第11話 ロンの生還

ヒュ〜パン

ヒュ〜パン

夜空に山から花火が二発上がる。

「発見された合図だ。良かったなぁ。」救援騎士達が喜ぶ。

山小屋に居た者は、安堵した。

「ルマンド、よかったな。」

「あぁ、アデル。本当に良かった。」

2人は、お互いを抱きしめ合った。

下山した友人達も大いに喜んだ。


翌日の朝、先生達と救援騎士達が下山して来た。

その中に銀髪の少年が現れた。

「「「ローン!!」」」

クラスメイトがみな彼の元に訪れた。

「みんなーごめんね!心配かけて!」

「心配したんだぞ!」

「本当に良かった。」

少年達は、ロンの横にいる大男が気になったが、お互いの無事を喜び抱擁し合った。




「あの赤髪のバカどこにいる?」

僕は、アデルに聞くと、

「山小屋の中…」

アデルは、怒り気味に言った。


山小屋に入り、赤髪を見つける。

「やぁ、ラディリアス。よくもやってくれたな。地獄から戻って来てやったよ。ほらよ!」

赤髪の襟を掴み思い切り頬にパンチした。

「死んでなくて残念だったなぁ。」

馬乗りになり、もう一発パンチした。

「僕、簡単に死ねないからねー。」

もう一発パンチした。

「やめろ!!止めるんだ。」

ダリルさんが止めた。 


ラディリアスは、口が血を出し、うわ

ぁーんと泣いた。

ロビンソン学校長も間に入り、僕に落ち着くように言った。そして、ダリルさんにこの度は、本当に申し訳なかったと何回も謝っていた。

「今回の件は、必ず処罰を与えるのでロンもお父さんも堪えて頂けますか?」


僕は、ラディリアスに指を差す

「処罰で許されると思うな!お前は、一生俺の下僕決定だ!!」

すかさず、ダリルさんが僕に拳骨を入れた。

「いてぇー。」


その場にいた一部の者が思った。

20年前に似たような事があったなぁとロンが幼いキャサリンに見えたのだった。


「ラディリアス!!!どういうことだ。」

勢いよく大男が入ってきた。

第5番隊隊長ラモントがさらにラディリアスを殴った。

「おじうえー。うあーん。」

「ユーリアム家の名に泥塗りおって、もうわかっておるな!!!

この度は、皆本当に申し訳ない。関所に戻る途中、救援信号の花火上がったので来てみたら、ロン、本当に申し訳ない。それで隣の方は…」

「僕の父です。偶然落ちた場所にいて、おかげで助かったんです。」

「それまた、奇遇な。ラディリアス、ロンの父君に感謝せよ。誠にこの甥が申し訳ない。必ず処罰を与えるので、」

「大丈夫です。こいつ、俺の下僕決定なんで。」

ゴキっ。再びダリルさん拳骨が僕に落ちた。

ダリルさんがラモント隊長に頭を下げた。

「申し訳ない、息子の口が悪く、お許しくだされ。」

「いやいや、そのセリフ大分前にも聞いたような…

改めて謝罪に参る、申し訳ない。

立て!ラディリアス!こいつを縄で縛れ!」

縄で縛られた赤髪は、ラモントに連れ去られた。


ロビンソン学校長が皆に伝える。

「無事ロンの安否も確認できた。このまま各自実家に帰るものは、帰ってよろしい。新学期にまた、待っている。帝都まで帰るものは、昼食後出発す

る。

 ロン、汚れを流して来なさい。

父君も是非是非是非ご一緒にどうぞ。」

「「ありがとうございます」」

是非を三回言ったよ。学校長が風呂に進めるのもわかるけどさぁ。

ダリルさんどう見ても汚いおじさんだからな…


 その後2人で汚れを落とした。ダリルさんは、見張ってやるから先に入れと言った。ダリルさんが入ってる時に騎士の予備服を学校長が用意してくれた。さすがにあれは、ぼろ雑巾だしなぁ。服を用意していると伝えて外で待っていると、ダリルさんがら出て来た。


「?!」

びっくりした。ふさふさした金髪は、一つに縛られ、髭も剃られた顔は、彫りが深く、整った顔立ち。チリルさんが恋に落ちたともわかる女性が好きそうな顔だと思った。鍛えられているであろうと思われる身体つき。しかも、でかい。僕は、見上げた。

「別人かと思ったー。男前になったよ!それに鍛えてる?」僕は、身体をバシバシ叩いた。

「まぁね、一応騎士団長やった時もあるから。」

「?!すごい!!」

この人何者なんだろう。


 ダリルさんを連れて食堂に行くと皆驚いた、あのぼろ雑巾おじさんから男前おじさんに変わったからね。長袖白シャツからも鍛えられた身体がわかる。

「良かったな。父さんに会えて。しかし男前だなぁ…身体すごくないか?騎士?」アデルがぽけーっとダリルさんを見ながら言った。

「そうみたい…」

「お父さんに会えて良かったね。」

「うん、ルマンドありがとう。」


 昼過ぎ帝都に向けて出発だ。僕は、アデル達と馬車に乗った。ダリルさんは、学校長とシャルケ先生達と話があるからと違う馬車に乗った。

 僕達、登山の疲れですぐに眠くなってしまった。


「では、詳しくあなたのことをお伺いしてよろしいでしょうか。」

学校長が聞いた。

「はい、私の名は、ダリル・ハントンといいます。リヴァリオン国の騎士でした。(→嘘は言っていない)

長年、国から命じられ周辺国に諜報活動を行なっていました。(→嘘は言っていない)

国に帰還命令が出たので戻るとゾーン国の兵士がいたので身を隠していました。(→嘘は言っていない)」

「偶然にロン君とあったんですな。失礼ですが、かなりの手練れとお見かけする。しかし、リヴァリオン国には、あまり武芸達者な騎士がいないとき聞きましたが?」

「おっしゃっる通りです。年々騎士の質は、下がる一方です。怠慢な騎士団に嫌気もさし諜報活動をしていました。(→嘘は言っていない)

実は、短期間ではありますが、騎士団長も務めていました。(→嘘は言っていない)」

「しかし、ロン君の父君と聞きましたが歳が離れてませんか?」

「いやぁ。実は、お恥ずかしいですが同僚の娘さんで20歳以上歳の差でして

…(すまない、バーバラ。アレクお前の孫のせいだ。)」

「?!これまた失礼しました。これからどうするのですか?」

「リヴァリオンには、戻れないのでこちらの国で仕事を探そうと思います。」

「上層部にも確認しなければならないのですが、騎士学校で教師にならないですか?恐らく私から見ると隊長クラスの実力の持ち主でしょう。各国の情報に精通されている。上層部も周辺国の情報は、喉から手が出るほどほしいですから。」

「雇って頂けるのですか?!諜報情報は、勿体ないからノートにまとめたんです。私は、いらないからあげますよ。」

「?!

是非よろしくお願いします。上層部に掛け合いますからしばらく騎士候補生寮でロンと過ごしてお待ちください!」

「ありがとうございます!

あと、実は、もう一つありまして…

これがかなり重要でして。ロンは、亡命するための偽名でして…」

「?!」

「実は、息子ではなく娘なんです。名はリーラと言うのです。騙して入学したことは、申し訳なかったと思います。何せ、祖父母も焦って渡した身分証なのです。我が家系は、騎士なので腕は、間違いありません。どうか騎士学校を続けさせて頂きたいのです…」


「女の子だったんですか…」

学校長達は、唖然としたのだった。




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