瓠葉(和やかなる宴)

瓠葉こよう



幡幡瓠葉はんはんこよう 采之亨之さいしきょうし

君子有酒くんしゆうしゅ 酌言嘗之しゃくげんしょうし

 ひらひら風に翻る、フクベの葉。

 それを拾い集め、煮る。

 君子の前に、酒がある。

 盃に注ぎ、フクベを肴に飲もう。


有兔斯首ゆうとししゅ 炮之燔之ほうしはんし

君子有酒くんしゆうしゅ 酌言獻之しゃくげんけんし

 ウサギの首が残っている。

 ウサギの肉を包み焼きとしたのだ。

 君子の前に酒がある。

 ウサギの肉は君子に差し上げよう。


有兔斯首ゆうとししゅ 燔之炙之はんししゃし

君子有酒くんしゆうしゅ 酌言酢之しゃくげんさくし

 ウサギの首が残っている。

 ウサギの肉をあぶり焼きとしたのだ。

 君子の前に酒がある。

 酒を受けた後、返杯する。


有兔斯首ゆうとししゅ 燔之炮之はんしほうし

君子有酒くんしゆうしゅ 酌言醻之しゃくげんしゅうし

 ウサギの首が残っている。

 ウサギの肉を包み焼きとしたのだ。

 君子の前に酒がある。

 その酒が、また客に振る舞われる。




○小雅 瓠葉


「フクベやウサギは小人の食い物だ! 礼に沿っていない! もういう礼に適わないことをするのは幽王だ、幽王に決まってる!」と詩序は仰る。うむ、ガンギマっておるな、悪くない。一方で朱子が「宴会の詩ですねー☆」と一刀両断しておるのには苦笑を禁じ得ぬ。





毛詩正義

https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E5%8D%81%E4%BA%94#%E3%80%8A%E7%93%A0%E8%91%89%E3%80%8B

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