第10話 いざ、騎士学校試験へ。

 いよいよ、試験日がやってきた。

 ベラ達は、侯爵家に行くので、僕は、その前に騎士学校まで送ってもらえた。

「頑張るんだぞー。」

「頑張ってね。」

僕は、ありがとうとベラ達に手を振って中に入った。

「うわー、人でいっぱいだぁ。」

すでにたくさんの子供達がいる。身なりが綺麗な子供や服が破れて、汚い服の子もいる。本当に色々な子がいるなぁ。そして、みんな父親や母親と来ている。

 僕みたいに子供だけで来てる子も居てほっとした。僕は、キョロキョロしていると黒服の騎士が受付に誘導してくれた。

「はい、許可書見せてね。君は、4番の組ね。受験番号206を忘れないように。服にチョークで番号書かせてね。」

「はい。」


 僕は、4番の組に行った。

だいたい50人くらいいるだろうか。


「では、今から体力検査を行います。

この訓練場の5周走ってもらいます。

では、ここに並んで始め!!」


一斉に走り出した。50人同時に走り出したので押し合いになり転んだ子いる。僕は、すかさず飛んで避けた。へっへーん。身軽さなら負けないからな。僕は、地面を蹴り上げ加速した。先頭集団は、練習しているのか速い。

《結構、みんな速い。ついていくの、ギリギリ。》

3周目あたりから段々きつくになってきた、くそっ、踏ん張れ。ようやく、最後まで来てなんとかでゴールできた。真ん中あたりでゴール出来たはずた。黒服の騎士達がゴールで僕達の番号を書き止めていた。なんとか合格したい。


 「4番の組の方ー。次のテストは、鉄棒で1分間懸垂してもらいます。では、150番の方からどうぞ!」

「えー、鉄棒に手が届かないよー。」

「はい、151番の方〜。」

「よいっしょ。手が持ち上がらない〜」

「152番さんどうぞ〜」

この懸垂が出来る子は少ないようだ。

そしてようやく僕の番だ!

「206番さーん」

「はい!」

《いちー、にー、さんー》心の中で数える。伊達に木登りしてないからな。何とか11回できたぞ!!

周りからおーっと声を貰えた。


「はいー、4番の組、次に左右に白い石があります。中間位置に箱をおいてあるので、石を取って箱に入れてください。これも1分間です。150番さんどうぞ〜」

僕は、試験を受けている人をみた。1分間の間に無駄のない動きで入れてる子がいる!あれを真似るんだ。

 僕の番が回ってきた。箱を正面に向き、左側の石のあるところまで走り、左足を滑り込ませ、左手を伸ばして石を取り、中央の箱に素早く入れる。右側も同じように右足を滑りこませながら走り右手で取って箱に入れる。なかなか上手にできたはずだ。

 

 その後、柔軟性、握力などのテストが行われようやく一次試験は、終了した。



「疲れたー。」

「疲れたよなー。」

隣にいた茶色のツンツン髪の子が話しかけてきた

「俺、アデル。お前は?」

「僕、ロン。合格できたらいいねー。」

「発表されるぞ!」

「160番、162番、170番…」

落胆した声、歓声など番号があがる度聞こえる。《神様、お願い!》

「200番、201番、206番、以上。

呼ばれたものは、二次試験となる。

明日も同じ時刻に集合だ。」

「やったー!」

「おまえ、受かった?」

「うん!」

「俺も、やったよ!」

僕達は、パシんと手を叩いた。

「おまえ、親と来たのか?」

「ひとり。」

「途中まで一緒に帰ろう!」

「うん。アデル大きいね。僕と同じ12才?」

「いや、俺14才になったんだ。12才から受けててずっと試験落ちてて。前回は、二次試験落ちなんだよ。」

「二次試験って難しいの?」

「難しいよ、平民枠40人だろう…」

「俺んち貧乏だから騎士になって家族を食わせないといけなくて。」

「僕も稼いでおじいさんとおばあさんと一緒に暮したくて。」

「おまえ、親は?」

「いない。」

「ごめんな。嫌な事聞いて。」

「大丈夫。慣れてるから。」

アデルは、お金がないから歩いて帰るらしく、僕もそれに従った。あの店がうまいとか、街の事を教えてくれた。

セントレア通りまで来ると沢山の人だかりがあった。人が紙を配っているようだ。


「号外〜」


「アデル、何あれ?」

「すっごいニュースがあったときタダで貰える新聞。

おじさん、何があったのさ?」

「今日の朝、ゾーン国がリヴァリオン国を攻めたんだ。関所は、閉鎖。リヴァリオン国は、どうなったのかはわからないが小国だからな。恐らくリヴァリオン国は滅亡でゾーン国になるだろうよ。」

「いやぁ、婚儀もなくなるなぁ…滅亡国の王女を嫁とは、帝国の名がすたれるよ〜。」

「おじさん、リヴァリオン国の人達は??」

「関所が閉鎖したからなぁ。状況は、わからないよ。」

「嘘だろ…」

突然の知らせを聞き、僕の瞳から涙が次々に溢れでた。

「大丈夫か?」

「…うん、また、明日。」

僕は、涙を拭き、宿まで走ったのだ。





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