第13話 王妃サンドラ

ようやく解放される。

全く長かったわ。


 王と王妃部屋は、続き部屋だ。通常閉ざされて鍵がかかっている。あらかじめ奪っていた鍵で開けて中に入る。

 部屋には、王と第5側室がいた。彼らの口に手を当てると息はしていない。毒が効いているようだ。こちら側になった侍女がうまくやったようだ。

私は、笑いが止まらなかった。




 20歳の時に教皇様に呼び出された。「サンドラ、リヴァリオン国に嫁いでほしいなぁ。あの国、そろそろゾーンにしちゃおうかなぁ。

そうだ、秘密文書あるかもしれないし探してきてよ。期待してるよ。」


「教皇様の仰せ通りに。」


 教皇様の命は、絶対。自分の心を殺して嫁いだ。

 案の定、王と私は、夫婦としての関係はなく、白い結婚だ。

 次から次へと城に入る側室達も子を産んだことで私に優越感を感じているようだが、愚かなことよ。彼らはいつか殺す存在、敵なのだ。

 国全体が私の事を招かざる人間として扱った。まぁゾーン側に染めるなんて容易いことだ。じわりじわりと金を使いこちら側にさせた。


 長年、命令の秘密文書を探したがなかなか見当たらなかった。そんなものないのではないだろうか?あるとすれば私が入らない王の部屋だろうか。


 気がつけば20年経っていた。城内は、ほぼゾーンの手にある。ななかなかうまくいかないもので私の兄が側室の娘のローズを気に入ってしまった。妻、妾が沢山いる癖にと呆れてしまうが、あの子娘は、18になったら無理に既成事実でもつくらせゾーンに送ってやろうと思った。

 しかし、まんまと逃げられノーザンランドが介入してきたのだ。

 焦った兄は、教皇様に頼み込みリヴァリオンを攻める許可を得た。教皇様は、面白がり花嫁姿のまま奪えばノーザンランドは、どうするかなぁとローズの輿入れ日に攻めることが決定した。

 これがまた誤算だった。

 ローズは、城内の食事に睡眠薬を入れ、輿入れ前に脱出したのだ。あの子娘なかなかやるわ。すぐさま国に報告すると、兄が飛んでやってきた。兄の怒りは尋常ではなく、腹いせに王族を皆殺してしまった。全く短気な兄には、呆れる。私は、この国の女王になるんだから、あまり城を汚してほしくないわ。

 私は、ようやく王の部屋に入り文書を探したが結局見つからなかった。


 国にゾーン兵士を、侍らせしばらくたった頃、使用している王の部屋で寛いると窓を閉めているのに冷たい風の動きを感じた。

 風の動きを探り、私は、本棚に近づいた。まさか…

兵士に棚をどかすよう命じと本棚を移動すると、下に続く階段があった。ろうそく片手に下に降りると一冊の本があった。


 本の内容は、全くのお伽話の内容だ。しかし、光輝く銀色髪で紺碧色の瞳の王の記載部分がなぜか気になった。私は、何か見落としている?


 そう言えば、昔王が追い出した第3 側室の子は、銀髪で瞳が青色だったのでは…


「ふふふ、あはは。」

狭い部屋にサンドラに笑い声が響く。

そして囁いた。


見つけた…

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