話 合同捜査:その船危険につき
━━━━━《将司視点》━━━━━
「
直後サブマシンガンと思われる銃弾が、僕をかすめました。
こちらは
回避するには
後ろには水上警察の応援が四人居たので、戻れなかったので上がるしか無かったのです。
SIG553を上に振り上げ
今日はフル装備でマガジンに余裕がありますが、その代わりにグレネイド類は
サイドアームのダブルイーグルツーのマガジンも、予備は二本しか無いのですが、代わりに、SIG553のプラスチックマガジンをダブルクリップにして、五セット用意してきてあるのでした。
現在装着中のものも
戦争ができそうな状態だったのです。
嵐主任の方も似たような状態でした、今日の主任は表向きには右肩に業物小太刀と左懐に357マグナム6
普段腰の裏に背負っている、スコーピオンを下ろし、そこにマガジンパックを、タクティカルベルト上に六つも装着した上で、その一つのマガジンパック内に、そのバンテージで巻いたG36の専用弾倉の塊を二セットづつ、合計七百二十発入れていました。
さらに左肩から右腰に掛けてアルマーのワンショルダーを背負い、その中にM203-四〇ミリグレネイドの特殊専用弾を、銀散弾二セット六発、銀一粒弾三セット九発と、357マグナムの予備のスピードローダーを五セットの他に、ファーストエイドキット三セットや、他にも何か、パック詰めしていたように思います。
確か
確か、いつものVz61スコーピオンは折り畳んだうえで、ワンショルダーのサイドポケットの左側に本体を入れ、右側に予備弾倉を.32ACP銀弾の三十連マガジンを、四本入れていたようなおぼえがあります。
まさに戦争に行ってくるといったような、装備だったのは確かです。
その代わりに僕は重装備過ぎて移動能力が
こんな僕でしたから、いつもよりも疲れるのが早かったような気がしますが、嵐主任は水を得た魚のように元気で、いつもよりも重装備なのに、軽やかに動き回るのでした。
そのため、僕と嵐主任の間の距離がどんどん遠くなるばかりで気が気では無かったのです。
作戦開始の号令と共に上り始めたのに、嵐主任はすでに最上段で、抵抗勢力と激しい撃ち合いをしていました。
僕は
「将司、早く登ってこい!」と嵐主任が手招きするので、必死で上ることにしました。
言われてから二分は経過したでしょうか、ようやく上段にかかりました。
嵐主任はすでにサングラスをかけ、フラッシュグレネイド三秒式に指をかけた所でした。
僕も慌ててフラッシュ対応の暗視ゴーグルをかけました。
次の瞬間、主任がピンを引っこ抜くと一秒待ちそのまま背後に投げたのでした。
抵抗勢力の居るあたりに向けて……。
長い二秒でした。
閃光が辺り一面を照らし、「ぐわっ」、「目がーっ」、といううめき声が聞こえたあたりで、主任が即立ちあがり横凪のG36カービンをぶっ放したのです。
今ので二人カウントした様でした。
嵐主任が言いました、「抵抗勢力が思ったより多いな。ここは魔物の
確かに嵐主任の足元には、すでに一本目のマグチェンジを行ったと思われる、空のG36のマガジンクリップ二つが落ちていました。もうすでに六十発、撃ち尽した様でした。
「半魔も多いな」ともいわれたのです。
鏡で一応、確認すると二人すでに転がっていました。人型をしていますが、ヒトでは無いようでした。
「さっき統合通信の報告で、検非違使が突入したらしいことは、分っているんだが、ブリッジ横をまだ抜けられていないらしい。かといってこっちから寄ってくと抵抗勢力との撃ち合いに巻き込まれるしな」というと通信機を手に取り通信を開始したのでした。
「左舷ブリッジブロック前方に居る、公安六課突撃隊だ。検非違使の七班へ応援はいるか? 騎兵隊が必要なら、いつでも突撃の準備はできている」といったのでした。
「こちら検非違使七班班長の
「こちら騎兵隊、了解した直ぐに行く」と、通信を一旦切ると「派手に行くぞ。将司付いてこい」というなり主任が通路に飛び出したのです。ブリッジ側に向くと次の瞬間、背後に向かって「スモーク・ナウ」といってスモークグレネイドを転がすとその場に何かを仕掛けたのでした。
よく見ると何時の間にかワイヤーが低位置に張って有り、そのワイヤーに何か四角い塊が設置されていました。銀とデカデカと書かれていますがクレイモアに間違いありません。
「行くぞ将司、騎兵隊のお通りだー!」というとブリッジブロックに向かって走り込んでいったのです。
もう僕も、ついて行くしかありませんでした。
「こちら騎兵隊、
一撃目は、どうやらマジな方の四〇ミリグレネイドが、突っ込まれていたようです。
ブリッジブロック根元で、ミニガンをひたすら撃っていた、馬面の半魔が派手に吹き飛び、ブリッジブロックの根っこが一部破損しました。
左舷側の前方を大きくえぐっていたのです。
その穴に目掛けて、通常のグレネイドが三個束になったものが投げ込まれました。閃光と爆炎が一気に立ち上りました。
フラフラになった半魔が出てきましたが
「左舷クリア」と通信を入れると即座に次の行動に移ります。
ブリッジの直下で前方にあるコンテナブロックとブリッジの隙間に溜まっている抵抗勢力目掛けてM203の二発目をぶっ放したのです。
そのまま、嵐主任がコンテナ側の陰から、G36カービンを突き出して、フルオートで残って立っている者を、撃ち倒していきました。
そこにさらに追い打ちが飛びます。
「グレネイド」というとさっきと同じく三つ束になった痛い方のグレネイドが三秒型で中心あたりに投げ込まれました。
嵐主任は即コンテナの陰に退避し、次の瞬間、
“ッ!! カッ!!! ドゴーン!!!!”
そこに溜まっていた。
半魔で中途半端なヤツラが、大ダメージで海に、投げ出されて行ったのです。
もうそこには何も残っていませんでした。
あるのはコンテナ船の第一甲板に、穴が開く位の威力の痕跡しか残っていませんでした。
甲板に、直径五メートルほどの穴が開いていました。
通行は不可能と思われました。
嵐主任が通信機を取り出しました。
「こちら騎兵隊任務終了! ブリッジ左舷から右舷までは風通しが良くなったっはずだが、調子はどうかな?」といったのです
「こちら長良、騎兵隊ってのはスゲーな、あっという間に片付いたぜ。班長、状況クリアだ」といったのでした。
少し間が開きましたが、前方の方で“ドーン!バンバンバンバババババッバン”と音がしました。
「ありゃぁクレイモアの音だな」と嵐主任が
「引っかかったマヌケが居たらしい」マグチェンジをしながら嵐主任がいいました。
「前方から団体様一組が来るぞ」と牽制でG36カービンを船の前方に向かって撃ち始めました。
僕も比較的大きなボラードに身を隠しながらSIG553を撃ち始めました。
まだ比較的距離があるので撃ち合いという所までには発展しませんが、中距離に居ても弾は飛んでくるのです。
たまにボラードに当って“チュィーン”と弾きます。
嵐主任がいいました。
「さっきから数えてはいるんだが、軽く中隊規模が居そうな感じだな」といったのでした。
「それには同意する」と、斯波班長がいったのでした。
そこに加えます「ウチは接近戦向けだからなぁ、中―長距離は向かんな」と続けていったのでした。
「ではこうしよう」と、M203を再び構えると四〇ミリグレネイドでは無く特殊散弾を一発ほり込んで「シュート」と言いました。
ショットシェルの四〇ミリグレネイド版銀製だったのです。
瞬間的にその辺で跳ねまわり、その一組を消滅させたのでした。
そして同じものを、もう一発M203内にほり込みました。
「これでおなじものがすぐに撃てる」といったのです。
「開発局からもらって来た、試験装備だが、たまには役立つことがあるんだな」と続けたのでした。
そしてワンショルダーを担ぎ直すと。
「行こうか、前方の安全確認に」と嵐主任が言いました。
━━━━━《斯波視点》━━━━━
「しかしもの凄い重装備だな、戦争でもできそうだ」と私が恐ろしいといったふうにいいました。
「そのつもりで来たが、どうやらそれでよかったらしい」と嵐主任があっさりといいました。
「私は公安六課主任、
「将司は最後尾で、バックアップ」と続けていわれたのでした。
将司と呼ばれた隊員が最後尾に回ります。
「私は検非違使、神戸分署八課七班の班長の
「ここには手負いのキマイラが一匹はいるはずなんだが見たかな?」と風祭さんがいいました。
「私が右腕をちょん斬ったんだが……まだ片腕の半魔も見てないしな」と続けられました。
「まだ会っていないな」と私も答えました。
「こちら公安九課特殊作戦チーム、サブリーダーの
「前方まで五〇メートルを切った、がいまだに抵抗らしい抵抗はない」と嵐さんが通信を入れます。
「大型巡視船かぜしま側から、貨物船の前方側に、抵抗勢力は見えないか? もし見えるなら、放水で海に叩き落してくれないか?」と私が言いました。
「かぜしま了解、確認でき次第、放水を実施する」と通信が返りました。
「こちら、かぜしま抵抗勢力は前方に確認できず、ヒトも半魔も誰もいない。繰り返す、船の前方側には光学迷彩で隠れている者もいないようだ。それと貨物船自体が
「各部隊間通信は生きているか?」と、ノイズを発生させている通信機を、チェックしていた風祭さんがいったのでした。
「どのチャンネルもダメだな……」と私も答えました。
「部隊内通信も途絶してるな」と、通信機を
最後尾の将司が、追い付いてきました。
「嵐主任、通信機がイカレました。この霧のせいですかねぇ?」といったのでした。
「その可能性が高いな、霧の発生源は多分この上だろう。作業用の垂直タラップで、一気に上まで登るしか無いな。ブリッジ側に回っている余裕はなさそうだ。このままこの霧を、放置するわけにはいかん」と風祭さんが強くいいました。
「私が最初に上ろう。こういうのには慣れてる。それに大火力が最初に上れば、勝機は見えるはずだ」とも続けられました。
「じゃあ二番手は俺かな?
「班長は三番手で登って来てくれ、ウィルは重そうだから、ラストで頼む。ザイルは
身軽な俺が持って行こう。落下防止のザイルだから、カラビナは使ってくれ。十個ここに置いておくぜ」というと風祭さんの次に登り始めたのでした。
「じゃあ四番手は俺か」と折神さんがいったのでした。
「斯波さんお先にどうぞ」とも続けられました。
「じゃぁ登るか」というと私も登り始めました。
その後に折神さんも続きました。
「では先に上らせてもらいますね、
佐須雅もP100を肩掛けにして、揺れないように固定すると、登り始めたのでした。
その頃、外では。
「各船とも監視体制を緩めるな、内部との通信を取り続けろ! 公安九課のVTOL機が燃料補給のため一旦離脱する。と言ってきていますそれに伴い、指揮権を一旦、かぜしまに移譲するとのことです」といってきたのでした。
かぜしまがそれに答えます。
「かぜしま船長の二等海上保安監
「各部隊が通信に使用している、全てのバンドで呼びかけろ。一言でも聞こえるなら、向こうの情報を探れ、状況が分からんでは何ともしようがない」といったのでした。
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