幕間

    ゾーン国 神殿


 どんよりと曇る空にひときわ白亜の神殿が目立つ。ゾーン国の中心地にある民があがめるアクアリディア神殿。

 

 白い外套がいとうを頭から被った男が紫色の髪の女に問う。


「久しいのう、サンドラ。彼の国を治めた久々の凱旋がいせんかのう。」


「ご機嫌麗しうございます。教皇様、枢機卿様。進展がございまして報告に上がりました。」


「さて、報告を聞こうか。遊んでいたと噂があったが仕事をしとったのか。」


「もちろんでございます。私は我が君の忠実なしもべでございます。」


 サンドラは何も話さない白いカーテンの先にいるであろう教皇に告げる。


「教皇様がおっしゃった秘密文書らしき物は見つけることはできませんでしたが王の部屋に隠し部屋があり、歴史書が残されてございました。歴史書には初代王のラクラインについて銀髪、青い瞳と記載がございました。確か第3側室が産んだ王女がそのような身なりであったことを思い出して…」


カーテン先から声がする。

「そして、王女を連れてきたのかい。」


「申し訳ございません。王があまりに王女と身なりが異なると怒り、側室の不貞を疑った挙句、王女を側室の生家に帰らせておりまして…先祖返りだと気づいた時にはリヴァリオン国にはおらず混乱を機に逃げたようで…」


「サンドラ、報告を怠ってたのか?

王女の話聞いてなかったなぁ。枢機卿、サンドラを殺せ。」


サンドラは怯えた声を出す。

「お待ちくださいませ。私も手を打っております。ローズ王女が連れ出しと思われ、私の諜報部隊がノーザンランドに隠れている王女を発見したと報告がありました。」


「ふ〜ん。ノーザンランドねぇ〜。

そういえば、あの気配はノーザンランドからだから間違いないかな。

まぁ、殺さず連れて来てよ。」


「もちろんでございます。かならずや王女を教皇様の元に連れて参ります。」


「あははは、期待して待ってるから。」


「必ずや。」


 カーテン越しの教皇は、枢機卿に手を挙げた。


 枢機卿は剣を出しサンドラの喉に剣を当てる。


サンドラの喉から血が流れる。ポタ、ポタ、ドレスに落ちる。

「ぎゃあー、お許しを。」


「次、報告をおこたったらわかってるね。

くっくっく。おまえ、勘違いするなよ。

あの国はおまえのものではないからね。

あれは、《《わたしのもの》だ。

あの国はリヴァリオンではない。

国の名前を早く考えないといけないな〜

この女、目障りだ。連れていけ。

 金にくらむと年増は使えない。

若い方が扱いやすいね。 

枢機卿よ。次、失敗したらサンドラは殺せ。」


「御意」



「まぁ、心配しなくても近いうちにきっと会えるよね、王女さま〜。」


 くっくっく。静かな神殿に笑い声だけが響いていた。

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