第3話 運命の出会い

 家に戻り、夕食と入浴を終わらせ、疲れたので寝ると祖母に伝たえ、すぐに部屋に戻った。ベッドにたくさんのクッションを入れ、僕がベッドにいるように擬装だ。そろりと窓をあける。

 くすっ。僕の部屋一階で良かったよ。


 ロンと待ち合わせ場所まで余裕で行けた。


「待った〜。」

「待ってないよー。行こうぜー。」


僕達は、子供が1人入れる城壁の割れ目から潜入する。


「なんか、いつもドキドキするな〜。」

ロンがへっへっと悪い顔をしている。


城の庭は、薔薇の迷路があって人目につきにくいから、そこから厨房の裏口を目指すのだ。


「今日も余裕〜。」

「ロン、いつも行ってる口ぶりだね。」

「ママが、パパの弁当持って行ってとか頼まれるんだよー。

 あっ、おまえ、ここで待てよ。俺、厨房まですぐに行ってくるから待っとけよ。」

「了解〜。助かるよ。あんまり城に近づきたくないしね。ロン早く帰ってくこいよ。」


はい、はい〜とロンが去って行くと、人の足音と声が聞こえた。



「まったく、暗くてよく見えない。」

と突然人の声が聞こえた。

「うわっ。」

その声の主とぶつかる。


「誰だ!」

かちゃと帯剣から剣を抜こうとしる音が聞こえた。

やばいじゃないか!!

「お、おじさん!ごめんなさい。迷路で勝手に遊んでしまって。」


「子供?

おじさんって…いや、迷路ってあの薔薇の迷路…小さい城のくせにこんなもの作るとは迷惑な…

君?城の子か?」


「違います。町の子です。パーティー

って聞いて見にきたの。」


「何?子供が勝手に入れるのか?警備もずさんだな。全く…」


おじさん…僕もそう思います。


「クリストファー殿下どちらにいらっしゃるの〜?」

女性の声が聞こえてきた。おじさんは、しゃがみこみ、どうやら隠れているらしい。桃色の髪と同色のドレスを着た高貴な女性に追われているらしい。


「おじさん、追われてる?」

「そういうところだ。」

「こっちだよ。」

僕は、おじさんの手掴み誘導した。


庭を抜ける道中、多くの招待客を見かけた。


「美しい人、どうか、私と一曲踊ってください。」

「どうしようかしら…。」

オレンジ色の髪を結い上げた美しい貴婦人にアンデルクの騎士服を着た男性が片膝をつき赤い薔薇を一輪差し出し頼みこんでいた。

 女性がこちらをチラリと見て、手を振ったような気がした。

「キャリーの奴、人が逃げているのを喜んでるな。」

おじさんはぶつぶつと文句を言っている。


途中で遠目に噴水が見える。人がいるようだ。通り過ぎる時、姉であるローズ王女と黒色の騎士服を着ている男性が話している姿が見えた。


「ビルめ、俺が追われているのに女を口説いてるなんで、許せん。」   とまたまたぶつぶつと言ってる。

「ぶつぶつ言ってないで歩いてよ。」



「おじさん、ここから城の入り口だよ。入って左に行けば広間にもどれるよって言うか、いつまで手握ってるの?離してよ。」


「あっ、すまない。少年。

あと、口が悪いぞ。目上の人には、敬語を使え。それに私は、おじさんではない。20歳の青年だ。」


 城に近づき、明かりで僕は、おじさんを見ることができた。背が高く、漆黒色の髪は後ろに束ね、身体つきはしっかりしており、上下黒色の上品な光沢がある上質な騎士服、それに映える金色のラインの立襟。左右に金色の勲章を沢山つけていた。ノーザンランド人の騎士だ。勲章の数から位がかなり上だ。瞳があまりに黒くてじっと見られるとなんだか怖い…


「えっ?!ごめんなさい。目のクマがすごくて老けて見えました。仕事大変なんですね。あと、僕に会った事は、内緒ね。城に遊びに来れなくなるから。お願いします。」

とぺこりと頭を下げた。


男性は、はっ?と驚いた顔をして、

「お前、目が青いな。銀髪…この国の子でないのか?混血か…

まぁ、いいか…

じゃあ、助かったよ。よい夜を」


「お兄さんもよい夜を。バイバイ〜。」

手を振って男性と別れた。


 ふ〜なんとか切り抜けた。ノーザンランドとゾーンには、関わらない方がいい。

 でも、気になる…あの人の身体…湯気みたいに黒色の何かが薄っすら出てた…気持ち悪い…あの人幽霊だったかもしれない。最悪だ…

 僕は、ロンのことを思い出し、来た道を戻った。

「おい!探したぞ!」

「ごめん、迷子の老人を案内してたんだ。」

「大変だったな。」

「まぁね。うわー美味しいそうなお菓子!」

「帰ろうぜ!家までどっちが早いか競争だ!」

「おー!」


 

 僕は、まだこの時知らなかった。これから僕の人生が大きく変わる事を。

あの、騎士の男性に再び再会することを…



 

 

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