第91話 帝国軍の力

銀次を筆頭に突撃を敢行していた

すると銀次の前に十二使徒が現れた

「なんだ、てめぇら!」

「野蛮人どもが、神の教えに逆らい魔族につくとは許しがたい蛮行!十二使徒たる私マタイが始末してくれましょう」

言うが早いかマタイは銀次に斬り込んできた

「法国の雑魚どもが!」

銀次は斬り込んできた剣に刃を合わせると剣を滑らしそのままマタイの懐に入り斬った

「がはっ!なんだと、この私が斬られるとは」

「なんと他愛もない、鎧袖一触とはこの事か!」

銀次はマタイを放置し先を目指した

「くくく、止めをささないとは愚かな、必ず復讐を果たして見せる」

マタイはふらつく体を引きずりながら逃走に入った

「なんかいる?」

マタイが振り返るとそこにはスライムがいた

「なんだ、このスライム?今は忙しいからどっかにいけ!」

マタイは体力消耗は避けたかったので追い払う事にした

マタイは運がなかったそこにいたのは普通のスライムではなかった

「うーん、えい」

スライムは水をマタイにかけると立ち去っていった

「なんなんだ、あれは?」

困惑したがいなくなったことを良しとして逃げようとしたが足に力が入らない、急に体が暑くなり、全身に力も入らなくなったと思えば今度は激痛がはしりだした

「ぐっ!なんだこの痛みは、だ、だれかいないのか?た、助けてくれ」

マタイの声は誰にも届くことはなく、ただ戦場に捨てられるだけだった


マナブは頑張っていた、王国軍を許した事で倉田の怒りをかっており、ここで活躍しなければ何させられるかわかったものではなかった

「さっさと死ね!お前らが生きてると俺が殺されるんだよ!」

マナブは必死で剣を振るう

「そこまでだ、我が同胞を手にかける異教徒よ!」

「だれだ!」

「私はトマス十二使徒の1人、今は我らに味方するなら今までの行為を水に流しますがいかがですか?」

「お前馬鹿にしてるのか?俺がお前たちにつくわけないだろう、それよりその首置いていけ!」

マナブはいきなり斬りかかった、今のマナブに余裕は全くなくあるのはさっさと始末して次に行く事だけだった

「ぬっ!」

マナブの剣にトマスは焦る

鋭い剣筋に何とか受けたものの力量は自分と同じぐらいと感じた

「なかなか、やりますね!実に惜しい何故人類の敵にまわるのですか?」

「人類の敵?そんなの関係ない、お前らは仲間の敵になっただけだ!」

マナブは更に斬り込む

トマスは剣で受け、斬り込むが今度はマナブに受けられる

「仕方ないですね、精霊憑依!」

トマスは精霊を憑依する事で身体強化と魔法を使用出来る状態になった

「行きますよ!」

トマスの剣は先程と比べると見違えるような早さとなりマナブは受けきれず手傷を負うことになった

「くっ!なんだ、その力は?」

「精霊の加護ですよ、あなたはなかなかいい腕でしたが私には届かないようですね」

トマスは手傷を負い動けなくなっているマナブに止めをさそうと近づく

「ここまでか」

マナブは覚悟を決めたが

トマスが近づくことはなかった

「誰ですか、あなたは!」

その声にマナブが見るとそこには倉田がいた

「なんだ、マナブ負けてやがるのか?」

マナブは恐怖した、1番知られたくない人がそこにいた

「い、いえ、これからですよ、倉田の兄貴」

マナブは立ち上がり戦う構えをとった

「構わん動くな、俺が代わりにコイツを消してやる、お前は後に下がって治療を浮けてこい」

思わぬ優しい言葉にマナブは涙が出た

「ただし、戦争後は特別訓練だな」

その言葉にマナブは別の涙が出た


「さて、いつまで眺めてる?さっさとかかってこい!」

倉田がトマスを挑発する

「言われなくても!」

トマスは精霊の力を全開にして、今出来る最高の一撃を倉田の首に当てた・・・はずだった

しかし、振り抜いた剣は折れ、倉田の首は斬れることなくそこについたままだった

「なんだ、その程度か?」

倉田はトマスの剣を腕で受けたが剣がもたず折れただけだった

「ば、ばけもの」

トマスは恐怖した、自分じゃどうあっても勝てない相手に会うのは初めてだった

「なんだもう仕舞いか」

倉田はトマスの頭に手を置くとトマスは消滅した

「いったいなにが?」

全てを見ていたマナブにも何がおきてるかわからなかった

「おい、マナブさっさと治療して戦いに戻らんか!俺はこのまま前進してくる」


マナブはケガも忘れ、急ぎ本陣の治療所に向かった

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