ノーザンランドの白き獅子リーラ 〜捨てられた王女は、人生逆転復活劇を起こしたくない〜
京極 冨蘭
第1章 リヴァリオン王国の滅亡
第1話 捨てられた王女
広大な大陸の北側を支配する大国がある。周辺国を侵略し、1つの国にまとめ上げた、その国の名は、ノーザンランド帝国。このノーザンランド帝国の南側に周囲を高い山々に囲まれ、美しい湖をもつ小さな国があった。かつて美しさのあまり、精霊が住んでいたという御伽話もある。近年は、山々から貴重な鉱石が発掘され、発掘の際に温泉も湧き保養地へと発展した。おかげでこの国は、鉱石業と観光業と知られる国となった。この国の名はリヴァリオン国と言う。
帝国暦305年
リヴァリオン王国 城内
「お生まれになれました。王女様でいらっしゃいます。」
リヴァリアン王国に赤子の産声が上がった。王女の名は、リーラ・リヴァリオン・ラクライン。このお話の主人公。
不埒な王には、三人の側室がいる。王妃とは、政略結婚の為か残念ながら子ができず、跡継ぎをと言い訳に王は、次々に側室を迎え、一人の側室が王子を産み、二人目の側室が王女を産み、そして三人目は、騎士の家系エステール家から16才になったばかりのバーバラが側室になる。バーバラは、大変可愛らしいと評判の少女で、噂を聞きつけた王は、側室へと迎える。しかし、もともと身体が強くなく、幼い身での出産もたたり、産後、間もなくして亡くなった。
この国では、一般的に髪の色は、金色から茶系に近く、瞳は、茶色系だ。しかしリーラの髪が生えてくると金色ではない、銀色。瞳は、やはりどう見ても青色なのだ。あまりの異色ぶりに
不貞を疑った王は、王女をエステール家に返すよう命じる。名を与えた後のため仕方なく、いつか政略の駒にするのでいいだろうと王女である認知だけした。
そう彼女が生後7か月の話だった。
エステール家では、家主アレクと妻ロリーには、1人娘のバーバラしかおらず、娘が亡くなり2人は、悲しみに打ちひしがれる。
しかし、バーバラが産み落としたリーラを見て、アレクは、驚いた。
当主しか知らないエステール家の秘密。アレクは、知っていたのだ。エステール家の秘密を。
昔、秘匿に王女が降嫁され、彼女の髪の色は、銀で瞳は、青色だったと。アレクは、リーラを先祖返りだということを気づく。
アレクは、この王家から見捨てられ
たら赤子を必ず王家から守ろうと心に誓う。かつて秘匿された王女のことを忘れているような王家など信じらるものか。この娘を一人で生きていけるよう逞しく育てることを決意する。
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