第5章 リーラとアンデルクの王子

第1話 アンデルクのアンジェラ王女

  2年前 リヴァリオン国城内


 私の名はアンジェラ・デラ・アンデルク。

 アンデルク王国の第1王女だ。


 今日はアンデルクとノーザンランドが共同開通させたトンネルの記念祝いとリヴァリオン皇太子の誕生日を祝う催しでリヴァリオン国を訪れた。

 本来が父が来るべきなのだか、私が無理やり大使として行きたいと無理を言って来たのだ。

 この弱小な国に興味はないが無理を言って来訪したには目的がある。

 ノーザンランドの第2皇子が大使として来るからだ。

 ノーザンランド第2皇子こと、クリストファー・ルシュルツ・ノーザンランドは、私の夫になるのに最も適している男だ。

 何せ私は綺麗だ。この愛らしいつややかピンク色の髪。

 そして、どの男も誘惑されそうになる唇。また、整った美しい顔。どの男もくぎ付けになる豊満な胸。こんな美しい私に最もふさわしい男は、ノーザンランドのクリストファーしかいない。

 兄であるアレクシス皇帝は身体が弱くいつ死ぬかわからないと言われ、実際国を動かしているのは、クリストファー殿下だ。戦場においても負け知らずの強さを持ち、次期帝国の皇帝になる男…その帝国の皇后になるのは私以外あり得ない。


 何度も父にお願いをして縁談の話をノーザンランドに送るがいい返事は全く返ってこないらしい。

 今日こそ本人に会い、なんとしても縁談の了承を得なければならない。

 

 心配事があるなら、リヴァリオン国のローズ王女だ。

 彼女は私と同じ歳で、身体は小さいが顔もまぁまぁ可愛くて胸も結構ある。

 もし、クリストファー殿下が幼顔系が好みなら負けるかもしれない…だめ!弱音を吐いては行けない!絶対に諦めない!!

 

 招待された国なのでエスコート役は、こちらから選べずリヴァリオン国の皇太子にエスコートされダンスを踊る。二人きりになりたいと言われたが軽くあしらい、クリストファー殿下を探す。


 見つけた!


 すぐに声をかけダンスをお願いする。アンデルク国の王女のダンスを断わるなど出来ないだろう。

 ダンス中は、甘えるように声かけ

可愛く見られるように見つめる。

 ダンスが終わり二人きりになりたいと伝えると、素早く逃げられてしまった。逃がさない!


「クリストファー殿下〜。どこにいらっしゃるの?」


どこに行ってしまったの!


 歩いていると噴水が見えてきた。よく見るとローズ王女がいる。横にはクリストファー殿下と同じ黒の正装の騎士服が見えた。

嘘…

まさか…。

 よく見るとクリストファー殿下の家臣のようだった。ほっと安心すると、ローズ王女も落ちぶれたわねと思いながらクリストファー殿下を探すが結局見つけることが出来なかった。


 翌朝、またチャンスがあると自分をふるい立たせ起きると侍女がクリストファー殿下とローズ王女の婚姻が決まったと知らせを持ってきた。


 私は失意のどん底に落とされた。ローズ王女の方が一枚上手だったのだ。


 私は怒りのあまりすぐに国へ戻った。しばらくは何もやる気が起こらなくのんびり過ごしていた。

 リヴァリオン国が滅んだとかつまらない知らせを聞きながら毎日を過ごしていたらローズ王女とクリストファー殿下の破談の一報を受けた。

 私は、顔がほこんだ。

 

 私に好機が訪れたのだ。

 しかし、このままでは駄目だ。私には価値があると見せつけなくてはあの方の目に留まることはない。

 

 大手のレキシントン商家がドレス部門を立ち上げると小耳に挟み、突然押しかけた。話を聞くと、まだまだ準備段階らしく、私の期待してたものではないと諦めた。帰る途中、年配の女性が紙を大量にき散らしているようだ。

「申し訳ありません、手が滑りデザイン画を落とししまいました。」


 私はチラリとデザイン画をみる。

 何?

 この素晴らしいデザインは??


「あなたが描いたの?」

「はい、遊び描きでございます…孫娘や亡くなった娘を思いながら描いたのでございます。」


 私とローリー・レキシントンとの出会いだった。


「私、あなたのパトロンになるわ。

一等地に店を構えなさい。お金は、いくらでもだすわ。あなたの孫娘や娘もきっと喜ぶわ。」


「あっ、ありがとうございます。」

ローリーは、涙ぐみ私に何度も頭を下げた。


 彼女の作ったドレスを着て私は、社交界の話題の的だった。

 ローリーは、あらゆる年代のドレスを展開させていたのでお母様もドレスに興味を持った。王妃、王女が宣伝柱になってしまえば瞬く間にドレスは有名になった。

 芸術の国アンデルク。ローリーという新進デザイナーを見つけ出し、その名を知らしめ、服飾業界に旋風を吹き起こしたアンジェラ王女は素晴らしいと絶賛された。

 みな、もっとわたくしを称賛しなさい。北の国まで噂を広めるのよ。


ノーザンランドへ行くわよ。

皇后の座は私のものだから…





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