終南(君子のお出かけ/アホすんなよ)

終南しゅうなん



終南何有しゅうなんかゆう 有條有梅ゆうじょうゆうばい

君子至止くんししし 錦衣狐裘きんいこきゅう

顏如渥丹がんしょあくたん 其君也哉きくんやか

 終南山には何がある?

 ヒサギやユズリハの木がある。

 君子がお出ましになる、

 錦の衣にキツネ皮を掛けて。

 紅を刺したかのような

 赤々としたお顔の、

 実に立派なお方であること。


終南何有しゅうなんかゆう 有紀有堂ゆうきゆうどう

君子至止くんししし 黻衣繡裳ふついしゅうしょう 佩玉將將はいぎょくしょうしょう 壽考不忘じゅこうふぼう

 終南山には何がある?

 クコやヤマナシの木がある。

 君子がお出ましになる、

 美しい刺繍のあるお召し物で。

 お召しの宝玉もしゃらしゃらと鳴る、

 実に立派なお方であること。




○国風 秦風 終南


終南山には様々な木が生い茂り、そこには王公が散策にお出ましになることがある。その時の様子を描き出すわけであるが、その王の姿がいかにも立派で、堂々としておる。秦という国の自信を見るかのようであるな。うむ、これならば儒家センセーともそれほど解釈に相違はあるまい。まさかここでも「昔の王は立派だったけど……」とは仰るまいな?




○儒家センセー のたまわく


ここでは立派な士大夫の姿を歌い、称揚することで、襄公にアホなことはしなさんなよ、と牽制しておる! せっかく周の列侯として認められたんだから、わかるな、わかっておるよな????? というわけである!




○崔浩先生、ふふ、って。


まぁ、最終的に周を滅ぼすのは秦であるしな……。




■終南山ここじゃね?


晋書14 地理志上注

武功 太一山在東,古文以爲終南。


雍州ようしゅう始平しへい武功ぶこう県の東部には太一山たいいつさんという山がある。「終南」とはこの山を指しておるのではないか、と語られておるそうである。




毛詩正義

https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E5%85%AD#%E3%80%8A%E7%B5%82%E5%8D%97%E3%80%8B

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