第82話 前線崩壊

法王の元に伝令兵が慌ただしく駆け込む

「法王さま、大変です」

「どうした?」

「ぜ、前線が崩壊しております、ヤコブ兄弟さま、タダイさま、シモンさまが敗れました」

「なに!十二使徒が既に四人も討たれたのか」

「はい、敵はほぼ無傷、第1陣は兵が逃走を始めております、いかがなさいましょう」

「冒険者達を前に出せ、その間に立て直すのだ!」

「はっ!」

伝令は走っていった


「ま、まずい強すぎる、どうする、どうやれば生き残れる」

法王は自身が生き残れる道を考えていた


王国軍

騎士団長マインは魔族の強さに驚愕していた

「あれにどうやれば勝てる」

アキは串刺しされてる姿を見て戦意は残っていなかった

「団長、逃げましょう私はあんな死に方は嫌です」

ウキは楽観的に考えており、アキの悲痛な訴えを流していた

「まあまあ、魔族は法国に任せて俺達は帝国軍に当たればいいだろ」

「それでは足りません、今すぐ撤退すべきです」

撤退を唱えるアキにイキはたずねる

「オキはどうする?既に奇襲に出てるだろ」

「オキも適当に下がるよ、あれはヤバすぎる、最悪死んでも仕方ない」

「オキを見捨てるのか!」

「なら、イキだけで助けなよ、私は戦いたくない」

マインは既に戦えないと判断し

「オキには伝令をだそう、我々は帝国に仕掛け突破する、その後国に戻るぞ、オキなら山を越え退却できるはずだ、俺達は生きて国に帰り陛下に魔族との戦争を止めるように伝える、いいか、無駄死にはするな!仲間が死にそうでも見捨てろ、国に伝える事を優先せよ」

マインの決断に主戦派のウキも従う

「わかりました、必ず国に帰りましょう」

「うむ、全軍で突撃を開始し、躱すように戦場を抜ける、いいか、無理に戦うな!食料は三日分各自持っていくように兵に通達せよ」


指示をしてから動きは早かった

アキが準備の完了を報告する

「全軍準備できました」

「よし、みんな行くぞ!死なずに国に帰れば俺達の勝ちと思え!故郷の家族の為にも今は生き残る!いざ、出陣!!」


王国軍は決死の退却を行う事にした

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