第8話 ラディリアス

 あの銀髪、本当に腹立たしい。


 平民の癖に貴族にあのような態度許せない。

 兄上と平民に罰を与えている最中、あいつは、平民を庇い僕に逆らうなんて許せない。

 あの後、尊敬する叔父上にも怒られ、殴られた。

 

 なぜ、僕が??

 


 納得できないまま日々が過ぎ、僕は、クラスから孤立していく。

 

 全てあいつのせいだ。

 

 剣大会でも痛い目に合わせてやろうと思ったら僕に恥をかかせて!

 叔父上からもがっかりされた。


 兄上はなぜかいじめていた平民と和解されていた。

 

 僕は!僕は!

 あいつさえいなくなれば…

 以前のように戻るはずなんだ…





「おい、俺の手袋を踏むなよ。拾えよ。」

「えっ?どこ?」

 雲が山に当たり一面視界が悪くなった。


 今だ。

 どすん。

 そして僕は、あいつを突き落とした。



「あれ?ちょっと待って!ロンがいなくないか?」平民が言い出した。

 ルマンドが、尋ねた。

「ロンが確か1番後ろにいたはず、ラディリアス知りませんか?」


「いや、後ろに着いて来ているはずだが?」

僕は、しらばくれた。


「おい、おまえ、ロンに何かしたんじゃないか?」

平民がこの私を罵倒する。なんて失礼な奴だ。

「平民!無礼だぞ!」

僕は、平民を怒鳴りつけた。


後ろから来た班がこちらに追いついた。

「さっき、悲鳴みたいなのが聞こえたが大丈夫か?」

「アデル!ロンがいない!」

平民共が僕を睨む。


「アデル、霧が出てきました。ひとまず、至急下の小屋に下山して先生に伝えましょう。僕達も遭難しては大変です。」

ルマンドが落ち着いて皆を説得させた、さすが貴族だ。

 そしてルマンドは、僕を睨みつけて言い放つ。

「ロンにもしもの事があったらフォールドの名をかけてあなたを潰しますからね。」


僕は、背筋に寒気が走った。


 先生達が待機している小屋まで降りると、あいつらが騒ぎながら先生に報告する。


「君達は、過酷な訓練で疲れています。こちらで休憩取れたら力のあるものは下の山小屋まで降りなさい。誰か余力のあるものはすぐに下山して山小屋にロンの遭難を伝えてください。」

シャルケ先生が言うと、平民の1人が

「俺が行きます!」

「アデル助かるよ。」

「私も行きます。」

「ルマンドもか。2人の方が安心だな。無理するな。こちらも緊急事態の花火を打ち上げるから各自待機の先生も気付くはずだ。もし途中で誰かに会ったらこの事を説明してくれ。

今、下山したものは、休憩を取り山小屋に戻れ。先生達が探すから安心しろ。


さて、ラディリアス、少し話しようか?」



周りが皆俺を見た。


俺は、悪くない…




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