第9話 精霊の泉へ

「うわぁー!!!」

崖から落とされた!

急降下する!

死ぬー!!!


光の粒が僕の周りに集まる。ひゅーと風が吹きふわっと僕を包み込む。ゆっくり下降し、そして、僕はお尻からぽすんと落ちる。

「いたたー。」

僕は、お尻をさする。遥か上にある頂上辺りを見上げる。あの絶壁から落とされたのか…よく生きてたよな。

「きっと君達が助けてくれたんだろ?」

僕の周りを飛ぶを色取り取りの羽を持った人のような生き物に声をかける。落ちると思った瞬間、ふわりとした風に包まれた気がした。


「あの崖を戻るのは、無理だなぁ。君達、道教えてくれる?」

いいよ〜と言っているように僕の周りを飛び誘導してくれてる。

「でも、腹立つー、あの赤髪!帰ったら絶対ぶっ殺す!連打パンチをくらわせてやる。」周り飛んでいる生き物は、僕の殺気で皆ピタリと止まる。

「違う!違う!僕を突き落とした赤髪だよ。腹立たない??」

生き物達は、そうだ!そうだ!と同意してくれてるように手をあげてくれた。

 生き物達について行くと、ふと僕は気づいた。山を下ってないか?今まで木なんてなかったのに。今気付くと森の中だ。まさかリヴァリオンに向かっているんじゃ?!しまったー。無我夢中でついて行ってたから迂闊だった。

生い茂る背の高い雑草をどけながら進む。

「君達大丈夫なのかなぁ?」

僕が声をかけると大丈夫と言われているようだった。

やがて、今まで太陽の光が入らない森だったが広い空間にでた。


 その奥に泉らしきものが見えた。その澄み切った泉に樹々からの溢れる太陽の光が差し込み美しく光り輝く。

 僕は、呼ばれているような気がして泉の中心に導かれている。


ふと、おじい様の言葉を思いだす。


『昔々、王女が我が家に嫁いできた。髪の色は銀、瞳の色は、紺碧色で大変美しい方であった。この方は、不思議な力を持っていた。いつか、同じ不思議な力を持つ子が現れたら泉に秘密を隠したと伝えるよう代々言われている』


そして、僕は、泉の中に輝く何かを見つけた。

 僕は、靴を脱ぎ、ズボンの裾をめくり、冷たい水の中にゆっくり入り、足を進める。中央にある輝く何かを見つけ探るように掴む。これだ!掴んだ瞬間、先から白銀色光が溢れ、僕を包み込み、誰かの感情が入り込む。


『あなたがこの剣に触れる時、持主である私は、この世にはいないかもしれない。

 あなたの持つ力が、この剣に導かれこの地を訪れたのは、あなたの秘められ力を解放するため。

 さぁ、剣に秘められている力を受け取りなさい。受け取る事で力についても知ることができるでしょう。

 あなたならこの力を悪意に使うことなく愛するもののために正しく力を使えると信じる。

 あなたがこの地を訪れたのは、力を欲しているのだろう。あるいは何かの危機を迎えているかもしれない。

 その時は、どうかあなたの無事と愛する者達を守れる事を祈ります。

 

 さぁ、我々一族の話をあなたに語ろう。


 そして、私のことを語ろう。』


この剣の持主リーリラ・リヴァリオン・ラクラインの記憶が入ってくる。


僕の頭の中に数多くの情報が入ってくる。きっと僕のご先祖様であろう彼女の人生。初代王のラクラインから不思議な力を継承したが、力を悪用しようとした賊に家族が傷つけられ、国と家族を守る為に力を手放したこと。

 僕の体中に今まで感じたことのないみなぎる力が入ってくる。


『ようやく訪れたか。我が名は、エクストリア。ラクラインの力を引き継ぐ剣。さぁ、おまえは、我をどうしたい。』


突然言われても…

『…いや、別に何も…』


『……』

静か沈黙だけが過ぎる…



「そこにいるのは誰だ!」

僕は、声をかけられびっくりする。

しまった。敵か?!

すぐに僕は、持っていた剣を構える。

すると、なんだか僕から力が溢れているような、いや溢れている。

ぼくを中心に風が生まれる。

れる』

僕の気持ちに反応して剣が笑っているような気がした。

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