我行其野(捨てられた嫁/民を顧みぬ王)

我行其野がこうきや



我行其野がこうきや 蔽芾其樗へいひきちょ

昏姻之故こんいんしこ 言就爾居げんしゅうじきょ

爾不我畜じふがちく 復我邦家ふくがほうか

 野に行けば、枝葉茂るニワウルシ。

 婚姻を結んだゆえにやって来た家が、

 私を養おうとしてくれない。

 ああ、我が家に帰りたい。


我行其野がこうきや 言采其蓫げんざいきちく

昏姻之故こんいんじこ 言就爾宿げんしゅうじしゅく

爾不我畜じふがちく 言歸思復げんきしふく

 野に行き、ギシギシの葉を取る。

 婚姻を結んだゆえにやって来た家が、

 私を養おうとしてくれない。

 ああ、我が家に帰りたい。


我行其野がこうきや 言采其葍げんさいふふく

不思舊姻ふしきゅういん 求爾新特きゅうじしんとく

成不以富せいふじふ 亦祇以異えききじい

 野に行き、ヤマゴボウを取る。

 あの方は私を顧みず、

 新たな嫁を取ろうとしている。

 あの女が金持ちだから、

 と言うわけでもあるまいが。


 


○小雅 我行其野


この詩も捨てられた女に仮託して宣王を批判する歌、としておる。ここにきて国風しぐさを見せつけられてしまうと真顔になってしまうな……。




毛詩正義

https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E5%8D%81%E4%B8%80#%E3%80%8A%E6%88%91%E8%A1%8C%E5%85%B6%E9%87%8E%E3%80%8B

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