第3話 ダリルの授業

今、体術の授業中。

私は、宙を舞っている。

「ぎゃあー。」

ドタっ。

「いてて…」

あのおっさんまじ放り投げたよ。

「ばかもん!リーラ!受け身を取れ。真面目にやれないと実戦なら死ぬぞ。」

周りに殺気オーラ漂う父さんが言い放った。怖い…痛いからしれっと光の力で治す。よし、復活。


『まだ投げてもらえるな。くっくっく。』

訓練場に置いた上着のポケットにいるエクストラの念話が響く。人ごとだと思って、剣の癖に〜。

「次!!」

「よろしくお願いします。」

ルドルフが頭を下げる。手を組み合わせるが一瞬の猶予も与えずダリルはルドルフの手を取り投げ飛ばす。しかし、ルドルフは身体を丸め受け身を取り着地した。

おーっ!パチパチと歓声か沸く。

「ふっ。ルドルフ、しっかり受け身が取れてるな。みんなもルドルフを見習えよ。さぁ、どんどん来い!

次!」

「ひょあー。」

ありゃ〜、次の人は、また宙に投げ飛ばされていた。


 私達シャルケ組は、そのまま同じメンバーで2年生になった。顔馴染みと共に学べて嬉しい。ラディリアスは、あの事件で退学になりシャルケ組は1人減っただけだ。反省したらしいラディリアスは今回の騎士候補生試験を再び受け直すそうだ。

 

 えっ?なに?私が女とわかってシャルケ組の子達の態度がどうなったのか知りたいって?

 教えてあげるよ。平民の子達は驚いたよーとか男にしては可愛い顔だったもんなとか声をかけてくれ、みな変わりなく接してくれている。しかし、問題は貴族の子達なんだ。悲しいことにみんな目を合わせてくれないんだ。みんな、なぜか目が合ったら下を向くんだ。ルマンドと話す時はたまに顔が赤い時がある。

「今日レモンの匂いー。」

アデルが私の髪の匂いを嗅ぐと貴族の子達が一斉に見るんだ。羨ましいとか聞こえたりするけど別に髪の匂いくらい嗅いでもらってもいいけどな。


 次の授業は、マナーだ。騎士としてパーティに参加することもあるのでダンスのレッスンは必須だ。

 今まで男性パートしか練習してこなかったけど先生が女性パートも練習するように言った。

「いち、に、さん。いち、に、さん」

 今、ルマンドに相手をしてもらい練習中。リードが上手だから踊りやすい。

「リーラ、前を見て。足を見たら駄目だよ。」と笑いかけてくれた。私は、びっくりした、あれ?ルマンドって笑えるようになったんだね。

「ありがとう、ルマンドは踊りやすいよ〜。みんな、私と踊るの嫌がるからね。」

「あははは。みんな体術で疲れてるからね(さらに足踏まれたくないからね…)」

何か言った?と首を傾げて見つめたらルマンドは、赤面した。

「大丈夫??顔赤いよ?」

「あぁ、大丈夫。」


「あれ、無自覚だから怖いわ…」

ロックが言うとアデルもウンウンと同意した。


 マナーの授業が終わると今日は2年生は騎士本部へ移動する。

 通称黒獅子棟。ノーザンランドのシンボルは獅子だ。騎士団の騎士服が黒色なので黒獅子隊と呼ばれている。

騎士服が黒色なのは返り血を浴びた時目立たないからだ。常に貴い装いでいることが大切なのだ。

 黒獅子棟は黒色の石造りで出来た建物でその正面には、広大な鍛練場が広がる。私達が向かっているのは、騎士達が、作戦会議などに使われる大会議だ。

 今日は大会議で授業だ。先生はもちろん父さんだ。


 今まで騎士学校で習っていた内容は、古くて間違っていることがわかり現役騎士達も習い直す為に集まっていた。300人収容できる会場は満席だ。


「では、今日はナターシャ国についてだ。立地わかるもの。」

「はい。」

「じゃあ、どうぞ。」

「はい、ゾーン国の横、ナータ川に接している南にある細長い国です。」

「そうだ、この国について皆、習っていないようだからな。この国は高い山脈を持ち北部地方はぶどう栽培がさかんだ。ナターシャのワイン飲んだことないか?かなりうまいぞ。子供達は酒が飲めないからぶどうジュースだ。紫色ですごく甘いぞ。また、南部地方は海があるから海産業もさかんだ。ナータ川のおかげで水があるから作物栽培で全く困らない。大変豊かな国だ。

 この国の軍事力についてかなり高い。理由は、国の全ての16才から18才の男に兵役義務があるんだ。川を挟んできな臭いゾーンがいるから常に国防を強化しないといけない由縁だろう。つまり、何かあったらすべての男は戦えるということだ。」


みながはぁー、すごいなぁとノートを書きながら納得している。


「じゃあ、次の国はリヴァリオン国だ。最近占領された国だ。歴史と占領された経緯を説明していく。

あぁ、気にするな祖国だがこうなる運命だった。では、なぜこうなったのかだが…。」


 父さんの説明はわかりやすかった。

私は、少し胸が痛くなった。昔は、賢王が多く国政や外交も上手くやっていたが子孫まで続く事はなかった。先祖が築き上げた財を食い潰したのだ。先代の王とゾーンの取り決めでゾーンの将軍の妹が嫁いできた。それを良く思わなかった私の父である王が次々に側室を持ち、王妃や側室達がこぞって着飾り国庫まで手をつける酷い状況になったのだ。このため保安面を削減しなくてならず弱い国に成り下がってしまったのだ。


「この棟に掲示板を設置した。周辺国情報はすぐ変化する。新しい情報が分かり次第公表するからしっかり目を通すように。新しい情報は常に自分の武器となること忘れるな。今日は以上だ。候補生は掃除後鍛練だ。しっかり柔軟体操しとけ」


はい!と会場の全員か返事した。


 鍛錬時間は父さんに相手してもらおうとたくさんの人達で集まった。騎士候補生の練習の場なのにほぼ現役騎士の溜まり場と化した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る