第12話 呪われし男の願い
私達は帝都から馬を走らせノース山脈にあるマヤラク山に向かっている。
私と父さんはたまの休日は馬を走らせ薬草採取に向かう。水が綺麗な川が有ると噂で聞くと実際足を運び質の良い薬草を探しに出かける。もともと父さんも精霊から薬草を教えてもらっていたがより知識持ちが現れたのだ。その功績者?功績剣はエクストリアだ。
『我は薬草に詳しいぞ。前の持主が薬草研究をしていたからよく覚えている』
ダリルさんもこれは助かると教えを乞う。薬草を乾燥させて粉状にして配合すると色々な薬へと変化する技を教えてくれる。剣のくせになかなかの博識ぶりを私達に披露したのだ。精霊がいる森、特に水が綺麗な場所に生活するらしく、精霊達がさらに効果を付与させている薬草もありエクストリアがすぐに教えてくれる。すごいねーと褒めるともっと褒めろと調子の乗ってくる。
今日、私の腰には大剣として擬態化したエクストリアがいる。いつも短剣だけどね。エクストラには紋章がついている。太陽と月の印だ。これは光の精霊王が初代王に光の加護を与え光を表す太陽と月を初代王が国の紋章に決めたそうだ。父さんの剣にもその紋章がある。太陽と月と薔薇の花だ。しかし時代と共にリヴァリオンの紋章の意味は忘れさられ紋章も変更されたらしい。私が言うのもなんだけど簡単に歴史ある紋章を捨てる先代の王はちょっと馬鹿だと思う。
剣のエクストリアに念話を送る。
『紋章捨てたなんて馬鹿な王と思わない?』
『そうだな…馬鹿そのものだな』
『なんだか今日テンション低くない。』
『低くもなる。なんであれがいるんだ。まぁ、いい。今日は特に気を引き締めろ。一戦あるかもしれない。』
えー。やだ。私は、ちらりと前を走る黒ローブを来た男性を目にやる。
確かにあれがいるから襲われるかもしれない。確かに実戦あるかもしれない。はっ!あれとか言ってしまったらまた不敬にあたると注意されてしまう。気をつけなくては。
私達はマヤラク山の麓にある村についた。村に着いた私達は馬を預けて森にはいる。村の人達は私達をチラッと見る。そりゃそうでしょ!
前には、金色の髪を
「こら!リーラ!ちゃんと気を引き締めて我々の背後を警護するように。」
ビル隊長に私の邪な心を読み取るように注意した。
「はい、すみません。」
一応謝っておこう。
「まぁ、いいじゃないか。恐らく私達がリーラを守らないといけなくなるからな。」
と陛下に笑われた。つまり、私は弱くて役に立たないのか。ガーン。
『あんな奴の言うこと気にするな』
とエクストリアに励まされた。よくわからないがエクストリアは陛下が好きではないようだ。
森の中はすっかり紅葉していた。うわーぁ、綺麗だと声を出すと陛下が本当に綺麗だなとにこりと笑い声をかけてくれた。こんなに近くて陛下の横顔を初めてみた。綺麗な顔立ちで13歳から戦場で戦い続けた血に塗られた黒獅子と恐れられている人物に見えない。けれどこの黒靄はその殺した数を身体に受け止めているのかなぁとじっと見つめていると、どうした?とさらに顔が近づいてきた。はっと気がつきなんでもありませんと素早く離れた。
また、みんなに不敬とか言われて怒られてしまう。今日は頑張って気をつけるように父さんにも言われている。牢獄になんて入りたいない!!
父さんは皆に薬草の説明をしている。この時期は木の実にも薬になるものがあるらしく説明をしているとビル隊長がメモを取りながら話を聞いていた。陛下も横で自然の力は神秘だと関心している。ハルク隊長はただのどんぐりだと思っていたと木の実を次々に早速握り潰していた。
川が流れている所まで歩き大きな石があるので休憩することになった。
川の水でお湯を沸かしお茶を作り皆にに配り終えたタイミングで陛下が父さんに話しかけた。
「ダリル、いやダリル殿。あなたにお願いしたいことがある。」
「はい、どうされました?」
ビル隊長もハルク総隊長も改まる陛下を驚いた様子で見つめている。
「知っていると思うが我が一族は呪われている。貴殿は大変博識家だ。この呪いを解く方法があれば教えてほしい。」
「……。」
陛下は、真剣な眼差しで父さんを見つめている。
「もし、もし、呪いが解けたら私の願いを叶えてくれますか?」
「おい、ダリル?!」
ハルク総隊長は父さんの言葉に驚き声をかけた。
ビル隊長の顔も引き攣っている。
「ね、ねがいとは何なんだ?」
「私はもう長くありません。
どうか、リーラを利用せずノーザンランドの庇護のもと守り抜いてほしいのです。」
「あぁ、娘のことか…私の名にかけて娘を守ろう。」
「…ありがとうございます。できるかわかりませんが呪いの解呪も努力しましょう。その前に私の昔話にお付き合い頂きましょう。あなたは聞かなければならない。」
父さんは、陛下をじっと見つめ話し始めた。
「300年前、リヴァリオン王国には精霊と人が共存する国でした。精霊は人を助け大変豊かな国だったのです…」
「300年前?」
「精霊??」
とみな顔を見合わせて驚愕したのだった。
ダリルは一呼吸あけ話を続ける。彼の昔、昔のお話を…
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