第2話 登校と警報

愛奈は相変わらず人が多いなと言いながら隣を歩く伊織に話しかける。


「星空学園に入学をしてよかったわ。 お兄ちゃんも内部進学だし、この学校は面白い人が沢山いて良い学校だわ!」


輝く笑顔で伊織に愛奈が言うと、伊織は楽しんでくれて良かったと笑顔で返す。伊織と愛奈は駅から出て駅近くにある商店街の進んで抜けると、そこには大きめの公園があり、その公園には砂浜やブランコに水遊び場など様々な遊具があった。


その公演を抜けると、中学校高等学校と二校の多数の施設を置いても余りある敷地面積を持つ日本有数の学校である。伊織と愛奈は共通の校門を潜ると右側に伊織、左側に愛奈は歩いて行く。分かれる際に愛奈はまたねお兄ちゃんと言った。


「おう! 楽しんでなー」


そう言い伊織は手を振って愛奈と別れた。伊織は右側の道を進み私立星空学園高等部に向かう。伊織はそこの一年五組の生徒であり、全学年六百人前後がいるマンモス校となっている。


一クラス四十名のクラスの中の一人である伊織は、教室に入るとおはようと言う。伊織のその言葉に数人のクラスメイトの男子が反応をしておはうようと返すと、伊織が小走りでその数人の男子に駆け寄った。


「よっ! 今日も良い天気で最高だな!」


伊織がそう言うと、一人の男子が最近怪物の出現が増えて大変みたいだぞと伊織に言ってくる。伊織はそうみたいだなと返答をすると、クラス中のスマートフォンが一斉に鳴り出した。伊織たちは何が起きたんだと思い、スマートフォンを取り出す。スマートフォンの画面には国からの通知であり、伊織たちのいる地域に怪物が現れたと書かれていた。


「嘘でしょ!? この地域に怪物が出たの!?」


そう一人のクラスメイトの女子生徒が叫ぶと、教室中が恐怖に陥った。伊織も同じ敷地内にいる愛奈のことが気になっていた。


「慌てないで! 国の特殊部隊が出動したみただから、すぐに倒してくれるわ!」


そう言いながら教室に担任教師である三奈木が入る。三奈木は三奈木月日という名前であり、伊織たちの担任教師を四月から受け持っている。三奈木は身長が百五十五センチに黒いスーツを着ている。黒髪のショートヘアに目元がパッチリとしている童顔の愛らしい顔をしており、スーツからでもわかるスタイルの良さも顔と相まって人気の一つである。


「席に座って! 慌てなくて大丈夫だから! 怪物が出現したのはここから離れているから安心して!」


三奈木が両手で生徒たちに座ってとジェスチャーを交えて言っていく。すると伊織を含めた生徒たちは、出現場所が遠いと聞いて次第に落ち着きを取り戻していった。


「さ、落ち着いたところで出欠確認をするわよー」


三奈木はそう言いながら名前順に生徒たちの名前を呼び始めた。伊織たちの名前を呼び終えると、三奈木は怪物は倒されたみたいよとスマートフォンに流れたてきたニュースを見て言う。最近は出現しては倒されてが繰り返されているものの、それでも怪物は出現したと聞くと、歴史で習った怪物との戦闘の悲惨さを思い出してしまう。


十年前であるが、伊織がライブ会場にいた際に助けてくれた男性はこの国を救ったとされている。歴史の教科書には載ってはいないが、何らかの特殊能力を用いて怪物たちを殲滅していったと言われている。


その男性は十年以上前から活動をしており、国の国防組織と協力をして日本に潜んでいたとされる秘密結社悠遠の時の指導者と言っていた男を倒したとされている。指導者は倒される直前に、特殊能力を持つ男性に呪いをかけたと言われている。


その呪いは近いうちに身体が衰弱をして死に至るという呪いである者の、特殊能力を持つ男性はその呪いに対抗をして、数年は生きたとされていた。その数年の最後に、特殊能力を持つ男性はライブ会場に現れた怪物を倒し、伊織に何かを託したのである。伊織は何を託されたのか理解をしないまま十年が経過をし、今に至っている。


「ふぅ……今日も授業が終わった。 愛奈と一緒に帰るか」


伊織は六時間目の授業が終わる十五時三十分になり、ショートホームルームが終わると鞄を持って友達に挨拶をして教室を出た。階段を下りて校門の前に移動をすると、校門の入り口に寄りかかるように愛奈が立っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る