第92話 バエル抜け駆けされる
中央突破をはかる法国軍に魔族も側面から攻撃を仕掛ける
「陛下の元に行かせるな、たどりつくまでに全滅させろ!」
バエル自身も剣を振るい法国軍を、打ち倒していた
「あなたが指揮官ですね」
バエルは声の方向を見る
「誰だ?」
「私は十二使徒の第一席ペトロと申します、人類の敵たるあなた方を滅ぼしに来たものです」
「お前程度が私を滅ぼすだと?笑えん冗談だな」
「言っててください、聖域!」
辺りが清められ聖なる力に満ちる
「どうです、動けないでしょう、これが神のお力です、あなたは動けないまま神の元に召されるでしょう」
「何を言ってる?低位魔族ならまだしも私にこの程度の力が効く訳ないだろう、他にも何かあるなら今のうちに出しとけ」
「なっ!ならば、女神ルルに願います汝の敬虔な僕の元に眷属を遣わしたまえ、聖獣招来セクメト」
そこに獅子が現れた
「私を呼び出したのはそなたか?」
「はい、神の敵たる魔族を滅ぼしたまえ」
「よかろう、対価にそなたの目を貰おう」
「なっ!目が目が」
ペトロの目は見えなくなった
「さて、対価もいただしたし、そこの魔族よ、死んでもらおうか」
セクメトはバエルに襲いかかった
「たかが獣が粋がるな!」
バエルは剣をうち下ろすが避けられ、カウンターに肩口を爪で切られた
「ただの獣と思うなよ」
「そうみたいだな、俺も本気を出してやろう」
バエルはユウヤに貰った剣を取り出した
「天之尾羽張」
この剣は神を斬り、神の力を分解することが出来た
バエルは剣を地面に突き立て、ペトロが放っていた聖域を解除した
「さあ、やりあいましょう」
「望むところ!」
セクメトが飛び掛かろうとすると
ペッ!
何か液体がセクメトの足にかかった
「なんだ?」
不意をつかれてセクメトは振り返る
そこにはスライムがいた
「なんだこのスライムは?」
スライムごときが聖獣たる自分に攻撃してきた事に不審に思うが不安要素は消しておこうと爪を振るうが既に足が溶けていた
「なんだ?何が起こっている?」
混乱するセクメトをおいてバエルは
「ラスさん、なんで俺の獲物までとるんですか!」
「バエルさんゴメン戦ってると思わなくてつい」
「嘘でしょ!絶対気付いてやった!」
「まあ、まあ、どっちが倒したか何ていいじゃん」
そう言いながらラスはペトロの首も取った
「あーそっちも俺の」
「早い者勝ちだよ、じゃあユウヤ様の元に帰るね~」
ラスは逃げるようにバエルの元を去った
残されたのは足が失くなり動けなくなったセクメトと首のないペトロの体だけだった
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