第4話 騎士隊長会議

 ここは、騎士総本部、通称黒獅子棟。この黒獅子棟にある騎士会議室。


「宰相久しいですな。この度はご子息の婚儀おめでとうございます。初孫も間もなく生まれると聞きました。リッチモンド家も安泰ですなぁ。」

第5番隊隊長ラモント・ユーリアム(関所警備)は、祝いの言葉を述べる。

「本当よ〜おめでとうございます。ビルなんていつも惚気のろけるのよ〜腹立つわ〜。」

第4番隊隊長キャサリン・ロゼッタ(要人警備)がひじをつきながら話す。

「あはは、ありがとうございます。全くですわ。他国の王女を攫って来るような真似をしよって。その節は、皆様誠に申し訳ない。」

貫禄のある笑い方で話す白髪混じりの藍色髪に眼光鋭い男性は、ルドルフ・リッチモンド侯爵、この帝国の宰相である。第1番隊隊長ビル・リッチモンド(近衛・間諜担当)の父親である。


「あっ、すみませんでしたー。」

ビルは、ぺこりと頭を下げた。

「ビル!軽い!軽すぎよ!もっと謝りなさい!」

キャサリンは、机をバンバン叩く。

「まぁ、キャリー、そんなかっかするな。久々の再会だ。皆元気にしてたか?まぁ、キャリーには、良く会うがな?」

 右頬に傷があり、彫りの深い顔立ち、金色の髪を後ろに全て流し、壮年を思わせる顎髭を触りながら話すこの男、第3番隊隊長(帝都担任)兼9つの領の騎士団をまとめる総隊長ハルク・キングストン。

「あんたら、まったくよくしゃべるよなぁ。俺、忙しいから会議始めてくれよ。」

 カチャリと鼻にあたる細長い眼鏡を持ち上げたのは、第2番隊隊長オースティン・コールディア(皇宮警備)翠玉色の長いくせのある髪を耳かける。

キャサリンは、立ち上がり、オースティンを指差し、

「そのうっとしい髪をどうにかしなさいよ!私みたいに縛れないの??」

「黙れ、行き遅れ。お前こそ、そのオレンジ頭なんとかしろ。」

「あんたこそ雑草が散らばってるみたいよ!」

「ははは、相変わらず仲が良い同期だわ。」

「「仲良くない!」」


「すまないが、始めていいだろうか。」

1人取り残されていた皇太子クリストファーが声をかける。

「いやはや、騒がしい子達で申し訳ない。では、会議を行う。ゾーン国の侵略行為でなかなか集まれなかった。では、1番隊から頼む。」


ビルが書類を見ながら話す、

「はい。皇族警護に関しては、変わりありません。しかし、アレクシス陛下が警備をお断りされます。持病もありますので目が離せない状態です。

 諜報に関しては、周辺国に目立ったことはありませんが、ゾーンですねー。リヴァリオン国の民は、抵抗しないものは生かされていると情報が入ってます。王族は、赤子を含み全て殺害。城内にいた抵抗した者も殺害されているようです。あと、騎士も全滅と報告受けてます。だから奥さんに真実伝えられなくて、グスン。」

 すかさず、キャサリンはビルを睨みつけ、

「ビル、うざいわよ。お黙り。」

「えー、みんなに慰めてもらおうと思ったのにー。」

息子の膨れずらを見た宰相ルドルフは、呆れた表情で

「ビル、いい加減にするんだ。儂からもだ。ゾーンが入国した民の書類を提示するよう周辺他国に求めている。他国と合わせ、侵略行為に抗議文を出しており、書類提出ももちろん拒否している。それと文面に気になることが…第3王女が入国書類に記載があるかも聞かれたようだ。そんな王女いたのか?初夏に行かれたあの国の催しでいましたか?」

クリストファーとビルは、顔を見合わせて、

「いや、見なかったな。」

「父上にも話しましたが、城を諜報していた時もいませんでした。ローズ付の侍女も知らないと話してました。まだ、ローズに聞、聞けない…。」

また、涙目になるビル…

 このつまらない茶番を終わらせようとすかさずオースティンが報告する。

「第2番隊報告しますね。こちらの警備も変わりありません。しかし、鼠を一匹捕まえました。ゾーン国の密偵かもしれないですねぇ。今から色々口割らせますけどねぇ。宰相様ほしい情報がございましたらご一報ください。」

「あぁ、よろしく頼む。」

ルドルフは、頷いた。

総隊長ハルクが話始めた。

「3番隊は、この2,3年を思えば1番帝都は、落ち着いている。リヴァリオン国の難民もそんなに来なかったからなぁ。

国全体から言うと、ウィンターニア領がまだ暴動がある。儂は、しばらく、そちらに向かおうと思う。フォールド領の北にスピリチア島がまだ開島しない。なかなか、海もあるので難しいなぁ。3番隊は、息子の副隊長に任せるので何かあったら報告そちらに頼む。

 

 騎士候補生たが、1年目の子は、なかなかいい指揮官候補になりそうだとと報告を聞いている。時にリヴァリオン国の難民の子がなかなか聡明らしいなぁ。1年生の雰囲気をガラリと変えたらしい。なんせ、キャリーとラモントも推している。いい騎士に育てたい。」

「あのガキか…」

クリストファーは、思い出したように呟いた。

「殿下ご存知ですか?」

ハルクは、おやっとクリストファーを見た。

「あぁ、何度か会っている。」


「では、キャリー」

「第4 番隊は、各領から要人警護の依頼があり、明日から立ちます。報告には一部の者は戻りますが、私のみ夏に戻ります。副隊長は、報告に何度か戻ると思うので連絡は、彼によろしくお願いします。」

「気をつけてな。」

「最後ラモント。」

「はっ。関所では、リヴァリオンのトンネルは、現在閉鎖。リヴァリオン側もゾーン国が使えないように石を積んでいるようだ。こちらもアンデルクと注意している。ゾーン国は、真のトンネルについては気付いていない。アンデルク側と協力してトンネルは、守っている。アンデルク側国境関所は、東、中央とも異常はない。南側は、ナターシャ王国が交易にくるので人は多い。

ゾーン国からの入国は、商人がいると聞いている。あの国のやつらには、念の為見張りはつけている。怪しい動きをしたら報告する。」

ハルクは、皆を見ながら、

「情勢が不安定であるから皆を気をつけろ。

 間もなく、騎士候補生の剣大会がある。各隊引き抜きたいものがいたら見にこいよ。後問題は、候補生1年生のサウストップ山の登山訓練た。山の向こうは、リヴァリオンだからなぁ。

殿下どうされますか?ノース山脈では、訓練になりません。皆どう思う?1番隊隊長から意見を聞かせてくれ」


ビルは、

「僕は、行けばいいと思います。」

オースティンは、

「痛い目に会うのも勉強です。」

キャサリンは、

「実戦に比べたら余裕じゃない?」

ラモントは、拳を挙げ、

「もちろん行くだろう!」

ハルクは、皆の意見に納得した表情で「まぁ、儂も行けばいいと思います。最後に殿下の意見は?」


「皆が賛成してるのならよいのではないか。」反対の意思はない表情だった。


ハルクは、立ち上がり、声高々に

「では、定例会議終了だ。皆飲みに行くかぁ!!」



ドン、ドン。ガチャと扉が開いた。


「報告申し上げます。只今、陛下が崩御されたと連絡がありました。」


場が静まり帰った。


「兄上が…

 宰相、直ちに宮に向かうぞ。」

「はっ。」




「なんてことだ。呪いの力には、勝てないのか…」

ハルクの無情の声が部屋に響いた。



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