狡童(ずるいあの人/こざかしい幼主を憂う)

狡童こうどう



彼狡童兮かこうどうけい 不與我言兮ふよがげんけい

維子之故いししこ 使我不能餐兮しがふのうさんけい

 あの小ずるい男めが、

 私と話そうともせぬで。

 ただかの者が心配で、

 食事ものどを通らぬ。


彼狡童兮かこうどうけい 不與我食兮ふよがしょくけい

維子之故いししこ 使我不能息兮しがふのうそくけい

 あの小ずるい男めが、

 私と共に食事しようともせぬ。

 ただかの者が心配で、

 息抜きもおちおちしておれぬ。




〇国風 鄭風 狡童


ずるくて愛しいあなた、つれないあなたを思うと気もそぞろ、と言ったノリのようにも見える。あるいは反抗期の子供であるのかな。まぁ、微笑ましく映る。映るのだ。例によって朱子学的解釈では「これは淫婦の詩! 淫婦の詩!」だなどとのたまっておるがな。




〇儒家センセー のたまわく


当詩もまた荘公の息子、忽を謗っておるのである! 忽が賢人の言葉を退け、ほしいままに振る舞っておるさまを見て、賢人らが嘆息するわけである!




〇崔浩先生、迷う


この詩においては儒家センセーのお言葉にも一定の説得力を感ぜられるのだが、……ただ、言ってしまうのか、自らが盛り立てるべきものを、小ずるいガキと? いやもちろん気持ちはわかる、わかるのだ。だが、なんというか、……ううむ?




毛詩正義

https://zh.wikisource.org/wiki/%E6%AF%9B%E8%A9%A9%E6%AD%A3%E7%BE%A9/%E5%8D%B7%E5%9B%9B#%E3%80%8A%E7%8B%A1%E7%AB%A5%E3%80%8B

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