第3話 殿下との再会

 朝、早めに席について昨日の復習をする。すると誰かが教室に入って来た。

「ロン、おはよう。ほら、騎士体制まとめたからあげるよ。」

振り向くとルマンドだった。相変わらず無表情だ。

「おはよう、ルマンド。助かるよ。

ルマンド、いつも表情筋死んでない?大丈夫?疲れてる?寝てる?」

「そうかな?まぁ、眠りが浅い方かなぁ。」

「わかる、わかる。枕変わると寝れないやつね。」

「うーん?枕?そうかなぁ?」

「もう、ロン、よくもまぁルマンド様にポンポン言えますね。」

と薄緑色の髪と瞳のサザリーが間に入ってきた。彼も同じフォールド領から来ている。

「ルマンド様寡黙だからしゃべってくれて助かる。」

空色の髪、黒目の彼はロック、フォールド領から来ていて、二人とも13歳で、将来は、ルマンドを支える騎士になるんだって。


「今から地理だぞー。」

シャルケ先生が教室に入ってきた。

「じゃあ、ノーザンランド帝国の領名と位置復習いくぞ。ロン、いけるか?」

「えーと。帝都領、南にマウントプレイス領、左にハイベルク領、西にリッチモンド領、北西にウィンターニア領

北にフォールド領、東北にコールディア領、南東なザイデリカ領、ユーリアム領です。」

「よし。国の中心に走っている山脈は?、アデル!」

「わかりません。」

「おまえ、補修だ。

ロックいけるか?」

「ノースに決まってるでしょ。」

「うわー。」

「アデルうるさいぞ!」

また、シャルケ先生を怒らせたよ。


まぁ、授業は、いつもこんな感じで和気あいあいとしている。あの事件からみんな打ち解けて、身分差なんて気にしてない。まぁ、一部の赤髪達以外だけど。後ろからまた赤髪の嫌な視線を感じるよ。




 鍛錬の時間だ。鍛錬は、騎士候補生の先輩や、騎士の方が相手をしてくれる。騎士の方は、自分の隊に引き抜きたい子を探しに練習を見に来ているらしい。


そう、この人もその1人。

「ロン!脇が空いてぞ、油断するな!」

「あっ!!いたぁー。ありがとうございます。」

「おまえは、我が4番隊の下僕枠を継承せねばならない。頑張ってくれよー。頼むよー。」

彼は、僕の両肩を掴み、揺らす。

キャサリン隊長に、なんかされたのかな?

彼は、第4番隊副隊長ネイル・ポーター。28歳。かわいい嫁、かわいい娘がいるらしい。

「4番隊は、要人警護だから、どの隊よりも襲撃が多く、戦闘実戦となるから強くなるんだ〜!!こーい!」

「はい!たぁー。」

カン、カン、カン。

ネイル副隊長暇なのかな?よく僕の相手をしてくれる。でも、助かるよ。候補生同士の打ち合いは、パターンがわかってきて正直面白くない。やはり隊長クラスは、違う。全然歯が立たない。ネイル副隊長の袖には、2本の金色の線がある。隊長クラスは、3本。小隊長は、1本だ。僕も早く出世して線を増やしたい。


「鍛錬終了ー。」

「ネイル副隊長、ありがとうございます!」

「ロン、よく頑張ったな!またな!」

「はい!」




「ロン、夕食行こう。」

ルマンドが誘ってくれた。

「あー、ごめん。乗馬の補修があるんだよ。」

 乗馬の時間に失敗して僕だけ馬に乗れていない。

「……。ロック、ロンの乗馬に付き合って来る。」

「あー、盛大に落とされたもんな。あはは。俺も行きます。」

「えー、いいよ。」

「俺達のアドバイス聞いたらすぐ乗れるよ!」

ロックはガッツポーズを作り励ましてくれた。


「ありがとう」


「馬はね、なんでもわかるからね。怖がらず、目を合わせてしっかり心を通わすんだ。きっと雌馬だから気が立ってだんだろう。」

ルマンドの助言にメスと聞いてドキっとする。僕が女と偽っているのがわかったのかな?


 僕達は馬舎に向かうと、人影が見えた。

あちらも僕達の存在にすぐに気づいたようだ。


「誰だ!」

「はい!ロン・グリット騎士候補生であります!」

「…あー、君かぁ。クリストファー殿下、キャサリンのお気に入りの子ですよ。」

僕達は殿下に騎士の礼をした。

殿下は、「楽にしろ。」と声をかけてくれた。


隣の男性を見ると、あっ、紺色短髪の人だ。彼は、第1番隊ビル・リッチモンド隊長だ。リヴァリオン国から脱出の際に迎えに来てくれた人だ。今は、あのローズの夫だ。僕は、殿下に目を向けると見たことある人だった…あの薔薇の迷路で会った人だ。あちらも僕に気づいたようだ。

「おまえ…どこかで見たことあるな。あの時の子供か。」

「はい。そうであります。ノーザンランド帝国に受け入れ頂き誠にありがとうございます。」

ビル隊長の横にいる人は、陛下の弟君のクリストファー殿下だ。ちらりと顔を見ると、相変わらず目のクマすごいな。身体から黒靄濃くなっている…

クリストファー殿下は、ルマンドの存在にも気づいたようで、

「ルマンドか。久しいな。叔父上は、健在か?」

「お久しぶりです。クリストファー殿下。はい、父は、なんとか元気に過ごしております。」

「また、よろしく伝えてくれ。どうしてここに?」

「仲間の乗馬の手伝いに参りました。」

「なかま…か。ふっ。どうだ、騎士学校生活は?」

「はい、大変充実しております。」

「頑張れよ。」

「はい。」

そう言うと2人は、去って行った。


「ふーぅ。緊張したぁー。」

ロックがリラックスして言う。

「良く言うよ、一言喋ってないじゃないか!」

ロックに訴えると、

「当たり前だよ。でしゃばって話すなんて不敬だよ。あっそうだ、おまえ歴史の時間も不敬発言してたぞー。」

ルマンドも思い出しように同意して、

「あれは、まずかったですね。私もそう思いました。」

2人で何の話をしてるんだろう??

「えっ?何?わからない?」

ロックは、残念な人を見る眼差しで

「おまえ、絶対今日の夜、俺様補修決定。」

「えーっ。めんどくさー。

ルマンドって殿下と親戚関係なの?」

何気なくルマンドを見ると、

「あっ、そんなところかな。」

話したくないのか言葉を濁された。

まぁ、いいかぁ。

でも、夜にわざわざ補習受けないといけないんだよー!!


騒がしく話していると、馬舎から人が出てきた。

「やぁ、君達、乗馬の練習に来た子だね。待ってたよ。

君だよな、あの時は、すまなかった。状態の悪い子を出してしまったんだ。

あの後すぐに良くなってね。

さぁ、来てくれ。

おや?皆やけに興奮してるな。みんな喜んでいるよ。どの馬にする?仲直りも兼ねてあの時の雌馬にする?ルルって言う名前なんだ。」

「ルル、僕を乗せてくれる?ロンって言うだ。」

元気よくヒヒーンと鳴いてくれた。


 乗馬は、簡単にできた。実は、乗った時、馬の体に熱っぽい箇所があったからあの不思議な力を使ったんだ。その後に落とされてしまったんだ。もしかしてびっくりしたのかな?

結局、僕は、ルルとすごく仲良くなれたんだ。



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