第4章 別れと新しい旅立ち

第1話 奇跡が起こったノーザンランド

 窓からまぶしい光が入る、朝が来た。いつもと変わらない朝。

 しかし、私にとっては何かが始まる新しい朝のように感じた。

「おはよう、父さん。」

「おはよう、リーラ。珍しく早くないか?今日、雨が降るのか…」

本当に失礼だなぁとプクッとふくれていると人差し指で膨れていたほほつぶされた。にかっと笑い父さんが朝食にしようと言った。父さんはいつもと変わらないようだ。でも、変わったような気がする。何か吹っ切れたような、そのせいか表情がさらに優しくなったようだ。



 今日は時間に余裕があり学校に早めに到着する。教室に入るとルディが手を振ってきた。

「おはよう、リーラ。今日早いね。」

「おはよう。早起きは三文の徳っていうからね。」

「あはは、明日も続けばいいね。」

まるで明日は来るのが遅いように言われている…多分そうなるかも…


「おはよう!リーラ!」

テンション高っ。誰かと思い振り返るとルマンドだった。

「おはよう…」

なんだか今日はいつもより笑顔がまぶしく感じる。周りを見ると私と同じように感じているみたいだ。

「ルマンド、今日元気だね。」

「あぁ。今日の朝、早馬で連絡が来たんだ!父上の呪いがとけたんだ。体調もすこぶるいいらしくて。なんだか僕も久しぶりに良く寝れたよ。なんでも陛下の呪いもとけたらしいよ。」

話が聞こえたクラスの子達が集まってきた。

「えっ、本当なの?」

「良かったじゃないか?!」

「奇跡が起こったのか?!」

みんな片手を挙げて

「ノーザンランド!

我らのノーザンランド!

無敵の黒獅子!イェーイ!」

と声をそろえて叫び出した。

私も合わして、イェーイ。


私のジャケットの内ポケットに納めている短剣さんが

『我らのおかげだけどな。』

と主張をしても誰にもわからないよ。


 昨日は本当に色々あったなぁ。

 長きに渡りノーザンランド一族を苦しめていた根源はリヴァリオンの精霊のせいだった。リンダ様のために苦しみ呪い続けた精霊のフローラルをかえせて良かったけどね。

 突然ふと昨日のビル隊長を思い出す。本当にしつこかったよ。確かに一応は義兄になるけど「おにいさま」と呼べなんて。そもそも、私は捨てられた人間なのに家族と一度も思ったことのないローズをどうして姉と思わないといけないんだ!「おにいさま」なんてに呼んでやらない。なんかイライラしてきた、机を指でコツコツ叩いているとシャルケ先生が入ってきた。

「お前達、外まで声が聞こえるぞ。静かにしろ。早く座れ。

今から卒業後の配属希望用紙を配る。第3希望まで書け。希望は一応配慮するが希望通りにはならないからな。今配るからすぐに書けよ。」

 いよいよ卒業後は配属部隊で仕事するんだ〜。

もちろん希望は…


    第1希望 (4番隊)

    第2希望 (4番隊)

    第3希望 (4番隊)  

    名前 リーラ・ハントン


出来たー!

ふん、ふん、ふんと上機嫌で提出する。

「仮部隊訓練の説明をするぞ。まず1か月帝都部隊で実地訓練した後、1か月皇宮警護の実地訓練だ。10名の班を決めるぞ。」

 誰でもいいとのことなのでアデルやルマンド達と一緒の班になった。

「仮部隊訓練中は授業や鍛錬はない。もし話し合いや反省会などで学校に来る時は必ず私か他の先生に声をかけろ。では、2か月間は学校はないから現場でしっかり学んでこいよ。

 あっ、アデル、リーラ、くれぐれも暴走するな!迷惑をかけるな!」

みんなが大笑いする。ひどいじゃないか⁈アデルはともかく私は暴走しないのに‼︎

「先生!暴走しているのはいつもリーラです!僕は止めていまーす!」

「アデルひどい!アデルの方が暴走してるでしょ!!」

先生は話を変えるように、

「あー、そうだ!野営訓練の班はこちらで決めた。廊下で張り出しているから確認して帰れよ。明日の集合は学校じゃないぞ!第3番隊の詰所だ。間違うなよ。じゃあ、今日の授業を始めぞ!」


 授業後、私達は野営訓練の班を確認をして驚愕した。


キース組  ベンジャミン

      ロバート

シャルケ組 アデル

      リーラ


みんながこそこそ話す。

『優等生が問題児と組まされてるよ。

ベンジャミンとロバート大変だな。』


 ベンジャミンはウィンターニア侯爵の息子。ロバートはハイベルク公爵の息子でどちらも将来有望な優等生だとみなが話している。問題児って私のこと⁇私だって毎日頑張ってるのに〜

誰が問題児だよ!見てろよ!私が優等生な所を見せてやる〜





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