揚之水(引用1:没落兄弟の孤独/頼れる臣下なし)
激しく流れていた川の流れも、
いつかはイバラの束すら
流せぬほどに弱まりもする。
兄弟として頼り合えるは、
もはや私とお前のみ。
余人の言葉を信じてはならぬ。
彼らはお前を騙そうとしている。
激しく流れていた川の流れも、
いつかは薪の束すら
流せぬほどに弱まりもする。
兄弟として頼り合えるは、
もはや我ら二人のみ。
余人の言葉を信じてはならぬ。
彼らはまるで信用に値せぬ。
〇国風 鄭風 揚之水
強烈な人間不信。と言うよりはもともと栄えていた家門の者が没落し、人々より手のひらを返されるようになった、ということであろう。……まぁ、なんというのであろうな。もともとこの二人からは家門をかさに着て好き放題してきたツケ付けが返ってきてしまっているようにしか思えぬのだ。
〇儒家センセー のたまわく
落ちぶれた者に頼れる臣下なきことを憐れむものである! 鄭荘公の息子、忽の末路などはまさにこれであろう!
■兄弟は信じあわなきゃでしょ?
宋書68 劉義真
故詩云「無信人之言,人實不信」。又云兄弟雖䦧,不廢親也。
宋書68は「謀反をおこして処罰された劉裕の息子」の巻。特に劉義康は劉義隆に次ぐ権勢を持っていたためよく槍玉に挙げられていた。ここでは反逆未遂を受けて臣下から当詩を持ち出して「兄弟はいがみ合いながらも、親族であることはやめられない」、だからこそやばいぞ、と言われ、処刑するよう説得されている。それで劉義隆も処刑を決意するのだが、このタイミングでは姉よりの嘆願もあり沙汰やみとなった。とはいえ後日反乱の首魁に担ぎ出され、そこで処断されるのだが。
毛詩正義
https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E5%9B%9B#%E3%80%8A%E6%8F%9A%E4%B9%8B%E6%B0%B4%E3%80%8B_2
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