第13話 解き放たれる運命の鎖1

「300年前、リヴァリオン王国には精霊と人が共存する国でした。精霊は人を助け大変豊かな国だったのです。


 アーサー王の治世に3人の王女がいました。第1王女リンダ、第2王女リズ、第3王女リーリラです。歴史上にはリズ王女、リズ女王の名しか残っていません。

 ある時、ひとりの町の人間が国の外を見てみたいと山を越え違う国へ向かいました。その途中賊に捕まり国の情報を渡してしまったのです。リヴァリオン王国の第1王女は不思議な癒しの力を持ち国1番の美貌を持っていると。賊達は第1王女に興味を持ち山を越えリヴァリオン王国へ向かったのです。ちょうど開発段階にあった魅惑の実と共に。

 賊達は難なく国に入れました。国は平和そのもので賊の存在など知らないのも同然だったのです。

 狙われた第1王女には将来を誓いあった騎士がいました。その騎士は彼女の王配になるため騎士団長も任され婚儀を迎える前でした。王女と騎士は2人の時間を過ごすために逢瀬で使う湖の東屋に向かいました。しかし、その場所は賊の罠が仕掛けられていたのです。精霊達の警告を無視し東屋に向かい罠にかかったのです。魅惑の実の香が焚かれ騎士は意識を失い王女を奪われたのです。

 気づいた時にはすでに王女は賊に攫われ、王女を必死に探し出しましたが発見したのは5人の賊に襲われた後でした。

 王女には花の精霊フローラルの加護がありました。生まれた時に薔薇の花びらが舞い散るほどフローラルは彼女を愛していた。しかし5人の男達に襲われる王女を見てフローラルは自分自身の力を使い賊を呪い殺そうとしたんでしょう。

 騎士が王女のもとに駆けつけた時、賊達は呪われ苦しんでいる最中でした。騎士は自分の失態を悔やみ彼女の元には行けず賊を殺す事を優先させてしまいました。その間に王女は騎士の対なる短剣で自害したのです。

 結局、騎士は最愛の人を失い、5人の賊の1人も逃してしまいました。王は命令しました。賊1人の追跡と周辺国の諜報活動の旅に出るようにと。その騎士は10年ほど旅に出ていましたが結局賊1人を見つけることが出来なかったのです。

 王から国を開国するので帰還するように命令が来ました。ちょうど騎士はノーザンランドにいたためサウストップ山から山越えで国に戻りました。リヴァリオン国へ帰る途中に大きな竜巻に巻き込まれその愚かな騎士は300年後の今世に落とされたのです。


 その愚かな馬鹿な騎士の名前はダリル・ハントン。私のことです。」


皆が顔を見合わせ驚愕している。


「ひっく、ひっく。」

リーラはダリルの過去を改めて知り次から次へと溢れる涙を抑えるのに必死だった。


「おまえ…馬鹿か。300年前って…ありえないだろう。この時代に飛ばされたなんて…」

ハルク総隊長が呟く。

「精霊って…」

ビル隊長も信じられない顔をしている。


「私が見るあの悪夢はリンダ王女の襲われた光景だったのか。

つまり、その逃げた賊は私の先祖なのですね?」

クリストファーはじっとダリルを見つめた。


「「?!」」

ハルクとビルは、クリストファーの悪夢の内容が一致したことに驚いたのだ。






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